2012年12月31日月曜日

くららがたったのシネマランキング(2012年)

今年ももう大晦日!・・・ということで、今年私が鑑賞した新作映画のシネマランキングを発表させていただきたいと思います!

ラジオ:ライムスター宇多丸のウィークエンドシャッフル内コーナー:シネマハスラーで取り扱われた映画56本にプラス41本、計97本新作映画を鑑賞しました。
今年は、鑑賞全作品の感想を書くと決めて、それをちゃんとやり遂げたことが我ながらえらかった。パチパチパチ!

来年は仕事が忙しくなりそうな気配があり、今年ほどに映画を見れそうにないのですが、とりあえずシネマハスラーは続けようと思います。来年もよろしくお願いします!

くららがたったのシネマランキング(2012年)

1.この空の花 長岡花火物語
理由のわからない涙で顔がカピカピに。映画館のトイレで顔を洗う。
2.DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る
来年も期待しています!映画館で喧嘩したい!
3.プロメテウス
私もリドリースコットみたいな説教臭くない老人になりたい。
4.おとなのけんか
痛快すぎてもはや美しい!能動的79分。
5.サニー 永遠の仲間たち
ラストシーンをYOUTUBEで見ただけで涙。
6.ブライズメイズ 史上最悪のウェディングプラン
女の美醜&嫉妬問題は根深い。
7.サウダーヂ
名古屋では今年の公開でした。
8.ドライヴ
最高のキスシーン。ナイフを丁寧に洗うシーンも好き。
9.ザ・レイド
全員悪人マンション!手に汗握り過ぎて、手のひらが荒れた。
10.ピープルVSジョージ・ルーカス
愛憎いりまじるファンの感情が大好物。
11.籠の中の乙女
姉妹のフラッシュダンス、最高や!
12.私が、生きる肌
大小さまざまなおちんちんの模型を見せられた時の絶望たるや。
13.宇宙人ポール
宇宙人ポール=理想の彼氏。
14.哀しき獣
本物の男は牛骨までも武器にする。
15.トガニ~幼き瞳の告発~
エンドロール後の世界がかえた映画の力。
16.高地戦
絶望と不毛が行き着くとなぜか笑いが出るという哀しさ。2秒、かっこいい!
17.SR サイタマノラッパー3 ロードサイドの逃亡者
シリーズの印象を変えた最終章。FESの長回しシーンの重量感。
18.ヤング≒アダルト
結局、成長しない道を選ぶ主人公を見て震える。
19.悪の教典
「涙サプライズ」PVの本編として見るのがおすすめです!
20.桐島、部活やめるってよ
高校時代、文化部を差別していた黒歴史の発見。
21.仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦 MEGA MAX
W・フォーゼ・オーズが集まることで起こる化学反応に大満足。
22.THE GREY 凍える太陽
狼に立ち向かう男の絶望の果ての闘志が好き。
23.苦役列車
森山未來のご飯の食べ方の汚さが最高。
24.ふがいない僕は空を見た
おちんちんのUPで感動するという不思議。
25.J・エドガー
あんな人でも誰かの大切な人。
26.007 スカイフォール
クール・クール・クール!
27.別離
人と人って分かりあえるはずがない、とりあえず謝っとこう。
28.ベルフラワー
恋人に裏切られたら、世界を滅ぼそう。
29.劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 前編 始まりの物語
映画館でみる、まみさんのおっぱいの大きさ。
30.劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 後編 永遠の物語
アイドル論にこじつけた感想に賛否両論いただく。
31.テイク・ディス・ワルツ
女の性欲について話との説に、大きくうなづく。
32.タイタニック3D
これこそ3D化すべき過去作。アイマックス!チーズ!ビーフジャーキー!ワイン!
33.アウトレイジ ビヨンド
「なめてんのか!」「なめてねーよ!」前作より好きです。
34.黄金を抱いて翔べ
全員かっこよすぎて、話に集中できないという悩み。
35.アルゴ
「アルゴ、ファック ユア セルフ!」口の固い大人アコガレ。
36.アベンジャーズ
最高の打ち上げ。
37.バトルシップ
日米介する楽しい打ち上げ。
38.BRAVE HEARTS 海猿
フジテレビは嫌いになっても、伊藤英明は嫌いにならないでください!
39.鍵泥棒のメソッド
ノートの中身にワクワクする香川映画。
40.ファーストポジション
才能あふれる子供の努力まみれの生活。
41.映画 ひみつのアッコちゃん
綾瀬はるかのハマり役。これ以上なくカワイイ。
42.ポエトリー アグネスの詩
美しい物事を愛するおばあちゃんが愛らしく哀しい。
43.毎日がアルツハイマー
孫娘:こっちゃんは私に似ているらしいです。
44.SHAME
