2012年4月30日月曜日

サイタマノラッパー3 ロードサイドの逃亡者(110分)

監督: 入江悠

2作に引き続き、近作も見てきました!
2作にあったコミカルテイストを想像してたら、まさかのシリアス展開にビックリ。でも、これがまた、おもしろい。今までの作品に多くのファンがついていただけに、この裏切りには入江監督の勇気を感じました。入江監督、あなた男前過ぎますよ!(ちなみに、実際にイケメン)

個人的なことですが、サイタマノラッパー全体での主役IKKUが好きじゃなくて。IKKUの存在で、自分は意外に「全く働かないまま、夢を追うというスタイルで人生ごまかしてる大人を認めたくない」という潔癖なところがあるんだなと気付かされました。
逆に、3作目の主役マイティは、シリーズ中男キャラの中では一番好きなんです。家業を継ぎつつ夢も追う姿や、馬鹿そうに見えて本質をついた発言をするところとかが好きで。
だから、マイティが主役ときいて、「おぉ!」となりました。
冒頭、2年間の努力を感じさせるMCバトルに、「やっぱ、私が見込んだオトコに間違いはない!」と思いました。が、マイティがあんなに腕っ節が強く喧嘩っぱやいとは。。。いやー、手が出ちゃう男は駄目ですよー。腹が立っても、我慢・我慢で。暴力は人生をかえてしまいますし。(でも、そうするとこの映画は序盤で話がかわってしまうわけですが)
クライマックス、どんづまりの絶望の中 本気で人生をかけて取り組み&あきらめた夢が急に飛び込んでくるFESの場面の、形容しがたい感情の表出。そんなことが実際に起きたら、やはり私も何も考えられないまま、その場へと歩み寄るだろうなー。


 あと、今作から新キャラ:征夷大将軍がかわいくて大好き。見ざるラッパー・言わざるラッパー・聴かざるラッパー、そして、DJねむり猫。DJねむり猫の「カネまんこ野郎!」というパンチライン
声に出して言いたい罵倒語!実際に使ってみたいなー。栃木弁なのがまたよいです。

ちなみに、シネマスコーレ@名古屋での公開初日に私も立ち合わせていただきました。
俳優・映画館・ファンが一丸となって「映画をみてもらおう」とする空気を感じ、本当に幸せな気分になりました。
主演のマイティさんの舞台挨拶に、思わず号泣メーンしちゃいました。
貴重な映画体験を味合わせてもらい、サイタマノラッパー&シネマスコーレさん、本当にありがとうございます!!!

2012年4月23日月曜日

SRサイタマノラッパー2 女子ラッパー傷だらけのライム(95分)

監督:入江悠
(鑑賞:2010年7月)
われわれ、ぼんくら女子たちは全員見るべき映画!
ラストのシークエンスで、アユムの父の一言がなんと刺さること。
そう、私達はそうやって生きて行くしかないんだ。
「川の底からこんにちは」「SR2」と、今年はずいぶん映画に勇気付けられました。

あと、27歳のアユムたちに、25歳の後輩たちがあびせる「先輩たちと違って未来があるんで、、、」っていう台詞の感じ、分かるなー。
30歳超えてくると2歳の差なんて、あんまり関係なくなってくるけど20代って、27歳と25歳の微妙な差で未来に対して描けるのびしろが大きく違ってたなぁとあの感じを思い出しました。



(SR3の公開にあわせて昔の投稿メールを掘り起こしてみたら、あまりの短文っぷりにビックリした。)

2012年4月21日土曜日

バトルシップ(130分)

原題:Battleship
監督:ピーター・バーグ


劇場予告ではシリアスな軍事モノをイメージしていたんですが、「え?こういう話なの?」と劇中何度も姿勢を正してしまいました。
まず、冒頭の「弟バカ過ぎエピソード」に衝撃。
チキンブリトーを食べたがる女を口説くために、コンビニの屋根を壊して忍び込み、警察のお縄になる弟:テイラー・キッチュ。そのシーンでかかるお馴染みのぬすっ人BGMの感じに、「これはある種のおバカ映画だな」と映画を見る姿勢を決めました。弟が氷風呂にはいっているとことか無駄なバカ描写が好きでした。
ただ、海軍にはいった後、弟の髪がロン毛から短髪にかわってて、私、この男があの弟だと最初の式典のシーンくらいまで分かんなくなっちゃってました。なので、単純な筋書きなのに途中迷子になっちゃってた。
なんか、ちょっと前、占い師に「髪型かえれば、開運するよ!」と言われたことを思い出しました。やっぱ、髪の毛って人の印象を大きく変えるものなんですね。髪と服が違うだけで、誰か分かんなかったよ。


