2012年7月28日土曜日

苦役列車(113分)

監督:山下敦弘
のぞき部屋3000円を追加して
オンナの口でヌいてもらおう

感想の第一声がどうしても「森山未來、頑張った!」となってしまう作品。
森山未來が、口は汚い・食べ方は汚い・十代から風俗にどっぷり通う超ゲス野郎を説得力をもって演じきってて、よかったです。そして、すげー嫌な奴なのに、なぜか憎めないバランスが流石でした。
ただ、作品としてはいまいちのれませんでした。ちょっとテンポが悪くて、たるい感じ。途中まで、主人公の「読書好き」っていうのは自称してるだけで嘘だと思ってたから終盤の「書きたいエモーション」の昂ぶりもしっくりこず、残念でした。
意識してかせずか、「モテキ」と似た構図が多かったのが興味深かったです。
サブカルをdisったり、マキタスポーツに語らせたり。
クライマックスのあっちゃんを水たまりに押し倒して無理矢理キスするくだりで、「モテキ」のエンディングを思い出しました。森山未來のキスに笑顔で答えた長澤まさみに対し、あっちゃんの「(友達なんていらいない)なら終わりだ!」からの頭突きアンサーに、「モテキ」のエンディングでのモヤモヤが晴れました!そんなにうまくいくわきゃないんだYO!
森山未來があっちゃんと“握手”からの“お手手ペロンチョ”の絵に、「握手会でこのプレイが流行ったら、あっちゃんが危ない!」と危惧してしまいました。下着で泳いでスケスケになったり、「おじいちゃん、出していいよ」とお小水を取ってくれたり、あっちゃんは結構サービスしてくれているのでファンの方にはオススメです。しかも、彼女のイメージは損なってないので、へんなムカつきも感じずに見れるし。
前田敦子は、なんかこういう「何考えてるかよく分かんない」役あってますね。素で演じているようにみえて、良かったです。

2012年7月20日金曜日

BRAVE HEARTS 海猿(116分)


監督:羽住英一郎
最高の男のおしりをご堪能
ほんとイイ馬鹿イトウヒデアキ

2年前にシネマハスラーで扱った「THE LAST MESSAGE 海猿」ぶり、自分史上2本目の海猿でしたが。。。前作で感じた不満が解消されていて、よかった。いや、むしろ今回ので私海猿ファンになったと言っていいかもしれない!

何がイイって、主人公:仙崎演じる伊藤英明がイイ!あれは、イイ馬鹿&イイ男!
いちおう、加藤あいと夫婦という設定ながらも、画面ではほとんどイチャイチャしてる相手が佐藤隆太というニヤニヤ。バックから撮影した2人のシャワーシーンとか、あれずっと見ていられるヤツだわ。伊藤英明はあまりにこの役がはまっていて、彼の今後の役者キャリアが心配になりました。

アクションもよく出来ていて、興奮しました。特に冒頭の大型船が傾いてコンテナが次々と海に落ちるシーンとか、日本映画でこんなによく出来た海洋パニックは今までみたことがない気がします。乗客乗員346人乗ったジャンボ旅客機の事故で死者ゼロってのはちょっとやりすぎ感あったけど、「でも、死んでない!」お約束オチ意外と癖になってきました。

今回、一番好感が持て・拍手を送りたいのは、TV発映画にありがちな「内部対立描写」がなかったところ。前作はそのありがち描写があったのですが、今回はジャンボ旅客機事故という難事に一般人まで巻き込んで全員一丸となって解決にのぞみ、組織対立はまったくありません!おそらく311を汲んでのことでしょうが、「事件は会議室で起きてるんじゃない、現場で起きてるんだっ!」演出よりもこっちのほうが数倍イイです。
すっかり海猿ファンになってしまい、羽住監督おなじみのエンドロールおどけ映像も、今回は「お前、ほんと好きだなー!」とニヤニヤしてみることが出来ました。続きがあったら、また見たいです!

