2014年9月30日火曜日

2014年9月に見たいくつかの映画

8月に引き続き9月もブログに書くのがすっかり遅くなってしまいましたが、見た映画の振り返りをします。ふりかえると、9月はブログに感想を書いた映画4本以外に新作映画を1本しか見ていませんでした。(合計5本鑑賞)
ただ、9月はカナザワ映画祭で14本(新人オールナイト含む)鑑賞しました。

そして、唯一鑑賞した新作映画「グレート・ビューティー/追憶のローマ」もシネマテーブルのカナザワ映画祭ツアーの車内シネマテーブル(電車内のボックスで映画の感想を語り合う)の課題になったから見たという。。。カナザワ映画祭で、灰汁が強い映画を一度に過剰摂取しすぎたせいか「しばらくおさえめで」的な気持ちになってしまった。自分のこういうところは、全然映画ファンでもなんでもないなーと感じます。なんかバランスとろうとしてしまう。

「グレート・ビューティー/追憶のローマ」は、ローマのしゃれおつおっさん金言集にうっとりきた。あと、恋仲ではない男女間の大人の口喧嘩シーンがじりじりきてよかった。人に指摘されたくない本当のことを言っちゃうと、本当に場が冷えることが実感出来ます。

せっかくなので、カナザワ映画祭で自分の見た映画をランキングにしておきます。今年は、いままで「ロボコップ」と「ショーガール」くらいしか見てなかったバンホーベンをたくさん見て、その全部に下品なおもしろさがあって好きになりました。スペッターズで無修正ちんこがスクリーンに映し出されるたびにおこった爆笑につつまれた館内の空気を、きっと私はいつまでも忘れないでしょう。

1位 スペッターズ 感想:青春残酷物語(おちんちんあり)
2位 スターシップ・トゥルーバーズ 感想:うっかり入隊したくなった
3位 フルメタル・ジャケット 感想:なんやかんやいって、キューブリックってかっこいいしキマる
4位 ワイルド・アット・ハート 感想:リンチって、こういうロマンティックなのも撮れるんだ
5位 マッドマックス2 感想:おしりがまるだしの服が似合っててすごい
6位 イレイザーヘッド 感想:鑑賞後ちょっと聴覚に異常が。でも、爆音でみれてよかった
7位 フレッシュ+ブラッド 感想:バンホーベンの女性観が見て取れる。女は処女かビッチの二択。
----以下は期待の新人オールナイト
8位 君を連れて行く、いいよね 感想:あの制服、Sサイズで助かった
9位 オールドフレンド 感想:全員美少女でうれしかった
10位 NIGHT SAFARI 感想:富士宮が怖くなる
11位 瘡蓋譚 感想:高校生の撮った、ビーチクにドキドキ
12位 SLUM POLIS 感想:深夜2時に2時間の長さはつらかった

----番外
映画の生体解剖ビヨンド 感想:映画の中の外国人、印象に残った
トゥルー・ロマンス 感想:上映中止になって残念だった



グレート・ビューティー 追憶のローマ
監督:パオロ・ソレンティーノ
原題:La grande bellezza
世の中で信用出来るものなんて、メニューリストくらいだ

2014年9月26日金曜日

舞妓はレディ(135分)

