2013年9月27日金曜日

マン・オブ・スティール(143分)

監督:ザック・スナイダー
原題:Man of Steel
偉大なる父にして、この息子あり

143分という尺の長さにテンポが悪かったりなかだるみするんじゃないかと見る前は不安を感じていましたが、ぎっしり内容が詰まっていて最後までたっぷり楽しめました。
滅び行くクリプトン星とクラークケント地球への旅立ちまでの第一部、自分をもてあましていたクラークケントが自身の出生の謎を知る第二部、地球のクリプトン星化をはかるゾッド将軍との対決を描いた第三部...という感じで、3本の映画を見たような満足感を味わいました。 
この映画なんといっても、ニューヨークの町を肉弾戦で壊しまくるアクションシーンが楽しかったです。身体と身体のぶつかりあいで、ビルが倒壊する快感。空飛ぶヒーローなのに、地表への着地の時にずっしりとした重さがあるのもよかった。そして、終盤地球のクリプトン化をすすめるための重力変換装置のびったんびったん感も好きでした。
主人公クラークケントには、実の父親と義理の父親がいるんですが、どちらの父親もかっこよかったです。特に義理の父、ケビン・コスナーとの別れのシーンにはしびれました。迫りくる竜巻を前にスーパーパワーを使わせないよう息子を片手で制し、次の瞬間には自身が竜巻に呑まれてしまう別れのシーンには、言葉じゃなくて行動で魅せる偉大なる父親の姿を感じました。父・息子の組み合わせで見る親子映画としても、ぜひオススメします

2013年9月22日日曜日

ファンタズム(89分)

監督:ドン・コスカレリ
原題:Phantasm
すわっ!ビジュラマ方式

今年も行ってきました、カナザワ映画祭!
金沢に到着後ホテルに荷物を預けて、きばって乙女寿司行って、そして1本目に見た映画「ファンタズム」。
“劇中に登場する殺人鉄球が場内に飛びかう”というビジュラマ方式に惹かれたんですが、これがヒドイ映画で。ビジュラマ方式の名のもとに場内に飛び交う殺人鉄球も、小さめのビーチボールみたいなカワイイヤツでした。このガックリ感も含めて、伝説の東宝東和のギミック宣伝の真髄を味わうことが出来ました。

この映画、「なんじゃそりゃ?」っていう展開が行き過ぎているところが諸所あって、それを「ひどい」といいながらも結構笑ってしまいました。
特に声を出して笑ったのは、墓場で青姦している兄貴の横を弟が「うぁぁぁぁーーー」って叫びながら猛ダッシュしていくシーン。その弟を見て、「ちょっとここで待ってて!」と女を墓場に置いてけぼりにする兄貴。すばらしき、兄弟愛ですな。

あと、葬儀場にいる怪人が八名信夫に似てましたネ。「まずーい、もう1本」って感じで、カナザワ映画祭合計7本の映画を楽しみました。

2013年9月21日土曜日

スター・トレック イントゥ・ダークネス(132分)

監督:J・J・エイブラムス
原題:Star Trek Into Darkness
宇宙で内輪揉め

今回、スタートレック見るのはじめてでした。良くも悪くもあまり言う事がない映画でした。ひどい映画というわけではないんですが、意外につまらなかったなという感じです。 

冒頭の未開人の住む惑星のくだりが一番好きです。白塗りオレンジパンツの星人たちに赤い毛糸の森で追いかけられる絵が愉快でした。宇宙船の絵を地表に描いて拝むとことかもかわいかった。
派手な設定のシーンがたくさんあるわりに、遠方からの絵が多くて臨場ある迫力があまり感じられなかったのが残念でした。クライマックスでビルが宇宙船墜落するシーンとか地上の人がたくさん死んでるはずなのに、それも遠方で騒いでる人がうつるだけであまり大事のように感じられないし。宇宙船から宇宙船へ無謀な進入も、主観映像のドキドキ感が少なくて、別にそんなに大変そうにみえませんでした。
あと、「人間最大の弱点は、愛だ。」って宣伝文句は、いったいどこのくだりをさしていたんだろう。愛が弱点になるくだりを特に感じられなかったですが。

宇宙船クルーの内輪でけっこう揉め事があるとことか、先日鑑賞しました「ガッチャマン」のことを思い出しました。ルール厳守しすぎるリーダーと上司や部下にルールを守れと言われてもすぐ破っちゃうリーダー、どっちがいいかな~。

2013年9月12日木曜日

きっと、うまくいく(170分)

監督:ラージクマール・ヒラーニ
原題:3 Idiots
All is well ?


