2012年3月6日火曜日

ポエトリー アグネスの詩(139分)

原題:Poetry 監督:イ・チャンドン
イ・チャンドン監督の作品は、「シークレット・サンシャイン」しか見たことがなく今回2本目でした。
正直、ちょっと難しくて消化し切れていないです。
でも、「シークレット・サンシャイン」もずっしりきて、だんだん効いてくる感じだったので、今回も日々の生活の中でこの映画のことをきっと思い出すんだろうなと感じました。


よく分からなかったところを書いておきます。
まず、「アルツハイマー」で言葉を失っていく運命のミジャが、詩を見つけることにどうしてあそこまで固執するのが、あんまり腑に落ちなかったです。
あと、一度断った会長との性交渉に突然応じたのは、ミジャの気持ちを理解するためだったのか。それとも、お金狙いだったのか。
そして、ラスト近く、お金を払ったのに警察が来たのは、ミジャが告発したのかな?それとも、他のさしがね?
アグネスの歌の後、やっぱりミジャは自殺してしまったのかなぁ。
こういう疑問点が、映画から離れた後に解けていくんじゃないかという気がしています。もしかすると、この先ずっと年老いてからほどけるのかもしれません。

主人公のミジャの、貧乏だけどお洒落を楽しんでる様子が本当にかわいかった。
そして、あらがえない出来事が起きても、そのかわいらしさが消えないところがなんか哀しかったです。
昔一緒に住んでいた おばちゃんのことを思い出しました。おばちゃんも花柄の好きなおしゃべり好きのかわいらしい人だったなぁ。

2012年3月5日月曜日

ヤング≒アダルト(94分)

原題:Young Adult 監督:ジェイソン・ライトマン

「ものすごい共感して、つらくなるかも…」と若干不安に思っていたのですが、無問題でした。
主人公:メイビスのように「一番輝いていた戻りたい時代」が、私あんまり思いあたらず。。。
「あのころの男をとりもどして、あの時代を取り戻したい!」とか、とりあえずここ数年そういうマインドになったことないなあと改めて自分を振り返ってしまいました。まぁ、もしかして元カレが赤ん坊写真付年賀状とか送りつけてきたら、急に変なスイッチがはいるおそれはありますが・・・

と、主人公:メイビスにはあまり感情移入できなかったのですが、物語ラストに共感出来る人物が急にあらわれました!それは、マットの妹サンドラです。
落ち込んだメイビスに、「時々、あなたのことを職場で思い浮かべるの」「この街の人間は無よ」「あなただから出来るのよ」と惜しみない賞賛をささげ、なぐさめる。そして、最後に「私もリトル・アップルに連れてって!」ってお願いしたら、残酷な宣告が降ってくる。
あれだけ住んでる街を自らdisった後「あなたは、ココにいなきゃ」と返されるのは、本当にひどすぎる。今より少し若い頃、「自分がいる場所がなんか納得出来ない感」ってちょっとあったんですが、そのマインドはきっぱり捨てたほうがいいなと思いました。だって、なんやかんやいって、ココにいなきゃなんないですし。。。

一番好きなのは、クライマックスの1人空回り修羅場。気まずさでヒリヒリきて、最高!
「本当は、私だってアナタになれたのよ!」と言っちゃいけないこと、どんどん言っちゃって。でも、その結果周りから怒りをかうのではなく同情・哀れみを込めた絶句を受けるメイビス。自分がキレた時にあんな反応されたら、その場で切腹ですよ!あのタイミングでドラムをたたきながら出てくる元カレの間の悪さもよかったです。
あと、「コーラ」ではじまる朝のシーンが好きです。2日酔いにコーラって効くのかな???

2012年3月3日土曜日

戦火の馬(147分)


原題:WAR HORSE/監督:スティーヴン・スピルバーグ


お友達に誘っていただいて、試写会にて鑑賞。

物語始め、駄目親父がサラブレットを無理して飼う理由が腑に落ちなくて、話につっかかってしまったのですが、戦争という時代の中で馬の所有者がどんどんうつりかわっていき(合計6人)、最初の理由がどうでもよくなりました。
でも、家族が困窮しているのに「コレ、かっこイイネ!」っていう理由で、衝動買いしちゃう親父は駄目過ぎるよね。そんな親父は射殺したいです、私。

馬に関する美しいシーンが満載です。
特に、大砲が瞬く暗闇をかけるシーンは、その美しさに息を飲みました。
しかし、第一世界大戦ぐらいの時代でも馬に乗って刀で奇襲かけたりしてたんですね。
映画序盤、時代表示がなかったので、戦争の姿に随分昔の話かと勘違いしてしまいました。
案の定、馬と刀の奇襲作戦はすぐ失敗してしまってたけど・・・