「お前のハードディスク、汚らわしい!」って、そんなの当たり前。
45.ニューイヤーズ・イブ
終わりよければ、すべてよし。
46.先生を流産させる会
「先生を流産させる会」という言葉のなんともいえぬ悪意を表しきった作品。
47.ヒミズ
シネマテーブルの染谷くんは「死ねばいいのに!」と言います。
48.夢売るふたり
私はあーゆー風には、ナプキン付けなかったりします。
49.最強のふたり
どんなに迷っても、泣いても、お金があれば大丈夫。
50.僕達急行 A列車で行こう
「僕たちモテないのかなぁ」「僕たちにしかわからない世界があるサ!」
51.戦火の馬
飼い主以外は乗る死んでしまう呪いの馬の話。
52.恋と愛の測り方
女は心で男は身体で浮気をするらしいですよ。
53.エクスペンダブルズ2
臓物がこぼれおちるところに好感が持てます。
54.アメイジング・スパイダーマン
調子こきすぎな主人公がムカついたよ!
55.ソウル・サーファー
こんなにイイコいるわきゃないと思ったら実話でさーせん。
56.ネイビーシールズ
手榴弾は腹で受け止めろ!
57.危険なメソッド
キーラ・ナイトレイの顔芸に5億点!
58.聴こえてる、ふりをしただけ
育休中に映画を撮ったという新人女流監督に驚愕。
59.きっと ここが帰る場所
父の敵をうちに行きます。
60.恋のロンドン狂騒曲
前世に頼れば、なんだってなんとかなる。
61.フランケンウィニー
死んだ犬が一番カワイイ。
62.おおかみこどもの雨と雪
学生時代に住んだ街が美しいアニメになってて、うれしかった。
63.ダークナイト ライジング
ダークナイトを見ないまま、コレを見るという愚行。
64.ヒューゴの不思議な発明
それまでの流れはともかく終盤のスピーチの素晴らしい。
65.モバイルハウスのつくりかた
家を作るのって、やっぱ大変。
66.みんなで一緒に暮らしたら
お金事情をまったく描いてなくて信用できない。
67.グッバイ・マイ・ファーストラヴ
初恋にどうしようもなく執着してしまうサマが怖い。
68.WIN WIN ダメ男とダメ少年の最高の日々
WINWINでもないしダメでもない、タイトルの謎。大人は誰でも天才に興奮する。
69.ワン・デイ 23年のラブストーリー
両思いになると死ぬというおそろしい”片思いファイナリー”
70.人生はビギナーズ
おしゃれこいてる生活っぷりが無性にムカつく。
71.ジョン・カーター
おちんちんそっくりのクリエーチャーかわゆす。
72.のぼうの城
野村萬斎しかやれない役だけど、やっぱ彼は馬鹿には見えないからなぁ。
73.ももへの手紙
迷惑すぎる妖怪がムカつく。
74.テルマエ・ロマエ
うちのお風呂も今年新しくなりました。
75.宇宙兄弟
無職なのにフレッシュネスバーガーを食べるリッチネス。
76.TIME
設定がいいだけに残念。
77.ウルトラマンサーガ
秋元才加がかっこよかった!
78.仮面ライダーフォーゼ THE MOVIE みんなで宇宙キターッ!
みんなで宇宙にいっちゃう設定に乗れなかった。
79.新しい靴を買わなくちゃ
酔った勢いでもないと男なんて口説けないよね。
80.メリダとおそろしの森
くまになって、くまったくまった(´()`)
81.NINIFUNI
早見あかりのいるももクロの良さを再確認。
82.ものすごくうるさくて、ありえないほど近い
子供がどうにも嫌なヤツでねぇ。
83.琉神マブヤー THE MOVIE 七つのマブイ
ISSAさんは本当にスゴイですよねー。
84.特命戦隊ゴーバスターズ THE MOVIE 東京エネタワーを守れ!
ウィークポイントという設定が面白い。
85.ガール
結局、男に救われるガールたちに、拳ふるえる。
86.ALWAYS 三丁目の夕日'64
堀北真希の方言っぷりがかわいい。
87.STAR WARS エピソード1/ファントム・メナス 3D
人生初のSTAR WARS。つ・つまらん!
88.篤姫ナンバー1
石川梨華があっちゃんになる映画。
89.ツナグ
心の声が聞こえてくるよ。
90.はやぶさ 遥かなる帰還
江口洋介と吉岡秀隆のイチャイチャ。
91.はやぶさ HAYABUSA
はやぶさがしゃべるという設定の謎が解ける。
92.おかえり、はやぶさ
藤原竜也がどなるはやぶさ。
93.踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望
体調不良なのに、高速バスでお台場から九州に帰るすみれさんの無謀。
94.幸せの教室
あいつ、イイヤツなんだけど、あいつにまかせたパーティはつまんねーんだよな!(制作・監督・脚本・主演:トムハンクス)
95.映画ホタルノヒカリ
いくらなんでも松雪泰子が迷惑過ぎる。
96.劇場版テンペスト3D
テレビドラマを再編集し、3Dをつけただけで2200円取った許すまじ愚行。
97.レンタネコ
荻上さん、心の穴を猫で埋めるくらいなら、私はさみしいままでいいです!