宇宙人の目的が見えない感じと山にいた彼女と義足退兵がどうやって助かったのか分からない感じに、なんだかメカ描写以上にトランスフォーマー感を感じてしまいました。
宇宙人は無差別殺人をするわけでもないし、実際のところ何しにきたんだろう。こっちが攻撃をしかけなきゃ、初めの墜落以外の被害はなかったっぽい感じもするし、謎。
米軍の攻撃で壊滅した山にいた彼女と義足退兵が、しれっと生きて最後の式典に参加しているのも、、、、どうやったらあそこから生き残れるんだよ、謎だ。


ミズーリー号でおじいちゃんたちが張り切って戦うシーンや、1tのミサイルを6人で運ぶシーンを「あ、ありえねぇ!けど、かっこいい!」と、場面場面けっこう楽しめました。
ただ、変幻自在の金属クリエーチャーって、個人的にはそこまで好きじゃないので続編があってももうみないかも。あと、人が死ぬ絵をちゃんと描いていないのが、残念でした。実際、死んでないなら絵にしなくてもいいけど、、、死んでるならやっぱりちゃんと描いてほしい。


2012年4月14日土曜日

篤姫ナンバー1(86分)

監督:小中和哉



「石川梨華さん初日舞台挨拶!」とのポスターに惹かれて、思わず初日に見に行ってしまいました。
生・梨華ちゃんは相変わらず愛らしかった。御園座での舞台「細雪」の公開初日もかさなっていたためか、若干ヘロヘロになっていたのに、なんか萌えました。
流石に舞台挨拶では、大好きなフレーズ「あなたの、あなたの、あなたの…あっ、ごめんなさい、あなただけの石川梨華です。」が見れなかったのがちょっと残念でしたが。
(↓あ、写真撮影したので全然見えないけど記念に貼っておきます。私は4列目にいるハズ)

で、映画本編ですが、、、期待してなかったからいいのですが、予想通りのぬるさ。
観客には説明済みだけど、登場人物同士では了解が取れていないはずのことがいきなり了承済み事項になっていたりち脚本のひどさが特に目立ちましたが、、、アイドルヲタがニヤリと出来る設定を、自分なりに見つける映画としてはまぁイイような気がします。
なんつったって、「あっちゃんが ナンバー1を目指す」話を元モーニング娘。の石川梨華がやるっていうのがもう!!!(篤姫→篤子→あっちゃん)
このナンナンダソレ感だけで、「逆にロックンロールやでぇ!」(つんく♂)となってしまいました。
でも、DOCUMENTARY of 元モーニング娘。 Dream must go on 娘たちは傷つきながら、夢を見続ける」的なアイドル残酷物語をもし見れたとしたら、それは真に「逆にロックンロールやでぇ!」だったろうなぁ。悪趣味な私は、やっぱりそれが見たかったりします。

あと、この映画に出てくる銀座のクラブよりもドリームモーニング娘。MV「シャイニングバタフライ」に出てくるクラブのほうが100倍楽しそう。こっちの梨華ちゃんのほうがカワイイし、オススメ!私はこのクラブだったら、美貴ちゃんを指名しようかな♪

2012年4月13日金曜日

僕達急行 A列車で行こう(117分)

監督:森田芳光



あまり意識していませんでしたが、調べてみたらこれまで森田芳光監督作品「家族ゲーム」「(ハル)」「失楽園」「黒い家」「模倣犯」「間宮兄弟」と結構見ていました。ですが、映画館で見るのは本作品が初。
釣りバカ日誌の鉄道版のようで、もしかしたらシリーズ化を狙ってたのかもと感じる作品でした。内容の割に尺がちょっと長く途中なかだるみを感じましたが、日本独特のサラリーマン人情劇がなかなか楽しかったです。