監督:周防正行
テンション高い男に鍵を渡したくない

私事になりますが、抽選に当たりまして今月末からライムスターにラップを習うという京都精華大学の公開講座で京都に3回通うことになりました。名古屋から京都まで行くのはちょっとおっくうだなと思っていたのですが、映画で四季折々の京都を見ていたら、京都に行くのが楽しみになってきました。9月から10月にかけて京都に行くことになるので、秋の京都が楽しめるかな。ラップを自分で作ってやれるようになるか、自分に半信半疑な気持ちですし、めちゃくちゃ緊張していますが、舞妓はレディの主人公:春子の修行シーンを思い出してめげずにがんばろうと思います。春子よろしく、言葉を獲得することで自分に少しでも変化をもたらせればいいなぁ。
で、「舞妓はレディ」の映画の感想ですが、ミュージカルシーンでの役者陣の踊りと歌声が気持ちよかったです。特に主人公の上白石萌音が舞妓になった時の変化っぷりが素晴らしかった。かわいかったし、声がめちゃきれいだった。エンドロールまで、うっとり聞き惚れました。脇を固める役者陣もみんな芸達者だった。草刈民生はさすが綺麗だし、コメディエンヌ的な演技もうまかったです。
ただ、ミュージカルシーンはいいのですが、話のところどころに気持ち悪さを感じる部分が気になりました。主人公が「先生、大好き!」って叫んで終わる展開に、「え、まだ、それ言うの!?」と思ってしまった。春子にしろ、先生にしろ、「舞妓になる!」とか「舞妓にさせる!」とか振り切った行動をやり切るだけの動機付けが弱く感じて、なんか現実味の薄いちょっと浮いた人間のように思えました。あと、竹中直人扮する男衆が職業内容のわりにテンション高すぎて変質者に見えた。舞妓さんや芸妓さんちの鍵をあーゆー人に管理させるのは心配極まりないと思う。竹内直人と渡辺えりの「Shall we ダンス?」コスプレも、いまさら笑えないというかどういう顔をしてみたら分からなかったです。
クライマックスで、岸部一徳が「舞妓の魅力はね、若さなんだよ!」と言い切るシーンは潔さがあってよかった。その後、「一生懸命頑張ること」うんぬんかんぬん言ってたけど、まあやっぱり若さが大事なカテゴリーがたしかにあるということは認めざるえない事実だよね。うむ。

2014年9月20日土曜日

TOKYO TRIBE(116分)

監督:園子温
パパは力で、ママは美香

友人が開催した「TOKYO TRIBE」オフ会に参加するために、あわてて見に行きました。
なかなか映画を見に行けず、無理やり見に行ったのは、オフ会前日Perfumeぐるんぐるんツアー名古屋ガイシホール2日目終り。ライブが始まる前はめちゃくちゃ天気がよかったのに、ライブが終わったら外は大雨で、そのなかを傘もささずに映画館へ。さながら、さんぴんキャンプのヘッズみたいな気分になっていました。
雨で全身濡れ切ってしまっていたので、靴のみならず靴下も脱いで映画鑑賞。隣接する席の方に申し訳ない気持ちになっていたのですが・・・開演ギリギリにはいってきた右隣の男性二人組が、映画開始後も携帯切らない奴らで。いつもなら、がんばって注意するのですが、べしょ濡れの自分も存分にマナー違反だし、なんか怖そうな雰囲気だったので、そのままスルーしてしまいました。しかし、映画鑑賞中も気になってあんまり映画に集中出来なかった。。。そして、ンコイ様の部屋がはじめて出てきたシーンで、隣から怪しい光が。と思ったら、やつらフラッシュたいてスマホで写真撮ってる!映画泥棒的な行為うんぬんよりも、「写真に撮りたいシーン、そこなのかよ!」という彼らの趣向が気になってへんな気持ちになりました。たしかに、ンコイ様の部屋はキマっていましたが。いろんな意味で気が散りましたが、ちょっと笑えました。
あと、雨と映画で、Perfumeライブの余韻が吹っ飛んでしまったので、よいライブの後に映画に行くのはまったくおすすめできないと思いました。やはり、ライブを見た後は、一緒にライブを見た友達と感想戦するか、家に帰って早く寝て夢の中で余韻にひたるのがおすすめです。
このようにあまり集中できないコンディションでの鑑賞でしたが、そんな中印象に残ったのはキャスティングの素晴らしさ。特に、ブッパファミリーの竹内力、窪塚洋介、叶美香、中川翔子の異物感こみでのなんともいえない存在感のケミストリーは圧倒されました。あれ以上の組み合わせを考えるのは難しい。叶美香さんのまんがみたいなおっぱいが揉まれる姿にドキドキしました。中川翔子さんのポンコツ感もよかった。
あと、オフ会で話していても好みが分かれた染谷くんのラップですが、私はおさえたフローに死んだ目がすごい好きでした。ラップって、ラップそのもののうまさもあるけど、その人の個性もすごい重要な要素なんだなと今回の映画で感じました。

2014年9月11日木曜日

フライト・ゲーム(107分)

