2014年6月30日月曜日

2014年6月に見たいくつかの映画

今月はブログに感想書いた映画5本、プラス2本。合計7本鑑賞しました。
今月はタマフルスペシャルウィーク:ムービーウォッチメンズ対応でいつもよりたくさん映画を見たような気がしたけど、振り返れば先月と一緒の鑑賞本数でした。
ブログに感想を書いた以外は特に用事のなかった休日にはしごした2本、「スイートプールサイド」と「チョコレート ドーナツ」。

「スイートプールサイド」は、自分の脱毛モチベーションをあげたくて見に行きました。どうでもいい告白をしますが、実は私、数年前に契約した脇の永久脱毛を予定があわずキャンセルしてからそのまま通わずに放置していておりまして。
ヒロインのコがスマイレージあやちょに似ていて、なんか得した気分でした。私もツルツルの脇を手に入れたくなりました。(ただ、私の脱毛サロンの契約はもう切れているような気がする。。。)コンプレックスをぶつけあう高校生男女の青臭さがよかったです。原作漫画も読みたくなりました。

「チョコレート ドーナツ」は、とにかく評判がよいので見に行きました。
差別から生まれる嫌悪が、非情なる無理解を生むのがよく伝わってきました。自分はぼやっとしていたら差別する側になりそうで、大林宣彦監督の「正義感ではなく、正気を持て」という言葉を思いだし反省しました。
ダウン症の養子をめぐる結末に、憤り悲しみ思わず涙がこぼれるというのが最大の感情揺さぶりポイントだと思うのですが、他の心理描写もとても丁寧でした。特に、主人公2人が恋に落ちそれを深めていく描写がよかった。あんな風に語り合って、恋におちたいものです。






















スイートプールサイド
コンプレックスをぶつけあう、こそがったさ

監督:松居大悟





















チョコレートドーナツ
正義ではなく、正気をたもて

監督:トラビス・ファイン
原題:Any Day Now

2014年6月27日金曜日

グランド・ブダペスト・ホテル(100分)

監督:ウェス・アンダーソン
原題:The Grand Budapest Hotel
やっぱり、ホステルが好き

月1で参加してる映画サークル:シネマテーブル6月の課題作品だったこともあり、ムービーウォッチメンで課題作品になるちょっと前に見に行きました。
「特に話すことないけど、どうしよう」というのが鑑賞直後の感想です。よく出来た映画だと思うし、楽しくみれたのですが、特に文句がないだけに話すことがない。。。
「シネマテーブルでは人の話を聞いとくか」と思ってたら、ムービーウォッチメンの課題映画にもなってしまって、いま書くことをしぼりだしながら文章を書いています。
「すごい好き!」「2回見に行った!」という熱量の高いシネマテーブル参加者の話をきいて、「よく出来ているのは理解できるんだけど、なんかコレには気持ちが乗らないんだよな~」となんともいえない気分になりました。うまくいえませんが、私が映画に求めているモノはウェスアンダーソン的なウェルメードなモノではないようです。同じホテル映画なら、「ホステル」が好きです。 
「何度もみたい」「静止画でもみたい」という他人の意見を聞いていて、カフェとかで無音でかかってたら絵になる映画だろうなと思いました。カフェ映画というと私の苦手な荻上直子監督が思い浮かびましたが、あれは価値観を押し付けられるファシズム的カフェ映画だけどコレはそうではないからよいです。とはいえ、人の自由を迫害するものを断固拒否するメッセージも読み取れる。あと、おしゃれな空気感が映画全体の疾走感で鼻につかないところもすごいと思います。やっぱり、よく出来てる。けど、のれないんだよなぁ。

2014年6月14日土曜日

ブルージャスミン(98分)

監督:ウッディ・アレン
原題:Blue Jasmine
プライドを守るためなら堕ちたっていい

名古屋シネマテーブル5月の課題作品だったこともあり、1ヶ月近く前に鑑賞済みだったのですが、今回タマフルのスペシャルウィーク企画ムービーウォッチメンズにて入江悠監督と駒木根隆介くんの課題作品になったいうことで、あらためて感想を書いてみたいと思います。
シネマテーブルの事前鑑賞会で「アニー・ホール」「カイロの紫のバラ」「世界中アイ・ラブ・ユー」を見ていたので、ウッディアレン監督の作品は今作で8本目の鑑賞でした。事前鑑賞会では1日に3本連続で鑑賞したのですが、意地悪な視点がありつつもうまい話運びと軽いタッチと尺の短さのおかげで疲れることなく楽しむことが出来ました。しかし、この「ブルージャスミン」は鑑賞後も後々ひきづる作品でして、ウッディアレンの旨さを再確認しました。
セレブから陥落した主人公のジャスミン(ケイトブランシェット)が、鼻持ちならないいけすかないヤツながらも彼女の姿の中に自分に似ているところを見出してしまい背筋がゾクッとなりました。一度は歯医者で働いたり、パソコンの勉強をはじめたり、と今の自分にとって地に足をつけた生活に進もうとしながらも、結局金持ちの妻という「元の自分」に戻ろうとする彼女の姿に、THE嫌なヤツが主人公の「ヤング≒アダルト」を思い出しました。「ヤング≒アダルト」は成長や変化しない道を選びながらも元々の自分に肯定感を得てエンディングを迎えるのですが、「ブルージャスミン」ではどん底まで堕ちてエンディングを迎えます。ただ、そんなジャスミンの姿を見て反面教師的に、「へんなプライドを守ろうとせずに、地に足つけてがんばろう」とちょっと元気づけられるから不思議。
映画の終盤まで隠されていた、ジャスミン自身が夫をFBIにチクったという事実。「若い女に旦那を取られた元妻」という立ち位置に自分がなることは決してプライドが許さず、セレブから陥落するであろう今後の生活など後先は考えずに思わずとったとみられる行動に、他人のプライドを踏みにじる言動を取るとどんな報復が来るか分からないから気を付けようと思いました。そして、私もプライドに固執し過ぎないように気を付けよう。

