2014年10月18日土曜日

猿の惑星:新世紀(ライジング)(131分)

監督:マット・リーブス
原題:Dawn of the Planet of the Apes
猿がする猿真似の哀しさ

2011年のマイシネマランキングを見返すと、前作の「猿の惑星:創世記」を6位にしていました。前作は、愛のある人間の家庭で育てられたシーザーが、猿として生きることを選ぶまでの胸が苦しくなるストーリーに無駄がなく、ウィルスが世界中にばらまかれることが予見されるエンドロールのゾクゾクっとくる終り方が好きでした。前作がオリジナルの「猿の惑星」よりも好きなせいもあって、今回はアレ以上面白いものが見れる気がしなくて、見るか見ないかとても迷っていました。しかし、ムービーウォッチメンで当たったので鑑賞しました。正直、前作ほど面白くはないけど、シーザーがイケメンすぎるし、コバがせつないので見てよかったです。まだ、この後、人間と猿との全面戦争としてあと1本は作られそうですね。
今回はストーリー的な立ち位置がブリッジ的なところのせいもあるけど、ちょっとものたりない部分が気になりました。まず、シーザーがいきなり子持ちになっていたのが不満これは個人的な希望ですが、シーザーが恋に落ちるところとか見たかったよ。。。家族愛的な描写はあったけど、私は色恋シーザーが見たかったです。そして、かしこい猿はどういうセックスをするのかもみたかった。
あと、コバが前半は人間に虐げられてきたこととシーザーを慕い教えに従うことの間のゆらぎがあってそれが胸にぎゅっときてよかったのに、後半銃を持ってからはバンバンイケイケになっちゃったのが不満でした。自分の古傷を指し”Human’s work!”と叫ぶとことか、シーザーの息子ブルーアイズに「シーザーは人間への愛で目が曇っている。お前が守れ。」と伝えるとことかよかったんですけどね。
コバが人間に見つかった対処法として「猿真似」をするというのがなんとも賢くて哀しくてよかった。やっぱ、人間って自分より愚かな者に対しては安心して気を許してしまう。それを知っているコバの「猿真似」がなんとも哀しい。