2012年12月30日日曜日

ファースト・ポジション 夢に向かって踊れ!(94分)

監督:ベス・カーグマン
原題:First Position
才能あふれ・努力を惜しまないコが
あがく姿を見つめていたい

有効期限ギリギリのタダ券を使い見てきました。
スケジュールの都合で映画の選択肢が少なくて。「理想の出産」と「駄作の中にだけ俺がいる」と「ファーストポジション」とどれにするか迷ったのですが、「才能あふれ・努力を惜しまない子供が苦労する話が見たいなー」という思いがよぎり「ファーストポジション」にしました。もしかしたら、私の女性アイドル好きも、この辺の嗜好が原因しているのかも・・・。
天賦の才あるまだ限定された世界しか見えていない子が、報われるかどうかわからない領域に人並みならぬ努力をする」っていうのに、なんだかドキドキしちゃうみたい。あまり大きな声では表明出来ない嗜好ですな。。。
ユース・アメリカ・グランプリという有名バレエコンクールに挑むおさなき天才バレエダンサーたち。どのコもすごいのですが、特に気になったのはアメリカ在住イギリス人と日本人のハーフ、12歳のミコ・フォガーディちゃん。超強力な日本人スーパーステージママを持つ彼女ですが、それ以上の厳しさを自分に課すミコちゃん。その達観した菩薩のような表情にヤられた。
途中まで一緒にレッスンを受けていた10才の弟が、バレエをドロップアウトしていくエピソードもよかった。そして、「バレエをやめるなら、コロンビアかMITにはいれ!」と大量に参考書を買ってくる徹底した教育ママっぷりにワロタ。
バレエの知識がとぼしいので、映画中どうしても「テレプシコーラ」の千花ちゃんを思いおこしてしまいました。映画の中で怪我に悩まされるコがいるのですが、どれだけ才能があり努力をしていても、怪我という暗煙にまかれてしまうと大きく大きく人生がかわってしまうのが身体をはった道の怖いところ。なにかに人生を賭けるということは、色々な意味で大きな運が必要になってきますね。