「馬が好きな人に悪い人はいない」という言葉を聞いたことがありますが、たしかにこの映画の馬好きも悪い人はいなかった。(駄目な親父はいたけど)
「美しく・強い馬」に、さまざまな人々が色んな意味を見出す姿に、やっぱり圧倒的な存在感ってそれだけで意味があるんだなと思い知りました。 

あと、試写会小噺を。。。
おそろしく笑いの沸点が低いおばさまが近くにおり、「どっちかっていうと感動寄り」のエピソードでもめっちゃ笑ってた。
やっぱり、笑い声って適切なタイミングできこえることが重要なんだなと気付きました。
笑い声に感情がつられて、なんかエピソードが理解しずらかったです。(心理学的気付き)

2012年2月26日日曜日

NINIFUNI(42分)

監督: 真利子哲也

「ももいろクローバー」がスクリーンでどう料理されるのか興味があってみてきました。

映画本体としては、「うーん」って感じでした。
前半は、とにかく国道脇を歩く男の後姿を追う映像ばかりで。
強盗犯の空しい逃走を追う絵なのでしょうが、、、しつこく同じ展開を繰り返すのがあまり好きになれませんでした。
で、後半で、ももいろクローバーが本人役でてくるわけですが、「まぁそういう対比で使いたいんだろうな」っていう予想通りの使われ方で驚きがあまりありませんでした。
つい最近、地方を描いた傑作「サウダーヂ」を見たばかりだったせいもあるのでしょうが、全体的にかなり物足りなかったです。


で、映画とは離れてももいろクローバーの話を。
この映画では「ピンキージョーンズ」と「ミライボール」の間の「ももいろクローバー」の未公開映像が見れるのですが、それを見て「やっぱり、早見あかりがいるももいろクローバーはいい!」と思ってしまいました。
大きい画面で「行くぜっ!怪盗少女」の早見あかりパート「狙った獲物は逃がさない そう神出鬼没の大泥棒」を見て、低音ボイスとなんともいえぬ異物感にあらためてゾクッときました。
ももいろクローバーZは現在でも他と比べ多様性に富むアイドルと思うのですが、早見あかりの存在で多様性が広がるとともに「これ、みていいのかな?」というドキドキ感をこちらに与えてくれていたなぁと思い出しました。
ちなみに、この映画のタイトル:NINIFUNI(ににふに)とは、2つであって2つではないことを意味する仏教の言葉。
脱退した早見あかりとももいろクローバーZも2つであって2つではない存在といえるかもしれません。

あ、映画館で、高城れにサイン入りパンフ争奪じゃんけん大会があったのですが、スタッフの方が「たかしろさん」と誤って発音していたのを見て、「ももいろクローバーZもまだまだとのびしろあるな!」と感じました。(ちなみに私はジャンケン1回戦で敗退)

2012年2月24日金曜日

サウダーヂ(167分)

監督:富田克也

ようやく「サウダーヂ」見れました!
TBSラジオ・ウィークエンドシャッフル内の名物コーナー「シネマハスラー」の課題作品中心に映画を見ている私にとっては、パーソナリティのライムスター:宇多丸さんが2011年ベスト1にあげたこの映画をみられなかったことは大変悔しいことでして・・・
いや、まず2012年2月にようやくシネマハスラーのランキングをコンプリート出来たことに感動しました。

で、映画本体ですが、ものすごい熱量にビックリしました。
ずいぶん昔に読んだので、ざっくりとした印象なのですが、村上龍「イン・ザ・ミソ・スープ」が思い浮かびました。その地方版といいますか、、、「納豆食って、日本人の心になれ!」とか食ワードに余計そう感じたのかもしれません。つうか、食の扱い方もよかったなぁ、この映画。田我流くんが帰宅してすぐ食べる、パンにマヨネーズつけただけの謎の料理があの部屋とあいまって荒んだ生活の説得力がものすごかったです。
知らないキャストばかりでありながら、「こんなヤツ、イルイル」感の説得力がはんぱなかったです。エステティシャンの嫁とかLOVE&PIECEのまひろとか、あと田我流くんの完璧すぎるヘッズとしての佇まいがしびれます。「政治家が一番のギャングスターじゃねーか!」とハーコーラップ決めるとことか、どこかで見たことある気ような既視感を感じました。ひとりひとりが極端な行動をとっても、このキャストの説得力で「ある・ある」と納得させられてしまいます。