2012年7月19日木曜日

THE LAST MESSAGE 海猿(129分)

2010年11月鑑賞
監督: 羽住英一郎

Dで見てきました。 
テレビシリーズ含め全くみたことないので、全然ストーリーにはいっていけませんでしたが、パニック映画としてみればそんなに悪くなかったです。
何かが起こる前に、周辺が不穏にカタカタしはじめ、キャスト同士が目をかわしてから「バーーーン!」となる演出は、嘘くさいけど、気持ちのいいB級感があり結構好きでした。

取り残された5人の立場の組み合わせとか、「結構誠実に作ってるかも」と思わされましたが、、、
海上保安庁内の対立がどうにも腹がたって。。。テレビ発の映画モノって、こういう公務員の内部対立構造を使いすぎじゃないですか?
「踊る」「HERO」「相棒」も、こういう構図を使ってますよね。この仕組みで、ストーリーに深みを感じさせれるとでも思ってるんでしょうか?とにかく、この展開には「またか」と、がっくりきました。

シネマハスラー的には、「13人の刺客」「エクスペンダブルズ」についで、「えっ、死んでないの!?」エンディングが続いたので、話に関係なくラストで大笑い出来てよかったです。

2012年7月15日日曜日

ワン・デイ 23年のラブストーリー(107分)

原題:One day
監督:ロネ・シェルフィグ
好きだけどキミとはずっと友達で
お葬式には絶対来てね


プレイボーイとそれを一途に思い続ける女友達の23年間を毎年715日のみ描く映画なのですが、あまりに女が男に執着し過ぎ&男が女の好意をいいように飼い殺し過ぎなので、しんどくなりました
「だめんずウォーカー」とかに出てくる“「好き!付き合って!」と告白したら、「キミは特別だから、友達のままでいたいんだ!恋人になったり、結婚したりは出来ないけど、キミにはボクのお葬式で泣いてほしい!」って返される”エピソードを思い出し、胸が痛くなりました。
この映画では「ボクのコトを好きなままでいてよ」地獄が約15年続きます。そして、仕事・妻・子供と全てを失ってボロボロになった男が「やっぱり、キミしかいない!」と女に堕ちたと思いきや、例のエピソードとは逆で男が女のお葬式に出るはめになるという。。。
そのほかのエピソードはともかく、旅行先で男が服を盗まれるヤツは絶対興ざめだと思うんだけど盗まれたのはともかく、「カルバンクラインのパンツなのにぃ!」と大声を出し全裸で騒ぐ無様さ。しかも、盗まれる前に「ま、今回の旅行だけイチャイチャしようぜ」的口説きがあったことを考えると、超腹立つし。あかん、あんな男にずっと振り回されるなんて、あかん過ぎる。あげく、男を手に入れたと思いきや、死。しつこい片思いの因果律的なモノを感じて、怖くて震えましたYO!片思い or Dead!片思いここにFinally!

2012年7月12日木曜日

ネイビーシールズ(110分)


監督:スコット・ワウ&マイク・マッコイ
原題:Act of Valor
海兵に入隊したらなれそうだ
よい父・夫・アメリカ人に

出口勧誘していたら、うっかり入隊してしまいそうな「アメリカ海軍かっこいいゼ!」映画。空から着陸し奇襲をかけるシーンとか、リアルだしクールだしドキドキしつつも爽快感も味わえ、超スゴ技の自動プレイゲームを見ているような感覚に陥りました。
ストーリーをどうこういう映画でもないのでそこはあまりふれませんが、個人的希望としては凄腕ベテラン兵の拷問術をもっとみたかったです。
「基本的にものすごく礼儀正しく」「名前をワザと間違えたり上下関係を示す」「キレルのは最も効果的なタイミングで」「家族をダシにゆする」と言った心理術のみの拷問は流石なのですが、好きな映画「ホステル」な私としてはもっと救いなき残虐シーンもみたかったり。まぁ、このレベルの拷問が公的機関としてはリアルなところなのかな…
あと驚いたのは、手榴弾を腹で止めるという死に方!かってこれ以上に、見た目不様でありながら・かっこいい男の死に方があっただろうかっ!?
そして死に続く、あの規律正しく美しいお葬式。制服正装をした海兵隊の行進とひるがえる星条旗には、日本人の私でもグッときました。「バトルシップ」のあのチャラ感とは違って、リアル海兵映画打ち上げは、「殉職者のお葬式」なんだなと感じました。

2012年7月10日火曜日

先生を流産させる会(62分)


監督:内藤瑛亮
殺す死ね自殺しろより軽い罪 
流産させる会ならはいる?