2012年12月27日木曜日

フランケンウィニー(87分)

監督:ティム・バートン
原題:Frankenweenie
死んだ犬が一番カワイイ

吹替版・3Dで見てきました。
今年のアカデミー作品賞「アーティスト」は見逃してしまっているのですが、こちらもその流れかモノクロ作品。たしかにカラーで見るよりも想像力が駆り立てられるような感じがします。でも、3Dは別にいらなかったかな・・・3Dよりも、いっそ台詞をなくしてサイレントにしたほうがもっと面白くなった気がします。
主人公:ヴィクターの犬:スパーキーだけが、とびぬけて魅力にあふれていることに驚きました。スパーキーだけは、飛び跳ねている姿も水を飲んでいる姿も現実感があり、そして本当の犬の以上にかわいらしい。犬猫の登場キャラクターはほかにもいるけど、スパーキーだけが圧倒的な魅力を誇っていました。スパーキーだけは生き返った後も、かわらず可愛らしいスパーキーのままだし・・・犬猫ならなんでも可愛くするのではなくスパーキーだけ特別扱いするところに、独特のバランス感覚を感じました。 
「アリス・イン・ワンダーランド」の時もラストの展開が好きじゃなかったのですが、今回もラストが好きじゃなかったです。それまで悪役を担っていた市長が、あれしきの救出劇を見たくらいでスパーキーの再復活へ手を貸すんだろうか???それまで、執拗にヴィクターを敵視していたのは「そーゆー人ってことなんだろうな」と理由なく納得していたのですが、この展開で「そんなに物分りがよかったら、前半のキャラなりたたねーだろ!?」と思えてしまいました。
あと、イイ人ぶりながら手前勝手な正しさを押し付けてくるヴィクターのお父さんに、普通に腹がたった。まあ親って大抵あんなもんか。
最後の「実は死んでない」展開は嫌いじゃないですけどね。でも、なんでスパーキーだけうまく生き返ったんでしょうかね?ヴィクターの涙のチカラなのかしら。

2012年12月21日金曜日

恋のロンドン狂騒曲(98分)

監督:ウッデイ・アレン
原題:You Will Meet a Tall Dark Stranger

年寄りだからこそ、もがく

ウッディ・アレンは一昨年に「人生万歳!」を見て以来、2本目の鑑賞でした。
「人生は無意味なから騒ぎ」というシュークスピアの言葉にあわせて描かれる現代群像劇をとおして、「人生にもがいて、さらにひどい状態になったりするのって、滑稽で愛おしいよね」とウッディアレンの皮肉を肩の力を抜いて楽しめました。

ただ、正直言うと、この「恋のロンドン狂騒曲」、ちょっと物足りなかったです。というのは、映画の中によくでてくる“マンションの一室でのこぜりあい”のシーンが、今年見たポランスキー監督「おとなのけんか」によく似ていまして。“マンションの一室でのこぜりあい”だけの、「おとなのけんか」のほうが「恋のロンドン狂騒曲」より正直数倍面白かったので、「やっぱ、「おとなのけんか」すげーーー!」と思ってしまいました。
登場人物すべてが様々なから騒ぎをするのですが、特に老夫婦のから騒ぎが面白く哀しかったです。
いきなりアンチエイジングに目覚め、肉体改造に励み、妻と離婚し、若い妻をめとる老人に、加藤茶をかさねるとその哀しさがしみじみと伝わってきました。なんか映画鑑賞後、加藤茶のBLOGに掲載してあった夫婦プリクラ写真のデカ目加藤茶をすごい思い出してしまった。。。
こっそりバイアグラを飲み「あと、5分だけ待って!」と薬の効きを計りながらSEXにおよんだり、若妻に連れられてクラブに行きその場からものすごく浮いたり、若妻が妊娠しても「DNA検査をさせてくれ!」と言ったり・・・無理やり得た若さの代償は想像よりもキツイ!よっぽど、ハートが強くないと強度のアンチエイジングは心が折れるなあと感じました。
離婚をショックにオカルトに走る元妻にも、すげー納得。しんどいことがあっても、「前世」のせいとか「オーラ」のせいにしとけば、とりあえず当面の精神状態は救済される。マジでしんどくなった時は、前世万能かも。
私も前世がマリーアントワネットとでも思いこめば、なにがあってもやり過ごすことが出来る気がします。でも、それだと根本的な解決に全くつながらないし、周りが感じるストレスも絶大なので、これは危険なメソッドですね。

