2012年8月29日水曜日

THE GREY 凍える太陽(117分)

原題:The Grey
監督:ジョー・カーナハン
飛行機の墜落場所が真夏なら
よかったのにねぇ、Sounds good!

あまりの極寒・豪雪っぷりにあてられてか、次の日風邪をひいてしまった雪山サバイバル映画映画が終わった後、心底「あー、夏でよかった!」と思えました。
雪山へ飛行機が墜落し、なぜか助かる7名のおじさん。そして、1人また1人と次々に生を剥ぎ取られていく。昨年見た雪山ぼっち逃走映画エッセンシャルキリングを思い出しました。あれは孤独なおっさんの雪山逃走だったけど、チームならチームのアンサンブルや悩みがあって面白かったです。
序盤に、「ココ(墜落現場)は危険だ。森へ向かおう!」とリーアムニーソンが提案するのに対して、1人「オレ、ココにいるわ」と墜落現場に残るんですが。。。
もしかしたら「コレがミスト展開(残ったヤツが実は助かってる)になるんじゃないか?」とずっと気になってしまってしまいました。結果は映画内では描かれないのですが、最終的にリーアムニーソンが辿り着いたところが、狼の巣穴だったからミストに近いモノはあったかも。アイツ生き残ったのかな。。。
クライマックス、最後の1人になってしまったリーアムニーソンが空を仰ぎ「おいっ!なんとかしろよ!頼んでるんだよ!奇跡を起こしてみろよ!」と絶叫し、「ちっ、自分でやるしかっ!」ってなるところは虚しくもカッコよかった。そう、絶望的な局面であればあるほど、“神は冷たい傍観者”であり、だからこそ“てめえが何かしなくちゃ”ならない現実をひしひしと感じることができました。死にしがみつく描写って大抵すごい滑稽だけど、この映画ではなぜかすごいカッコよくてよかったです。

2012年8月23日木曜日

アベンジャーズ(143分)


原題:Marvel's The Avengers
監督:ジョス・ウィードン
ものすごく疲れ果ててもうちあげる
日本よコレが祭りだワッショイ

関連作品「アイアンマン 2」しか見てない状態で鑑賞。予習不足のせいか、ストーリーが全然頭に残らず。でも、逆に全編お祭りワッショイ感だけが頭に残ってめっちゃ楽しかった。キャプテンアメリカの軍人感、ハルクのマジ厄介者感、アイアンマンの性格悪感、マイティソーの熱血馬鹿感。特にこの4人に一緒になったケミストリーがあって、よかった!あと、ホークアイの弓でなんでもやっちゃう超人的なとこが好きでした。二の腕にうっとり。

なんと言っても好きなのは、エンドロール後の打ち上げシーン!それまでの143分はこのための前座だといってもいいほど。「お祭り映画には、打ち上げが不可欠」という理論(宇多丸)がありますが、コレは今まで見た中で最も好きな打ち上げでした。2次会に行きたくなるのが本当に楽しいパーティ!ヒーローたるもの、疲れ果てても打ち上げは欠かさないのですね。

2012年8月20日月曜日

桐島、部活やめるってよ(103分)

監督:吉田大八

来年はぜひ監督にやってほしい
あっちゃん、AKBやめるってよ

月1で参加させていただいているサークル:シネマテーブルの信頼出来る面々の評判がとてもよいので見に行ってきました。「映画→原作の順に見るのがおすすめ!」との助言どおりに、原作未読で鑑賞。
1人を過剰に描きこんでもないし、扱いが雑になっている人物もいないし、すべてにしっかりと愛情をもって描かれた群像劇。驚くべき均等感でありながら、かつ面白いのがすごい。数日間の物事しか見てないのに、あいつらのその後の学園生活がずっと続く感じを、心の中に持ち帰りました。
「来年の“DOCUMENTARY ofAKB48”は、吉田大八監督に彼女の不在から、他のメンバーのそれぞれのストーリーをつむぐ“あっちゃん、AKBやめるってよ”をやってほしいなぁ」とわりとマジに願ってます。
部活を中心に学生時代を過ごしてきた私(高校時代:新体操部からのテニス部/新体操部は部員が少なすぎて1年なのに部長にされそうになって逃げた)には、「文化部蔑視」「能力の絶対的差に気づいた時の努力のどうしようもない虚しさ」「クラスでは部活で熱くなってることを隠す」といった運動部員のあの感じを生々しく思い出しました。あと、帰宅部女子のオンナを謳歌した感じもにがにがしく思い出されました。うちの学校は帰宅部+英語課が最強だったナ。。。
「ゾンビ映画“生徒会 of the DEAD”を続けよう!」と友達に励まされた時の神木くんのあの喜び様。もー、抱きしめたい!今作は、神木くんがパーフェクトにかわいかった!
クライマックス屋上シーンでの8ミリを向けられての応答には、思わず涙がこぼれました。「将来は映画監督ですか?」「映画監督は無理」「…じゃあ、なんでわざわざ」「時々ね、俺たちの好きな映画と、今自分たちが作っている映画がつながってるんだなって思うことがあって、いや、ホントたまになんだけど…」って。それをうけての弘樹の表情もよかった。「部活を辞めることが大きなニュースになった」あの頃と、「部活に打ち込む・打ち込めない」あの頃の自分をちょっといやかなり美化して思い出すことが出来ました。