スカイプ英会話でお世話になっているフィリピンの先生何人かにおすすめされたのと、まわりの人の評判がいいので見に行ったんですが、私には合わなくてすごい疲れてしまいました。 
疲れの理由は170分という尺の長さもあるのですが、人が自殺したり自殺未遂をしたり婚約破棄やら結婚式脱走など、結構ハードな内容があるのに“All is well~!”とすすんでいく物語になんだか置いてけぼりになった気持ちになりました。
「失踪したまま10年連絡なかったんだったら、そこまでの関係でもなかったのでは?」「いくら学長憎しといえど、友達が口説こうとしている彼女の家におしっこかけるかな。。。」等々、そういう細かいエピソードも合点がいかず気になってしまい話に乗れませんでした。
また、映画と笑いのツボが全然あわなかったのも、つらかった。素直に笑えたのが瀕死のおじいちゃんをラブラブな2人がスクーターで運んでいくミュージカルシーンくらいでした。他のお客さんは結構笑っていたので、きっとこれは相性ってヤツでしょうが。尺が尺だけにつらかったです。 
インドの「男はエンジニア、女は医者」という教育事情や貧富の差の激しさを、映画の中で知れたのは興味深かったです。記憶力アップサプリ愛用のためスカシっペをかます敵対役のあだ名「サイレンサー」っていうのもよかった。センスのイイネーミングです。
あと、学園のヒーロー役:ランチョーがカイルマクラクランの若い頃にそっくりでした。ひさしぶりにツインピークス見たくなりました。

2013年9月10日火曜日

パシフィック・リム(132分)

監督:ギレルモ・デル・トロ
原題:Pacific Rim
死んだら、打ち上げ出来ない

吹替版4DXで見てきました。
4DX鑑賞は「アイアンマン3」以来2回目でした。前回は物語の効果をより楽しむという感じでしたが、今回は「オレが地球を救ったぜ!」とイェーガーで自らドリフトきめたような乗車感があって良かったです。そして、前回同様とても疲れました。やっぱり、4DXは面白い映画以外は絶対にパスしたいなとあらためて決意を固くしました。 

序盤、怪獣初登場からベケット兄弟の戦闘までをものすごい勢いではしょって、見せたいところに映画の時間を割く作り手の姿勢にめちゃくちゃ好感が持てました。私は怪獣物も巨大ロボットも門外漢なのですが、想像を絶する愛があればこそ門外漢にさえ楽しめてしまう映画が生まれるんだなと感動を覚えました。
個人的には「トランスフォーマー」等の巨大メカ戦闘って何をやってるのかわけわかんないのであんまり好きじゃないのですが、今回は動きがゆっくりでそこがよかったです。ヘリで海洋に運ばれていくイェーガーがよかった。戦闘シーンで波止場で飛び立つカモメやオフィスの揺れる振り子、怪獣に逃げ惑う人々の細かい描写も楽しめました。 

ただ、「パシフィック・リム」にはちょっと不満なことがあります。それはお祭り映画なのに、打ち上げがないこと!
終盤、どんどんイェーガーのパイロットたちが死んでいくので、「こんなに死んだら打ち上げできんのか!?」と不安がよぎりましたが、その不安は的中し案の定打ち上げなし。「バトル・シップ」のようなワイガヤした打ち上げシーンを期待してたので、めっちゃ物足りない。。。
個人的な希望というとエンドロール中幼獣の中から生還したチャウに加えて、採集不可になる怪獣漢方薬を惜しみながらブチアゲまくるパーティを付けてほしかったなぁ。