実際の事件は男子生徒によりおこされたモノだったそうですが、映画では女子校設定になっていました。この性別変更がよく効いてた。身に覚えのある「オンナによるオンナ嫌悪」が生々しく感じ取ることが出来ました。
水泳の授業で生理になる、真夏の屋外で股をつたうあの生あたたか~い嫌な感じ。妊娠した先生を「キモッ!」といいつつ、自分もどんどんオンナに近づいていってしまう自己矛盾をはらんだ嫌悪。丁寧に描かれる嫌な描写のおかげで、クライマックスで「あんたも気付いてるんでしょ!女って、気持ち悪い生き物なんだよ!」っていう先生の言葉が、スッとはいってきました。

「なかったことになんてできないんだから」と言いながら生徒と一緒に水子を埋葬をする先生の姿に、この映画は救いのある「告白」だなと感じました。彼女は、女でありながら、ちゃんと最後まで先生なんですよね。それが哀しくも頼もしかった。

舞台挨拶付きの上映に見に行ったんですが、女子生徒役のコたちは本当に普通の女の子たちでした。撮影時の思い出に、「アイスクリームで手がベタベタになったこと」とか言っててマジでかわいかった。
でも、映画内ではものすごい存在感で、そのギャップにビックリ。特にリーダー役の女のコの劇中のたたずまいはすごかった。不登校になるコにお母さんがクリームを足にすりこんでくれてるシーンで、窓からのぞく姿に「ヒッ!」ってなっちゃいましたもん。
上映後、「演技うまかったね。演劇部とかにはいってるの?」と聞いたら、「なんにもですよ。(演技指導も)「もっと不機嫌な顔して歩いて!」とかしか言われてないです」って。。。この言葉に、内藤瑛亮監督の才能と映画のおそろしさを感じました。

2012年7月9日月曜日

アメイジング・スパイダーマン(136分)

原題:The Amazing Spider-Man
監督:マーク・ウェブ
お坊ちゃん調子に乗ってる場合です
親の居ぬ間にはしゃいでおきな

ヒーロー映画なのに、主人公が全然好きになれなくて・・・いや、むしろ嫌いであんまりノレなかったです。
育ての親が亡くなったあたりから、心の中で「おじさんの死、6割型お前のせいだろ!人のせいにすんな!お前なんか、早く全てを失え!それで、5分後またすぐ調子こいて、性格の悪さを露呈させろ!」と呪ってしまいました。
ヒロインに正体を明かすくだりの、「言えねー。言えねー。とっても言えねー。(指から糸を出して)オレがスパイダーマンだって言えね~~~」の調子こき感。お前なんて、さっさと「生理的に無理なんだけど」とか言われて振られてしまえ!いや、こんなに調子こいたヤツを、ヒロイン・育ての親・友達と周りが甘やかしまくるんですよね。今作では、一旦ヒロインの父親とヒロインから離れることを約束させられておきながら、最後には「約束?破ることもあるし」と調子こいてるし。あー、早く事件の大部分が自分のせいだと気がついて絶望の果て、全てを失わないかな。
話自体は、映画的ドグマ「映画は父を殺すためにある」にビックリするほどピッタリなプロットでした。父親(父性を持った人物)が次々と死ぬんですよね。この流れからいくと、やっぱりオチは実の父親が生きていて、それを殺すという展開になるのかな。
サムライミ版好きの友達が、「サムライミ版のテーマは童貞だったけど、今回は彼女が出来た浮かれ感」「すぐにマスクを取るのは非包茎アピール」「エンドロールの観客への糸噴射は、「モテル男は顔射もする」っていうメタファー」と興味深いことを言っていたので、そこらへんの確認のため、続編も見にいこうと思います。はー、アイツの鼻がこてんぱんに折れるところを早くみたいッ!

