2015年8月29日土曜日

ジュラシック・ワールド

死ぬ気で行きたいテーマパーク

監督:コリン・トレボロウ
原題:Jurassic World
上映時間:125分
パンフレット:720円(★★★★☆:シリーズ作の説明とか恐竜の説明とかいろいろ分かりやすい)

ジュラシックシリーズは、1作目「ジュラシック・パーク」はリアルタイムで見ていましたが、後の2作品は未見でした。ちょうど最近huluの2週間お試しキャンペーンに登録して同シリーズ過去作が全配信されていたので、最新作の予習に動画鑑賞しました。が、途中で飽きてきてしまって1時間みたところで早送りしてエンディングまでとばしてしまいました。で、3作目はネットでネタバレ情報を読むという適当な予習をして、最新作に臨みました。つーか、予習に関していえば、多分2作目と3作目見るより、1作目をもう1回見るほうが有効でしたね。最新作はそこかしこに1作目オマージュがあったので、1作目の記憶が強いほうがより楽しめそうでした。
で、最新作「ジュラシック・ワールド」ですが、これ単体でもめっちゃ楽しかったです!「ジュラシック・ワールド」のテーマパークの実在感が素晴らしくて、”何人も殺される事故が起きる”という映画のストーリーを知っている今でも「あー、あそこのテーマパークどこにあるんだろう?行きたいなぁ!」と思ってしまいます。草食恐竜に乗るふれあいコーナーのほのぼの感、海洋恐竜のクジラ丸呑みショーのスリル、円形ポットの乗り物の解説動画のつまらなさと、あそこが何年も実在しているということを信じさせられました。私は恐竜が特別好きというわけでもないけど、今回の運営のごたごたが片付いたら、ジュラシック・ワールド是非行きたいと思いました。
あと、今回のボスキャラ、遺伝子ハイブリット恐竜トインドミナス・レックスの開発経緯が面白かった。経営者「なんで、体温感知されない?」博士「イカ、いれておきました!(ドヤ顔)」、経営者「なんで、擬態するんだ?」「カエル、いれておきました!(ドヤ顔)」って、この会話の噛み合わない感じがコントっぽくって、ずっと見ていられる面白さがありました。インドミナス・レックス、なんでもかんでもまぜられてて「お前は、闇鍋か!」ってつっこみたくなりました。
あと、ジュラシック・ワールドの経営上層部、彼らがはりきりすぎるとあっさり死ぬところも愉快でした。「ボス自ら、ヘリを運転するぜ!」ってはりきったら5分後には墜落死、「恐竜は生きる兵器や!」ってはりきったらその恐竜にパックリ死と、偉い人がはりきりすぎると分速で死が舞い込んでくるお約束。そーゆーのキライじゃないぜ!

2015年8月19日水曜日

野火

その光は、絶望

上映時間:87分
監督:塚本晋也
パンフレット:購入し忘れ。

お盆休みの暇な日がちょうどレディースデーだったので、お盆に見るのにぴったりだと思って見にいきました。同じような思いだった方が多かったのか、映画館は立ち見が出る盛況っぷりで開演前にチケット売り切れになっていました。その時期にあった映画を見てより深く物事への思いを馳せるのはとてもいい過ごし方だと思っているので、同じような人がたくさんいてうれしかったです。(ちなみに、隣に席の人が偶然にも知り合いでした)
戦場では「ただ生きる」ことがどれほど難しいのか、そして「ただ生きる」ために味方同士であっても食料の奪い合いやひいては人間を食べるという通常は考えられない非人道行為をしてしまうということがあらためて実感を持って感じられる映画でした。
特に印象に残っているのは、偶然あった伍長とともに行動するようになった主人公:田村一等兵が暗くなるのを待って峠を超えるシーン。夜になって峠越えしている最中に敵によりライトに照らしだされ、一隊ほぼ皆殺しになってしまう。その照らし出されたライトの明るさに、死という絶望を感じさせられました。
あと、この日特に眠かったわけでもなかったんですが、なぜか鑑賞中うとうとしてしまいました。夜のシーンや暗い画面が多かったせいでしょうか。俳優さんも、顔を黒く塗っていたし...ハードな場面も多かったのに、集中力を欠いてしまったことが悔やまれます。

2015年8月15日土曜日

インサイド・ヘッド

どの感情も、なかったら困る

監督:ピート・ドクター/ロニー・デル・カルメン
原題:Inside Out
上映時間:94分
パンフレット:720円(★★☆☆☆:ピクサー作品年表に世界興収も併記してあって便利。ナンバー1は、「トイ・ストーリー3」の10.6億ドル)