特に、松ケンと瑛太の「趣味友以上 BL未満」な掛け合いはなかなか癖になる味わいでした。「花柄のワンピース着てみたいと思う?(思わないでしょ、だから)オンナの気持ちなんて、分からないのです。」と元も子もないことを言って瑛太をガックリさせる松ケン。女のコに振られた瑛太に、生絞りいちごミルクみるくを作ってあげて、なぐさめてあげる松ケン。そして、「ボクたち、もてないのかなぁ~」とつぶやく瑛太に、「関係ないよ。ボクたちにしか分からない世界があるサ」という松ケン。
「もう、いっそ抱きしめちまえよ!付き合っちまえよ!」とツッコみたくなってしまいました。

ちょっと残念だったのは、ヒロイン役の貫地谷しほりのキャラ設定。「私のこと好きよね?」と相手に問いかける離れ技の口説きテクニックを使う強気キャラが、あまり貫地谷しほりにあってなかったような。。。
しかし、「私のこと好きよね?」も、社長秘書役が使う「少しだけ、好きです」も言われてみたい&言ってみたい言葉だよなぁ。いつか、どっかでこっそり使ってみよう。

私も趣味事が高じて、仕事で夢のような成功をおさめたりとかしてみたいなー。
アイドルの現場であった人が、実は得意先の社長さんで、BIGな商談がトントン拍子に決まるとか…そんな夢物語を味わってみたいナ。
あ、こういうしょうもない願望があるから、こういう筋書きって需要があるんだね。。。

2012年4月9日月曜日

ドライヴ(100分)



原題:Drive
監督:ニコラス・ウィンディング・レフン

ツイッターTL上の評判がものすごいよかったので、見にいってきました。
韓国映画のようであり、デビットリンチ感もあり、北野映画っぽさもある。でも、それらとなんか違う。既視感ありつつも、みたことない感じもいっぱいで新鮮な味わいで面白かった!幸運にも予備知識ほとんどなしで見れたので、新鮮な感触をより堪能出来ました。


音楽で80年代感を盛り上げつつ、描写されるのは2000年代のロスの情景。
淡々と描写されるオープニングのカーチェイス、死んだ目の主人公、そして静かで激しい暴力描写。
特に、音楽がこの作品にもたらしている絶妙な空気感がすごい。少しさじ加減を間違えたら、危険なギリギリの線でドライヴしてくる。エンドロールのピンクの筆記体がかもし出すヤンキー感も、よかった。日本以外でも、あれをヤンキー感ととるのかは謎だけど・・・


キャリーマリガンが、生活に疲れた一児の母感ありつつ、でも、とってもかわいくてなんだか好きになっちゃいました。フルヌードをみせてくれた「シェイム」より、断然こっちの彼女のほうが好き!やっぱり、「女子は、やれそうなオンナ感より愛嬌のが大切なのね」と思ったり。

ライアンゴズリング演じる主人公があまりにも無敵過ぎて、途中「こいつ、何者なんだ・・・」と気になりましたが、終盤には「「アジョシ」みたいな唐突な何者だったのかの説明は、もういっそやめて!コイツはコイツという理由で無敵なんだわ。」って思ってしまいました。そういう説明なしで、こちらを納得させてしまうところもすごいなーと思いました。

好きな場面もたくさんあって、キスの後に頭を踏んづけまくる場面、人を殺したナイフを綺麗に洗ってコレクションボックスに片付ける場面、あとなんでもないシーンだけど、キャリーマリガンの子供がライアンゴズリングに足をのっけてテレビを見てるのがすごい好き。ああいう親密性のあらわれって、いいなぁ。

2012年4月6日金曜日

STAR WARS エピソード1/ファントム・メナス 3D(136分)


原題:Star Wars: Episode I - The Phantom Menace 3D
監督:ジョージ・ルーカス

スターウォーズバージンだった私ですが、シネマハスラーきっかけで3Dにてロストバージン出来ました。
しかも、今作を見る3日前に「ピープルVSジョージルーカス」を見るという、やたら耳年増の生娘状態で鑑賞するレアな体験を味わいました。

