2016年5月3日火曜日

マジカル・ガール


魔女をカモにするもんじゃない
監督:カルロス・ベルムト
原題:Magical Girl上映時間:127分
パンフレット:700円(★★★★☆:カルロス・ベルムト監督と園子温監督の対談が和やかな雰囲気で愉快)

「マドまぎ」っぽい?現実版魔法少女?みたいな噂を聞いて気になっていたので見に行きました。
「日本ヲタク外国人の新たな才能あらわる!」っていう感じで、異国から憧れられる日本が見られて日本人としてはありがたい作品でした。パンフレットを読むとカルロス・ベルムト監督は、日本大好きで年に4ヶ月は東京に住んでいるとのこと。とはいえ、日本が扱われてるから面白いのではなく、直接描写は避けているのに残虐さや暴力性が溢れているところも好きでした。車椅子の超Sセレブがどんなことをバルバラにしたかまったく見せないのに、その傷の加減でこっちに想像させる手法とか。2回目の傷の具合とかイグアナみたいになってたもんな~。
個人的には、一昨年見たリドリー・スコット監督の「悪の法則」とすごい似た印象を受けました。「悪の法則」のカウンセラーと同じくこの「マジカル・ガール」の父親も、うまく儲け話を回せているつもりがいつのまにか止めようにも止まらない運命の轍にはまってしまっている、その運命に逆らえない感とかスペイン語とか「マジカルガール」の娼婦斡旋(?)しているっぽい女性の邸宅が「悪の法則」のハビエルバルデムの邸宅とか、私的には似てるところがたくさんに感じました。と、「悪の法則」のこと書いていたら、ずっと見たいと思って見れてない「悪の法則」ディレクターズカット版がまた見たくなってきました。
「マジカルガール」のラスト近く、バルバラ関連のアレコレで長い懲役食らっていたおじいちゃん・ダミアンが、魔法少女に憧れる娘の父親ルイスから「ルイスはバルバラを襲ったんではなく、ルイスとの浮気をネタに強請っていただけ」という真相を知らされて、当初はルイスを殺す気がなかったのに、突然気がかわって殺してしまったのがちょっと謎でした。ルイスを殺したのは、バルバラを守るためだったというよりは、「バルバラに嘘をつかれた」怒りと「こんなおっさんがバルバラを抱いた」という嫉妬だったように感じました。こうやって、色々解釈の余地があるのもこの映画の面白いところ。しかし、ダミアンもルイスも2人とも街歩きに半ズボン履いたな~。スペイン人のおじさんの半ズボン姿はなんかかわいくて似合うな~って思いました。

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