2014年6月13日金曜日

インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌(104分)

監督:ジョエル・コーエン/イーサン・コーエン
原題:Inside Llewyn Davis
コンドーム2枚付けって、難しそうだよね

タマフルのスペシャルウィーク企画:ムービーウォッチメンズにて、しまおまほさんの課題作品になったということで急遽見てきました。映画を見た日は、午前中に「ポリス・ストーリー レジェンド」を見て、その後映画館をかえてこの作品を見るというスペシャルウィークに対応した日曜日となりました。
フォークのライブを終えたあと、ライブハウス裏に呼びだされて、じいさんにぶちのめされるという冒頭のエピソード。終盤でも、ライブ後裏に呼び出されて、じいさんにぶちのめされるというシーンがあるので、「ポリス・ストーリー レジェンド」と同じく「この話も時系列逆転だったのか!?」と思いきや、冒頭ではじいさんは自らのライブで主人公に野次られたのを怒っていて、終盤では嫁のライブで野次られたのを怒っていたという衝撃。映画を通して色々とあったのに、主人公の成長感を感じさせないようなこの演出が意外でした。
主人公はいろんな人の家に泊めさせてもらって生活しているのですが、よく泊めさせてもらってる身体の関係もある女友達が妊娠して、彼女に避妊の下手さをなじられるのがいままで見たことのない感じでした。避妊失敗を女になじられるのって、意外と映画でみかけないシーンかも。ちなみに劇中「コンドーム、2重付けにしろ!」とか言ってるけど、保険体育で習った情報によるとコンドーム2重付けは避妊の失敗につながるらしいから注意だよ!
猫を逃がす、猫を預かる、猫を預ける、猫に飲ます、猫をまた逃がす、猫を捕まえる、猫を間違える、猫を見捨てる、猫をひくと、自分の飼い猫ではない猫との触れ合い描写が豊富なので、猫好きの方にはこの映画見所たっぷりかもしれません。私は猫アレルギーなので、そんなに食いつけませんでしたが。

ポリス・ストーリー レジェンド(108分)


監督:ディン・シェン
原題:警察故事2013 Police Story 2013
60歳にして、三又

タマフルのスペシャルウィーク企画:ムービーウォッチメンズにて、中川翔子さんが課題作に扱うということで急遽見に行ってきました。過去のポリスストーリー見たことなかったのですが、今作は続きモノという趣きではなかったので話はわかりやすかったです。
ポスタービジュアルにも使われている自ら拳銃で頭を撃ち抜こうとする涙目のジャッキーのドアップのシーンから映画本編もスタートしますが、実は時系列逆転でど頭にもってこられたこのシーン、本当の時系列で終盤出てきた時にそんなに衝撃がないというか、「そこが見せ場という解釈なんだな~」という肩透かしのような感覚が味わいました。
還暦になるジャッキーがアクションを実際にやっているというのはすごいと思うんですが、なんかいまいち物足りなさを感じました。シュワルツネッガーの「ラストスタンド」には萌えれれたのに不思議なもんです。ジャッキーのほうが全然身体動いてるのに。少々老いを感じさせるほうが、むしろ萌えるのかもしれません。ちなみに一番痛そうに感じたのは、椅子に縛り付けられたジャッキーが腕にまかれた針金を力づくではずすシーン。エンドロールでも出てくるけど、あれは針金が手首にめりこんでて痛そうだった。
あと、「ベストキット」ぶりにひさびさにジャッキーじっくりみたら、ジャッキーが三又又三にそっくりでおどろきました。特に金網に顔を押し付けられているシーンの顔が、三又又三に似てた。今まで感じたことがなかったので、「ほかにもそう思ってる人いるのかな?」と思って「三又又三 ジャッキー」でググっても意外とぴったりした検索に当たらなかったので、これ思ってるの私だけなのかな。

2014年6月11日水曜日

X-MEN:フューチャー&パスト(132分)