2009年の「カールじいさんの空飛ぶ家」以降は、ピクサー製作作品は抜けなく全部劇場鑑賞しているのですが、今回はピクサー長編アニメーション20周年記念だけあって完成度が高いというか非のつけどころがない作品でした。非のつけどころがなさすぎて、逆にちょっとキュートじゃないよね・・・っていうことが非かなっていう感じ。「カーズ2」「メリダとおそろしの森」「モンスターズ・ユニバーシティ」と直近3作のピクサー作品は水準は高いものの完璧っていう感じではなかったんですが、これは「トイ・ストーリー3」ぶりひさびさにきたピクサーの完璧作品だと思います。ただ「カールじいさんの空飛ぶ家」や「トイ・ストーリー3」にはあった訳ありの悪役がいない分、この2作品に比べると「悪役側にも一理あるんだけどねぇ」っていう振り幅が減っていて映画としての魅力がかけている気はします。
「インサイド・ヘッド」、頭の中でヨロコビ・ムカムカ・イカリ・ビビリ・カナシミという感情の素が人格を持っていて彼らが協議した上で宿主の成長を見守るっていうのが見てて楽しかったし、映画が終わったあとも自分の心の中で起こっていることを映画の映像に置き換えて考えることが出来て、子供の心身の健康に役立ちそうな映画だなぁって思いました。学校の教材にしたいくらい。他にも、特別な思い出で性格の島が出来て宿主の性格を決めるとか、記憶が失われる仕組みとか、夢製作の裏側とか、こわい物の取り扱いとか、心でおこっていることがビジュアルとして分かりやすかった。アルツハイマーの人の心の中ではどういうことが起きているのかとかも見たいな~。この映画のイメージで置き換えれたら、前向きな意味合いでアルツハイマーについて考えることが出来そう。あと、私はとても面倒くさがり屋なので、ナマケっていう感情も作ってほしかったな。単純に自分のために見たかった。
作品そのものの質とは関係ないけど、ドリカムが歌うオープニングの日本版オリジナルテーマソング「愛しのライリー」をバックに映しだされる一般人が本当にきつかったですね。なにかのキャンペーンか公募をしたんだろうけど、映画館のスクリーンで一般人の技術で撮影した一般人の姿をうつしちゃダメ、ほんと。「なぜこの企画を通した?」「なぜキミたちの姿がうつってる?」と見知らぬ誰かへの嫌悪感で、ちょっとムカムカがとまんないやつでした。そのムカムカをおさめるのに、今回はディズニーやピクサーお約束の本編とは関係ない短編アニメーションが本当にありがたかった!「南の島のラブソング」はそんなに面白くなかったけど、あれのおかげで少し心を落ち着け集中力をとりもどして「インサイド・ヘッド」本編に臨むことが出来ました。(あ、これ、もしかして、「短い時間に様々な、心の動きを感じ取って!」というメッセージだったのかな)

2015年8月8日土曜日

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN


できれば、1本にまとめてほしい

監督:樋口真嗣
上映時間:98分
パンフレット:720円(★★★☆☆キャストや製作のインタビューが多く掲載。VFXの撮影について書いてあったりもします。)

「進撃の巨人」については、原作を家族が借りてきた貸本で一応ひととおり読んでいて、いちおうあらすじはおさえています。が、アニメ版や他の劇場版まではみていません。そのくらいのテンションで、今回の実写版映画見てきました。もともと原作のほうも、複数の人間が巨人になりはじめたところから、巨人の魅力が目減りしたように感じ、話が複雑になってきてバラ読む貸本ではストーリーを理解しきれず、興味がなくなってきていました。なので、まあ映画もある意味気楽な感じで鑑賞しました。所感としては、「想像よりもよく出来ていたし、作り手のがんばりを感じて好感はもてた。けど、別に面白くない。」という感じ。
序盤のタイミングで「これはビックリさせてくれる映画化ではないんだな」と思わされたのは、超大型巨人がはじめて登場するシーン。パンフレットを見るとこのシーンは特撮で丁寧に撮られてるみたいなんですけど、その登場に絵での衝撃を感じませんでした。アメコミ映画とかホビットとかそういうの見てたら、いまさらそんなに驚けないのかも。壊された壁の穴からはいってくるその他の巨人の無気力そうにわらわらしてる感じのほうが不気味でゾッとしました。この流れでのモンゼンの市場の混乱っぷりは、大勢の人間を使ってパニックが伝わってきて迫力ありました。中盤以降の注目ポイント、立体機動装置の実写でのフォルムもそれなりの大きさと重量感があってよくできてるなぁと感じたんですけど、それを使った戦闘シーンは、なにしているのか把握しずらくてあんまり楽しくなかったです。
原作にはないエピソードや人物は、自分的には好感を持ってみました。外壁再建団のなかのカップルがちちくりあうシーンや人妻がエレンに色仕掛けをするシーンは、映画的お約束がおさえてあって理解しやすく楽しかった。シキシマとミカサがひとつのリンゴをわけて食べあうシーンとかも「(原作にはないシーンなのに)漫画みたい!」とちょっとクスリとしながら楽しめました。勇気がいるであろう原作からの大幅改変は、原作ファンにとってはムカつくものでしょうが映画にとっては必要だったのかなと感じています。私が一番うーんと思ったのは、前編98分なら2時間半くらいで1本にまとめてほしかったなということ。パンフレットで樋口監督が観客へのメッセージとして、「二部作にしたことで、一つ原作と同じものを手に入れることができたと思うんです。それは連載漫画と同じく”次はどうなる”と、観客をワクワクさせる”引き”作れることです。いろんな意味で今回の最後に観ていただいた予告篇を裏切る形になっていますから、ワクワクしながら続きを待ってほしいですね。」と語っているのですが、私は全然ワクワクできてなく、どっちかというとヤキモキしています。別に後篇を見るほどの前篇楽しめてないけど、やっぱりちょっとだけ続きが気になっちゃって無駄に悩みが増えてしまいました。(多分、後篇はムービーウォッチメンで当たらなければみない気がする)