2012年8月17日金曜日

メリダとおそろしの森(94分)

監督:マーク・アンドリュース/ブレンダ・チャップマン
原題:Brave
おそろしの森ってどんなか教えるね
フォントリアーが微笑んでいる

2D・吹替版で見てきました。
予告編がかなりダークな印象だったので、「そっち方向に振り切った、ピクサー作品ってどんなのかな(ワクワク)」と期待してたんですが、本編は全然ダークじゃなくてガッカリ。
「母娘対立」×「おそろしの森」だったら、「ブラック・スワン」×「アンチクライスト」的な物凄いのをみれるかもと期待してたのに
まず、森が全然“おそろし”くない!森に棲んでる魔女も、イイ人だったし。そして、お母さんも物分かりよい理解のある親。母娘で見に行くにはイイ映画かもしれないけど、ピクサーにはやっぱりソレ以上のモノを期待してしまう。。。あー、こんななまぬるい森だとは思わなかった。

娘も母も魔女も誰も悪気がない分、最悪の結末が訪れてほしかったなぁ。「熊のまま戻れないで、身内を喰い殺す。そして、「私が終わらせる!」と熊に弓を射るメリダ」とか。
あんな雑にタペストリーを縫って、魔法がとけるとか解せませんよ。「母からの呪いを解くために、自分が呪いをかけた母を殺す」とかそういうオチが見たかったです。

あ、本編の前のアニメ短編は2つともおもしろかった。
「トイストーリー ニセものバズがやって来た」は「子供に捨てられたおもちゃたちが輪になって、捨てられた体験を話す自律支援セラピー」の、こういう「おもちゃにそんなこと!」っていう描写やっぱり好きです。
「月と少年」は、月に落ちた星をほうきで掃くシーンが好き。ここ最近日本映画「切腹」を見て気付いたのですが、私は映画での掃除描写がどうやら好きみたい。掃除ロボットが主人公のピクサーアニメ「ウォーリー」も、今度見てみよっと。

2012年8月16日木曜日

特命戦隊ゴーバスターズ THE MOVIE 東京エネタワーを守れ!(30分)


監督:柴崎貴行
東京エネタワーって、東電と
何か関係ありそうだよねぇ

「仮面ライダーフォーゼ THE MOVIE みんなで宇宙キターッ!」と同時上映だったので、一緒にみました。「ゴーバスターズ」シリーズ1つもみたことがないので、正直ストーリーはよくわからなかったです。
東京エネタワーとして東京タワーをそのまんま使ったシーンはなかなか楽しかった。ちょこちょこ出てくる東京タワーのキャラクター:のっぽん兄弟に、去年あ~りんがこのキャラにハグされてるエロい写真を思い出してしましました。左手の表情から読み取れる無理矢理感が気に入ってて、一時期iphoneの壁紙にしてた・・・
あと、鶏を見ると動きが止まるとかいうウィークポイントが斬新。動きがとまるほどの弱点って私は虫かな。

2012年8月10日金曜日

仮面ライダーフォーゼ THE MOVIE みんなで宇宙キターッ!(66分)

監督:坂本浩一
ねぇユウキ「みんなで宇宙キターッ!」って
あなたの夢はそんなでよかった?