2012年12月17日月曜日

人間50年アイドル5年


「人間50年アイドル5年」コレは名古屋を中心に活動するアイドル:チームしゃちほこの出囃子フレーズだ。この言葉が示すように女性アイドルの寿命はとても短い。
いちアイドルファンとして、私には職業=アイドルを選択した女のコたちに幸せになってもらいたいという願いがある。彼女たちの幸せを実現のひとつの方法として、この職業の寿命を延ばすことはできないだろうか。

一般の女性と同じように、アイドルにとっても「若さ」は大きな価値だ。昨年末に追加加入したモーニング娘。第10期メンバーの平均年齢は13.25歳であった。アイドルに求められる「若さ」は一般のソレよりも厳しい基準と言っていいだろう。
そして、「恋愛禁止」の重い十字架も女性アイドルを短命にしている。恋愛スキャンダルが発覚した時、男性アイドルはその憎しみが相手(女)に対して向けられる。だが、女性アイドルの場合、憎しみは彼女自身に向けられてしまう。そのため、恋愛の噂が消えた後には多くのファンが減ってしまっている。

また、男性アイドルに対して「童貞性」を求めるファンは少ないが、いまだ女性アイドルに「処女性」を求めるファンは多い。今年TOKYO IDOL FESTIVALであやまんJAPANが「アイドルってみんな処女なんでしょ?だから、私たちも処女です!」と、笑いをとっていた。つまりコレを前提として、笑いが成立するほど“女性アイドル≒処女”は一般論化しているのだ。
「若さ」を持ち続けながら、「恋愛」を禁止され、「処女」であることを求められるそういう特殊な職業が女性アイドルなのだ。

彼女たちが職業:アイドルのままでいるには、我々がもっと成熟する必要があるのかもしれない。「何も知らない女」と同じく「全てを知りつくした女」にも魅了される世界がやってくるなら、「若さ」や「処女」を失い、「恋愛」を謳歌する彼女たちも職業:アイドルのまま生き続けることが出来るだろう。

月曜会新聞vol.4(2012年 夏)掲載
画像はNAGOYAあいどるDD会のフライヤー/2012年12月25日クリスマス開催/おヒマならキテヨネ

2012年12月14日金曜日

くららがたったのシネマハスラーランキング(2012年)


2012年、シネマハスラー課題作品フルマラソン完走できました!(今年で3回目)

昨年は、我が町・名古屋で上映されておらず唯一見逃した「サウダーヂ」が宇多丸さん年間ベストというまさかの展開に肩透かしをくらいましたが、今年は全作品宇多丸さんのランキング発表までに見終えれてホッとひと安心。シネマハスラーフルマラソンも3年目になると、達成感よりも「あぁ、これで今年も無事に終えることが出来るな」という安心のほうが先立ちますね。毎週土曜日課題作品をチェックして、予定を確認して、映画を見て、感想書くというリズムが体内に染み付いてきました。

今年のシネマハスラーは、「テンペスト3D」と「はやぶさ祭り」の時に風邪をひいたことが印象に残ってます。つまらない映画を見ると、身体の抵抗力が弱まるという発見。つまらない映画を見る時こそ、体調管理を忘れずに!

年間ベストには、ドラッグ映画「この空の花 長岡花火物語」。カオスでしか伝えられないモノがあることを大林監督に教えられました。私もじじいにガツンとヤラレタぜ!
そして、年間ワーストには「レンタネコ」正直テレビをただ再編集して3Dをつけて2200円を徴収した「テンペスト3Dのほうがよっぽど映画としてひどいと思うんですが、「レンタネコ」はつまらないという概念を超え、もうどうしようもなく嫌いなんですよ。「さみしい人に猫貸します!」という荻上監督からの呼びかけに、敬意をもってしっかり年間ワースト映画という意思表示をさせていただきたいと思います。心の穴猫に埋めてもらうぐらいなら、私はさみしいままでイイネ!