「エピソード1から見れるから、よく筋書きが理解出来そうだな~」と期待してたんですが、実際はコレだけではぜんぜん分かりませんでした。文字&台詞説明も多くてビックリ。あと、場面の切り替え演出の独特な感じにもビックリしました。
というか、全体的に話のテンポが悪くてたるい。。。もっと爽快感のあるSFアクションだと思ってたのですが、想像していた映画とかなり違っていました。スターウォーズって、どっちかというとファンタジー映画なんですね。

「ピープルVSジョージルーカス」で大きくとりあげられていた、ジャージャービングスやミディ=クロリアン数値には、「おぉ!これか!」と思わず注目してしまいました。
たしかに16年間も新作を待ったファンには、旧シリーズにはない空気感のこのキャラクター&設定はうけいれがたそう。。。特に、ミディ=クロリアン数値は、ファンからフォースの神秘を奪い失望させたことが想像出来ました。
私も自分が大切にしている15年前のアニメ作品「少女革命ウテナ」に新シリーズが出来たとして、「デュエリストの条件が実は血に含まれてるある指数で決まってた」とかいう新設定が現れたら、きっと怒り狂うだろうな。。。

で、3D映像についてですが、3D映えしそうなレースや宇宙船シーンはクローズの画面が多くてあんまり迫力がなかったです。あえて言えば、ライトセーバーの戦闘シーンが3D映えしてたかな・・・でも、わざわざ3D化するほどでは・・・という感じ。
これからどんどん生まれてくるであろう「旧作品の3D化」についてちょっと考えてみたんですが、「元々のファンが再び大きいスクリーンで好きな作品を見られる」ことが一番大きな意義のように感じました。新規のファンは、3D化まで検討されるほどのその時代と寝たヒット映画を、今スクリーンで見てもなかなかピンとこないような。 でも、「タイタニック 3D」はちょっと見てみたかったりするw

2012年4月3日火曜日

ピープルVSジョージ・ルーカス(92分)

原題:THE PEOPLE VS. GEORGE LUCAS
監督:アレクサンドレ・オー・フィリップ

「スターウォーズ」1本も見たことがなかったのですが、コレものすごく面白かったです!
もともと「何かのファンである人々の生態」に私ものすごく興味がありまして・・・めざましテレビの「かる調」とか、女性アイドル×そのヲタの生態を描いたDVD「NICE IDOL(FAN)MUST PURE!!!」とか大好きで。そういう意味でこの映画、私の大好物でした。
まず、「スターウォーズ」の1977年公開当時の様子を見、ファンがコスプレしたりパロディ作品を創作したりと、現在の「share」文化とものすごく相性のいい作品なんだなと感じました。そういう作品がインターネットで「share」することが当たり前になってきたこの時代に、ジョージ・ルーカスへのファンの賛否の声を「share」した映画になること自体とてもおもしろいなぁと感じました。

最も興味深かったのは、修正版論争と新シリーズ「エピソード123」に対するファンの反応。
オリジナルバージョンが脳裏に焼きついているファンが、ただの映像のクリア化にとどまらない内容修正をした新バージョンを「オレの作品に何をする!」と本気で怒っていたのに、「その気持ち、よく分かるなー」とうなづきました。思春期に繰り返し見た作品って、自分脳裏に焼きついているものだから、オリジナルバージョンが公式的に抹殺されているのはファンには耐え難い苦しみだろうなと共感してしました。
また、新シリーズ公開に対するファンの反応も、よかった。「16年待ったんだぜ!」「これこそ、最高の瞬間だ!」と鑑賞前盛り上がっていたファンが、見た後「え?」となる感じ。でも、「繰り返しみてみよう。きっと、なにか妥協点があるはずだ。」と新シリーズを好きになることを諦めきれないファン心理が切ない。

数限りなくでるグッズやDVDBOXを、「やむことのない手コキ」に例えるのにも「なるほどな~」うなずいてしまいました。ファンは疲れきっても、哀しいかな愛を注ぎつづけるものなんですよね。。。

ファンの悲喜こもごもの数々に声を出して笑ってしまう映画でしたが、終盤の「それでも、スターウォーズが好きなんだ」という声には、泣きそうになりました。
真に何かのファンになるということは、人生をソレに捧げるということ。「そこまではいりこめる何かがある人は、不幸でありながらもとても幸福なんだなぁ」と噛締めてしまいました。