監督:ブライアン・シンガー
原題:X-Men: Days of Future Past
ミュータントの掟

最近、ツイッターで「Xメンに掟ポルシェが出ている!?」というツイートをたびたび見かけており、掟さん好きの私としては新作「Xメン」大変気になっていました。
実際に見てみると冒頭荒廃したディストピアに若くてダークな雰囲気の掟さん風青年が!ただし、銀ラメではなく黒のふちどり。私自身、掟さんに憧れるがあまり目の周りに銀色ラメを塗ってDJをしたことがあるのですが、その時銀ラメを購入するのにとても苦労したことを思い出しました。なかなか見つからず、掟さん自身にツィッター経由で質問してしまおうかと頭をよぎりましたがなんとか(?)思いとどまり、ダンス用品店チャコットで無事銀ラメを購入することができたのでした。でも、Xメンのウォーパスは黒塗りでも十分掟さんの雰囲気を出していたのだから、あの時黒塗りでもよかったのかも。いや、でも銀ラメのほうがベターなのはたしか!さらに、ベリーズ工房のサンバイザーとセーラーズの服があれば、モア・ベター!(この2つは高額で、私には揃えられなかった)
Xメン自体、シネマハスラーで扱われた「X-MEN ファースト・ジェネレーション」くらいしかまともに見ていないため、今回どんな話だったか思い出すまでに時間がかかりました。特に冒頭のディストピアでの戦闘シーンは、誰がどんな力を持っているか把握できないまま進み、おいてけぼり感を味わいました。戦闘シーンの中で一番面白かったのは、ペンタゴンから脱出する時めっちゃ早く動けるクイックシルバーが弾丸より早く動いて、警備兵にたわいないダメージでずっこけさせるシーンかな。自分だけが早く動ける世界をスローモーションで見せてくれるから何やってるかよく分かるし、クイックシルバーの出演シーンあの後なくなっちゃうから「もっとアレ見たかったなー」とおかわりほしい気分になりました。
しかし、チャールズとエリック2人は当時の心を閉じた自分たちをおぼえていながら、よくローガンを過去に送る気になったなぁ。特に、エリック「オレを訪ねろ」とか言っておきながら、ミスティーク救出においては完全に邪魔な存在にしかなってないし。エリックをペンタゴンから救出していなければ、もうちょっとスムーズに事が運んだように思えてならん。。。荒廃した未来ではチャールズとエリックが手に手をとって死んでいったけど、変えられた未来では、またチャールズとエリックが敵対してるのかしら。

2014年6月6日金曜日

青天の霹靂(96分)

監督:劇団ひとり
どん底の自分を、クールに演出するプライド

6月1日日曜の映画の日、WEB&店頭掲示板では売切表示でしたが、ダメ元でカウンターにかけあうと「バラの席なら最前列3席あります」とのことで超満員の劇場で鑑賞しました。
予告編から「お母さんが俺を捨てたんじゃなきゃ、俺の腐った人生は俺のせいになっちゃう!」と大泉洋がメソメソする話なんだろうなと思っていたので、「話の筋見えちゃってるし、あんまみたくないな~」と思っていたのですが、楽しんでみれました。
特に前半のタイムスリップする前の現代のパートが好きです。大泉洋の未来のないどんずまり感がよく伝わってきました。
オープニングの「かつて自分はエースやキングになれると思っていたのに、普通のカードにすらなれず、いまでは「2」の存在である」とトランプマジックをしながら寝ている客に語りかけるシーンのスムーズで粋な感じ。貧乏で将来に希望がなくてどうしようもないのに、それを粋に表現するこの男のプライド。彼のこじれたパーソナリティを感じました。スーパーでお惣菜が安くなるのを待ち構えていたのに、買うときには「ま~、安くても安くなくてもどっちでもいいんだけどね~」とかつぶやきながら買うところとか、そういう何気ないシーンにも彼のこじれ感がよく出ていました。
大泉洋が、自分の親の話をするタイミングとかもうまい。マジックバーの同僚と路上の嘔吐を片付けながら、「母親は男を連れて逃げて、父親はラブホテル勤務」と明かし同僚に「なかなかのもんですね」と言われ、まんざらでもない感じになる。今の現状を出生のせいにして「オレは悪くない」と言い訳出来ているから、なんとか彼はプライドを守って生きていられるのだと感じられました。
タイムスリップした40年前も、終盤までは回想シーンや音楽の過剰な演出なく、登場人物たちの心情がじっくりと丁寧に描かれていてよかったです。ただ、柴咲コウが入院する終盤くらいから、回想と音楽がうるさい感じになり、わかりやすく「泣かせ」にはいろうとしているのが残念でした。もっとクールな感じのほうがよかったな。
現代に戻ってきた大泉洋が実際のところ、「彼自身の現状としては何も変わっていない」のが、よかったです。あそこから彼ががんばるのなら、私もちょっとはがんばろうと思えました。
あと、映画の中の「笑えるもの」として出てくる劇中の喧嘩マジックが、映画館の観客たちにもちゃんと笑われてすごいなと思いました。お笑い芸人監督だと、劇中の「笑えるもの」演出にヘンな手癖がついていて突拍子もないことをするだけになってるのをよく見かけます。それだけに、この映画的な笑い演出を見、今後の劇団ひとり監督に期待を寄せてしまいました。せっかくなら、今度は泣ける要素少ないヤツが見たいな~。