 くららがたったのシネマハスラーランキング(2012年

1 . この空の花 長岡花火物語
2 . DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る 
3 . おとなのけんか
4 . サニー 永遠の仲間たち
5 . ドライヴ
6 . ザ・レイド
7 . ピープルVSジョージ・ルーカス
8 . 宇宙人ポール
9 . 哀しき獣
10 . トガニ~幼き瞳の告発~
11 . 高地戦
12 . SR サイタマノラッパー ロードサイドの逃亡者
13 . ヤング≒アダルト
14 . 桐島、部活やめるってよ
15 . THE GREY 凍える太陽
16 . 苦役列車
17 . ふがいない僕は空を見た
18 . J・エドガー
19 . 007 スカイフォール
20 . アウトレイジ ビヨンド
21 . アルゴ
22 . アベンジャーズ
23 . バトルシップ
24 . BRAVE HEARTS 海猿
25 . ヒミズ
26 . 夢売るふたり
27 . 最強のふたり
28 . 僕達急行 A列車で行こう
29 . ソウル・サーファー
30 . ネイビーシールズ
31 . 危険なメソッド
32 . 恋のロンドン狂騒曲
33 . フランケンウィニー
34 . おおかみこどもの雨と雪
35 . ヒューゴの不思議な発明
36 . のぼうの城
37 . テルマエ・ロマエ
38 . 宇宙兄弟
39 . ウルトラマンサーガ
40 . 仮面ライダーフォーゼ THE MOVIE みんなで宇宙キターッ!
41 . 新しい靴を買わなくちゃ
42 . メリダとおそろしの森
43 . 琉神マブヤー THE MOVIE 七つのマブイ
44 . 特命戦隊ゴーバスターズ THE MOVIE 東京エネタワーを守れ!
45 . ガール
46 . ALWAYS 三丁目の夕日'64
47 . STAR WARS エピソード1/ファントム・メナス 3D
48 . ツナグ
49 . はやぶさ 遥かなる帰還
50 . はやぶさ HAYABUSA
51 . おかえり、はやぶさ
52 . 踊る大捜査線 THE FINAL 新たなる希望
53 . 幸せの教室
54 . 映画ホタルノヒカリ
55 . 劇場版テンペスト3D
56 レンタネコ


2012年12月13日木曜日

007 スカイフォール(143分)

監督:サム・メンデス
原題:Skyfall
引き際じゃない、死に場所を決めろ

予告編を見た時から、「これはIMAXで見る!」と決めてた作品。実際にIMAXで見たら、ワールドマーケットの屋根をバイクで走るシーンや、マカオのカジノに船で行くシーンなど「私も、ココ行ってみたいな!」と思えました。旅行嫌いの私でさえそんな気にさせる、枯れ男子・ボンドおそるべし!
 007」自体約20年ぶりでしかもこれが2本目だったので、万能キャラだと思っていたボンドに冒頭から「弾、全然当たらない・・・射撃下手?」と拍子抜けを感じましたが、見進めるとその“劣化”や“老い”こそがこの映画のグッとくる部分と気がつきました。
味方の射撃ミスにより滝壺に堕ち死んだと思われていたボンド。その死を隠れ蓑にどこかの海岸で隠遁生活をしていたが、MI6爆破のニュースを見、自分の血を静かに沸騰させ現場への復帰する。が、復帰テストもなんとかの“合格”だし、現場復帰後に尋問相手を自身のスタミナ不足で死なせるし、クールな活躍は出来ない。
また、ボンドに指令を出すエムも「今の世の中、スパイなんか古い!」とイギリス政府要人に退陣を迫られる。が、エムもまた「まだ自分にはやるべき仕事がある」と現職をひかない。いや、2人とも普通に考えたら「引き際、ココだろ!」っていうポイントが来てるのに、引き際をひかず死をおそれずにそのまま進んでいくのがすごいカッコよかった。カタギには出来ない生き方にアコガレます!
終盤のクラシックな戦いは、シリーズの流れを知らない私にもグッときました。そして、敵役ハビエル・バルデムも、また死に場所を探していたというオチもよかった。単体でも面白いし、過去シリーズも見たくなりました。