「オーズ」「フォーゼ」とTVシリーズ全部見てるし、今年のお正月に見た「仮面ライダー×仮面ライダー フォーゼ&オーズ MOVIE大戦 MEGA MAX」がものすごく面白かったので、今回も期待してたんですが・・・正直物足りなかったです。
テレビシリーズの「フォーゼ」も序盤の学園物のワイワイ・ワクワク感がなくなって、シリーズ終盤ホロスコープスさやあての消化試合って感じで若干失速気味なんですが、映画はそのストーリーラインから離れたオリジナルだから期待してたんだけどなぁ。

何がイヤって、今回なりゆきで仮面ライダー部全員が宇宙船で宇宙に行けてしまうこと。
宇宙へ強烈な憧れをもっていたユウキが、棚ぼた的に夢を叶えてしまうのは何か間違っている気がする。夢にむかってまじめに頑張るのが馬鹿馬鹿しくなる展開だと思います。
あと、賢吾くんって、虚弱体質だから自分で仮面ライダーになれなかったんじゃなかったっけ。今回の映画では、賢吾くんかなり強いしどうみても健康そのもの。そういう根本にある設定が無視されてるのもイヤでした。
原幹恵さんのむっちむちのアクションとか、ジェイクのブレイクダンスをとりいれたアクションとかはよかったんですが、肝心の仮面ライダーのアクションがCGバリバリって感じでみててつらかったです。
あ、今回お披露目された新しい仮面ライダー:ウィザード、変身ベルトがへんで気に入りました。あれ、ちょっとつけてみたいナ。

2012年8月9日木曜日

ダークナイト ライジング(165分)

原題:The Dark Knight Rises
監督:クリストファー・ノーラン
前作も前々作もみないままゼロ地点からライジングする

バットマン ビギンズ 」も「ダークナイト」も未見だったのですが、せっかくなのでそのまんまの状態で最新作を見てきました。
いやー、さすがに予習ゼロだっただけあって、最後黒幕が明らかになる展開で、「え、お前だったのか!つーか、むしろお前だれだ!?」ってなってしまいましたネ。つか、結局「オンナにホレて」やっただけのことだったの・・・。しょうもねー。せめて、オンナとクチマスク男をつなぐ伏線をもちっとはってほしかった。(もしかすると、前作・前々作ではられているのかもしれないけど)

ストーリー的には予習不足なこともありのれませんでしたが、絵的にはあがりました。冒頭のむりやり飛行機を墜落させるシーンと橋がズンズン落ちるシーンとかかなり好きです。アン・ハサウェイのエロイ身体もよかった。「ワンデイ」のかっこわるい平泳ぎのイメージを一掃する、キャットウーマンぷりでした。猫耳ゴーグルもかわゆかった。
しかし、あの監獄甘いよな。誰も監視してないし。。。そりゃ、脱獄するわ。
そして、バッドマンどうやってゴッサムシティに戻ってきたの。今年のトホホ映画「テンペスト3Dで仲間ゆきえが流刑地から首里城にいきなり戻ってきた展開を思い出してしまいましたよ。

2012年8月2日木曜日

おおかみこどもの雨と雪(117分)

監督:細田守
あの時とかわってないよね あの通り・店・校舎、この私

かなり期待してたんですが、メッセージ性が強すぎてあんまり楽しめなかったです。
細田守過去作品「時をかける少女」「サマーウォーズ」は、“映画館の中で感じる理屈抜きのおもしろさ”と“映画館を出た後にじわじわくる理屈込みのおもしろさ”どちらもあるのが、魅力だと思っていたのですが、「おおかみこどもの雨と雪」はわりとストレートに親子の成長の物語で、それに対する普遍的なメッセージに、映画館の中でも見ているそばから説教臭く感じてしまいました。ナレーションがやたら多いせいもあり、頭で考えて見る映画になってしまっていたように思います。
今年公開されたアニメ「ももへの手紙」や宮崎駿アニメ「となりのトトロ」と共通して、“都会から田舎への引越し”“片親住まい”という要素があったのが興味深かったです。この2作が“田舎で暮らすことで秘密と出会う”のに対して、この作品は“秘密を隠すために田舎に来る”っていう逆設定でありながら、どちらの設定も成立してしまうところに、「田舎」という装置が持つ“おそろしいまでの何でもありうる”感を感じました。
個人的クライマックスは、大学を中心とした冒頭のシーン。
映画を見るまで知らなかったんですが、実は舞台が私が通っていた大学だったのです。はじめ、大学の門が出てきた時「え!?」っと、息を飲みました。
大学の教室や廊下や図書館、半地下になったクリーニング屋、そして喫茶店「白十字」のネオンや街のイルミネーションが落ちるタイミングまでそのまんまで、あの頃の風景をありありと思い出しました。自分が学生時代を過ごした街をアニメーションで見るという、とても不思議な体験が出来、なんだかすごい得した気分になりました。