監督:ジャウム・コレット=セラ
原題:Non-Stop
捨てられた大型犬は強い

98時間 リベンジ」ぶりにリーアム・ニーソン主演映画を見ました。今回も、「仕事に没頭しすぎて家族を失った」という、ある意味「98時間」とほぼ同じ設定をもった主人公。仕事ではキレ者だけどプライベートはだめだめのキャラクターが、捨てられた大型犬のような顔のリーアム・ニーソンにとてもはまります。
この「フライト・ゲーム」、イジャック犯からリーアム・ニーソンの携帯に「お金払わなかったら、20分ごとに一人死ぬよ」メールが来る緊張感ある前半のくだりは面白かったです。20分ごとに死ぬ人」のうち2人はリーアムの手で殺すという不気味さも、面白かった。振込先口座がリーアム名義になっていたりして、リーアムがハイジャック犯に仕立て上げられていく流れも、よかったです。が、犯人が分かってからの後半は、「あー、こういうの見たことあるわ」っていう既視感を感じてちょっと失速した感じがしました。飛行機内アクションや墜落やら動きのあるくだりもあるのに、後半のほうが退屈を感じてしまう不思議。あんな緻密な犯行計画を立てた犯人グループが、実際は団結感もなく抜けてたのとかもちょっとがっかりでした。
飛行機を怖がる航空保安官とか、テープ何に使うのかと思えばトイレでタバコ吸うためだったリーアム・ニーソンとか、窓側の席に固執するジュリアン・ムーアの理由とか、ビジネスクラスでセックスするカップルとか、そういう乗客ひとりひとりのささいな描写が面白かったです。小さい女の子に「窓側に座らせて」と頼まれたら、やすやすと窓側を譲ったジュリアン・ムーア、いいやつじゃんって思った。でも、あの時席譲ってなかったら、ジュリアン・ムーアきっと死んでたな。爆発して外壁が落ちた飛行機でも、座席がなくなった女の子をリーアムが手で持ち上げて助けれらたのは、きっと軽かったからだろうな。ふあーーー、飛行機事故で助かるためにもダイエットが必要か。それか、窓側を避けてリーアムの近くに座るかだな。

2014年9月6日土曜日

イントゥ・ザ・ストーム(89分)

監督:スティーブン・クォーレ
原題 : Into the Storm
嵐をおこして、素顔を見せるわ

天候パニックがメインの映画を劇場で見るのは、今回がはじめてでした。あんまり見たことのないジャンルだったのでそんなに期待してなかったのですが、巨大竜巻がリアルで90分という尺の短さの中に人間ドラマも織り込まれていて、面白かったです。
竜巻が頻繁に起きているアメリカで、それを主題にしたこういうエンターテインメント作品が成功しているのを見ると、「やっぱり、戦勝国はすげえな」と思いました。日本じゃ、地震や台風を主題にした映画があったとしても、こういうアガる作風にはなんないですもんね。 
今回の「イントゥ・ザ・ストーム」で、やっぱりファウンドフッテージはパニックやホラー映画と食い合わせがいいなぁと再確認しました。驚きや恐怖が主観で感じられるし、恐怖の対象そのものが映る場面が少なくても観客に伝わってくる。今回は、高校の卒業記念に25年後に宛てたビデオカプセルを作成するという志向もあったので、そんなにうるさく感じない程度に「災害前」「災害後」の人々の心情の変化が見られたのもよかったです。あと、廃工場で死にかけた高校生男女が交互に撮影した遺書VTRもよかったなぁ。死にかけの顔が妙なセクシーだということに気がつけたし、あの瞬間「お前のせいじゃないよ」と弟を気遣う兄のコメントは真にまさるものがありました。 
あと、竜巻の映像を撮影するという、常人には理解しにくいストームハンター:ピートが最後にみせる、求めていたものが見えたときの恍惚とした表情がなんともすばらしかった。自然の美しさと暴力性どちらも極限までみせた上で、そんな自然に翻弄されながらも魅了される人間があの一瞬で感じ取れました。タイタン号の地面に固定するチャチぃ仕組みも、たよりなげにも頑張ってて、なんか愛おしかったです。