2012年12月8日土曜日

ふがいない僕は空を見た(142分)

監督:タナダユキ
ふがいない僕はちんこを見た
 
シネマテーブルの課題作品だったこともあり、映画を見た直後に原作小説も読みました。ふたつを比べて、映画にするにあたって原作エピソードの組み換えがとても効果的に働いていたと思いました。特にそれを感じたのは、ラストの「やっかいなモノをつけて、生まれてきたね」というセリフ。原作ではあんずとの最後のSEXの直後だったのに対し、映画ではそこからさらにネットでのSEX動画流出・引きこもりを経て出てきたつぶやきだったので、主人公:斉藤くんが原作とはまた違った悟りを得たかのように響きました。また、原作では物語の季節は夏でしたが映画で舞台が冬になっていたのも、地方都市のカサカサした空気がより伝わってきてよかったです。
そして、なにより素晴らしかったのは田畑智子のSEX三変幻。相手にコスプレを強制する自分本位のSEX・旦那に前戯もなく後ろから挿入される他人本位のSEX・お互いに心を通いあわせるSEX、この3タイプのSEXで田畑智子の見せる顔がそれぞれ「あー、その顔その顔!」っていうバッチリな表情。特に、お互いに心を通いあわせるSEXの田畑智子はその表情含めめちゃくちゃかわいかったです。物語中の斉藤くんだけでなく、物語の作り手さんたちの恋心も感じました。自分の股からこぼれでた精子を舐めての「オイシクナイ」には、私も彼女への愛おしさがあふれました。

2012年12月2日日曜日

みんなで一緒に暮らしたら(96分)


監督:ステファン・ロブラン
原題:Et si on vivait tous ensemble?
人生の終末を友達と

今年、我が家にはひとつ屋根の下に住むメンバーが2人も増えました。「人生の終わりをどのように過ごすかを考えはじめた5人の男女が共同生活をはじめる」というこの映画は、私に超タイムリーだと思い見てきました。
参考になる部分も多少あったけど、映画の中で共同生活&人生の終盤におけるお金の悩みがあまりにもなくてちょっと期待はずれでした。毎日ワインで食卓を囲み、孫を遊びに来させるために庭にプールを作ったり、牛の部位を100キロ単位で買ったりと、その裕福な暮らしっぷりに驚きました。嫁2人は元・心理学者と人類学者で、男衆も人権運動をしてたからインテリ高齢者の集まりでお金に余裕もあるのでしょうが、他人同士が共同生活する上でお金に関する話し合いがまったくないのは不自然。映画のような「自由主義」でうまくいくはずがない。うちの家も、ちゃんと水道光熱費の支払いとか食費の分担とか相談してますよ! 
共同生活者として参考になったのは、各エピソードが伝える「一緒に暮らすということは、他人も自分もありがままの状態で受け入れあう」というメッセージ。
この映画では、1人アルツハイマーの男性が出てくるのですが、その彼と一緒に暮らすことでそれまでの友人関係以上の受け入れあいが必要になってくることがわかります。家中を水浸しにしたり、言ってはいけないことを言ったり、そういう彼を親切でくるむのではなくそのままの状態で受け入れているのがよかったです。
また、40年前に独り者の男性が各夫婦それぞれの嫁と浮気をしていたことが判明するエピソードで、夫の1人が怒り狂う壮絶な修羅場があり、「これで、人間関係が破綻してしまうかな」と思いきやそのあと男だけでハグし合い許し合ってより絆を結びつけるのもよかった。誰かと一緒に住むのって、「なにがあっても“基本”受け入れる」っていう覚悟が大事だなと感じました。