監督:石川淳一
上映時間:120分
パンフレット:720円(★★★★☆各ストーリーが漫画風に写真解説されてて分かりやすい。製作者インタビューを犯人探しのような目で読んでしまう)
上映時間:120分
パンフレット:720円(★★★★☆各ストーリーが漫画風に写真解説されてて分かりやすい。製作者インタビューを犯人探しのような目で読んでしまう)
SEX依存症なら、ちゃんと避妊しよう
ポスター・宣伝・製作スタッフ情報を見て、「この映画はヤバそうだ(悪い意味で)」という予感はあったのですが、ムービーウォッチメンの課題映画になったので泣く泣く鑑賞。残念ながら、予想通りのつまらなさで「ジュピター」に続きやっぱり悪い予感がする映画はたいていつまらないんだなぁって再確認してしまった。宇多丸さんが1万円払って回避したウッディ・アレン監督「マジック・イン・ムーンライト」見てないけど、そっちのが絶対面白かったろうなぁ。1万円もったいないし、つまんないし、なんかすげー世の不条理を感じました。
古沢良太のオリジナル脚本がこの映画の売りのようでして、その「エイプリルフールの日に様々な嘘を元に起こる群像劇」というアイデアはたしかに面白いと思います。ですが、個々の話が多少重なるという描かれ方はしてたんですが、1つ1つの話が最後にひとつの大きな話に帰結していくというダイナミズムがなくて群像コメディとしては残念でした。
あと、同脚本作品「キサラギ」でも感じた悪いところをこの作品でも感じて、古沢良太脚本作品ってそういう手癖の悪さがあるんだなって思いました。その手癖の悪さは、おおきく2つあって、1つは後出しジャンケン的伏線回収。そして、もう1つが温かい視線なしで無神経にマイノリティを笑いにするところです。
今回の後出しジャンケン的伏線回収は、寺島進が持っていた拳銃が戸田恵梨香の手に渡っていたというもの。終盤に回想シーンが挿入され、寺島進・戸田恵梨香の2人が同じラーメン屋で食事をしており、たまたま同じカバンだったため、カバンが第三者の手で意図的に入れ替えられたということが判明するんのですが、その回想シーンが挿入されるまでは戸田恵梨香が普通に拳銃持ってたのかのように見えて、そのネタばらしを見ても、「この脚本うまい!」とは感じられず、「そんなこと知らねーよ、ズルいよ」という感じでしらけます。
あと、温かい視線なしで無神経にマイノリティを笑いにする箇所は、対人恐怖症・SEX依存症・ゲイ・SEXワーカーの女性など、、、「きっとこうなんでしょうね~」っていう軽い感じで作中に取り入れ、「普通の人は笑ってくださいね~」って感じで描いてるのがムカムカします。私はアイドルオタクなので、「キサラギ」時のオタク描写もムカついたんですが、この人アイドルオタクだけじゃなくてどのマイノリティも記号的な認識しかしてないんだなと感じました。
唯一よかったところは、戸田恵梨香の出産シーンが彼女の演技力で真に迫ってみえたところ。あんまり認識なかったんですが、戸田恵梨香って演技うまいんですねぇ。あ、あと奈々緒の「うそピョーン」には、クールな外見とのギャップと手足の長さからくるダイナミックさがあってよかったです。壁紙にしたくなる絵柄。