2012年7月5日木曜日

きっと ここが帰る場所(118分)

原題:This Must Be the Place
監督:パオロ・ソレンティーノ
コロコロを片手にひいてノロノロと
父の仇を討ちにいきます

試写会に当たって見てきました。
最後まで回収されないままの伏線が多くて、ちょっと消化不良感。でも、元ロックスターを演じるショーンペーンの謎の佇まいにひきこまれ、全編わりと楽しくみれました。

厭世感いっぱいのショーンペーンが皮肉っぽく哲学的なことを言うのに、ニヤリ。
「キッチンに、なんで「キッチン」とかかせたの?いくら僕だってそれくらい分かる」とか「ごめんなさい。わざとやったんだ」とか「何とは言えないけど、何かへんだ」とか真似してみたいパンチラインがいっぱい。その奥様もなかなか粋なことを言っていました。「いまだに、はじめてみたいにデキル人あなたしかいないわ」とか「男をたたすために、負けてあげたのよ」とか。うん、いい夫婦。

プレイボーイの友達とナチの残党を執念深く追い詰めた父親のエピソードが、なんか印象がかぶって面白かったです。
「女を落とすにはとにかく時間をかけること。女は根気に負けるんじゃない。自尊心を満たされて落ちるんだ」っていう論と、「君の父上の執念深さには、正直魅了された」っていう談は何か共通するものを感じました。時間をかけて、しつこく何かをし続けることは人をあきれさせ・あきらめさせ・惹きつけるものなんですね。

2012年7月2日月曜日

ベルフラワー(106分)

原題:BELLFLOWER
監督:エヴァン・グローデル
いつまでも心の中にぼんくらを
仕事?恋人?そんなのイラネ

「マッドマックス」見たことないけど、「一度リア充に堕ちたぼんくらのとんでも復讐劇」というプロットが気になって見てきました。 

「女に振られたら、どうする?」「ヒューマンガス様よろしく、すべてを火炎放射器で焼き尽くす!」「ふぁーーー、クールゥゥゥ!」っていう楽しい話。コレは、イカレぼんくら男子の「【500日】のサマー」ですね、ハイ。
監督・脚本・製作・編集・主演全てエヴァン・グローデルで、しかも彼は長編映画初作品っていうんだから、これはコイツの世界そのものなんだと思います。ヤバイ!でも、なんかカッコイイ!よくデキテル!
物語に出てくる人が誰一人として、仕事をしていないという思い切った設定。映画中、唯一お金を儲けるのがコオロギ早食いバトルのみ。裕福そうにはみえないものの、誰もお金に困っているようには見えないところがまたスゴイ。すさんでるけど、それはお金がないじゃない。理由をあげるなら、彼らの様子がオカシイせい。。。


セカンド扱いだったコートニーがめっちゃかわいかった。おっぱいもチラリと見えるし。落ち込んだ時、あんなカワイイコにハグしてもらえて主人公がうらやましい私も落ち込んだ時は、どさくさに紛れて「抱きしめてもらってもいい?」と聞いてみよう。
あと、「なるほどなーっ」と思ったのは、「雑魚寝の最中で友達がSEXおっぱじめた時、どのタイミングで起きるか」問題。情事が終わって、ひと通りピロートークがすんだタイミングで「ふぁー、よく寝た!」と起きるのが正解。そして、キッチンで朝食の準備をし、ベーコンとビールをふるまう。それがイイ友達というモノなのですね。
あ、シアターN渋谷では「ベルフラワー初日ビール飲み放題」っていう映画館企画があったみたいです。「ベーコンはご持参下さい 」という注意書きがまた素敵。