各自が自分の幸せや解決をココではないどこか<サウダーヂ>に求めてしまう救いのない姿に、絶望を感じながらもなぜかエンターテイメントとして笑えてくるところもすごい。
彼らが土木業で仕事をしている姿が、とてもイキイキとしていて楽しそうで好きでした。
この作品では「仕事をすること」が幸せや解決への筋道ではなかったのですが、やっぱりどうしようもない時はとりあえず仕事しようかなと勝手に思ってしまいました。

2012年2月23日木曜日

ALWAYS 三丁目の夕日’64(144分)

監督:山崎貴

「ALWAYS 3丁目の夕日」は映画も漫画も見たことなく、今回初めての鑑賞。2D版で見ました。

まぁ、良くも悪くも特に刺さらないわりとどうでもいい映画。
映画の舞台の1964年って、まだ自分が産まれる前なのですが現代と地続き感強くて、いい塩梅のノスタルジィがうまれにくいように感じました。ノスタルジィの旨味こそ、この映画の醍醐味な気がするのでこれはちょっと時代設定がもったいなかったように思います。

話自体は、主要メンバーにどうにも感情移入しにくくて、、、
まず主人公の吉岡秀隆がイヤな奴過ぎる。仕事が上手くいかないことにくさくさくさくさして、義理の息子に「オレなんか、ヒモだぞ!」とか内面ぶちまけて。あんな義父に「東大行って、大企業に勤めろ!」とか言われたくないよ。「あんな家、出ていって正解!」と思ってしまいました。
あと、その嫁・小雪のミスキャストっぷりがいただけない。なんか、すげー大きくて怖くて、内助の功的な雰囲気を感じにくい。余計なお世話だけど、小雪さんがおうちにいる松山ケンイチはちゃんと落ち着いて暮らせているのかなと変な心配をしてしまいした。
で、今回からのニューキャスト森山未来くんも「実はイイ奴でした」オチが納得いかないイヤなキザっぷりで。観客をミスリードさせるためなんだろうけど、キザネタもスベってるし好きになれなかったです。

中盤の三浦友和の「一言だけ言わせてください!」からはじまる「上を目指すことだけが幸せでしょうか?つか、幸せって何?」話が、「2012年のうちらに言われてもあんまり響かないよ。」としらけました。何かを台詞で言わせてしまうんなら、せめてこの時代に対していう必然性がほしかったです。

あ、よかったのは、鈴木オートの従業員:堀北真希・染谷将太のふたり。なまった演技がなんともかわいくて。
特に、染谷将太くんが、私も参加させてもらっているシネマテーブル(映画の話で集まる名古屋のサークル)の主催者のコにそっくりで。1本ネジの抜けたような純朴な表情の演技に、ニヤニヤしてしまいました。
ヒミズの時も「似てるなぁ」とは思っていましたが、主役だから気になっても特に問題なかったのですが、今回みたいに端役だと気になって画面のわりとどうでもいい場所を見てしまっていることが多々ありまして、、、
知人に似てる人がスクリーンにいると気になりすぎて、そればっかり見てしまって話に集中できなくて危険ですね。

2012年2月15日水曜日

DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る(121分)

監督:高橋栄樹

私は女性アイドルが好きです。
「まじスカ」や「BUBKA」で興味を持ち、関連グループ含め劇場公演・LIVE・握手会等々に何度か参加しているので、AKB自体も結構好きといっていいと思います。
そんな私が、「今回のAKBの映画、イイよ!」と言っても、「どうせ、お前はアイドルヲタだからな!」とあまり取り合ってもらえないでしょうが・・・この映画、本当におもしろいです!
前作の「DOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?」 は、「売れてるグループって、各メンバーにクローズし深みをもたせられるからいいわね」というくらいの感想でしたが、、、
今回の映画は、AKBが嫌いな人でも楽しめる素晴らしい映画だと思います。

「AKB・SKEはアイドルっていうより群像っていうジャンル」というコンバットRECさんの耳から鱗な言葉があるのですが、各メンバーを切り取るという側面が強かった前作と違い、今作では日頃のAKB以上に群像としてのカオスな部分が見れて、それがどうしようもなくおもしろい。

特に、西部ドーム2日目のバックステージの様子が壮絶。舞台裏での様子は、皆わけがわかってやっているとはとてもみえない。そして、過呼吸や熱中症で次々と倒れるメンバー。まるで、臨戦状態の兵隊キャンプのようです。わけもわからず瀕死の状態なのに、みんなどんどん出陣していく。。。
直前までステージ上でも過呼吸状態だった前田敦子が、「フライングゲット」でスポットライトがあたった瞬間、信じられないほど輝く姿はがとても美しくてとても怖い。「ブラックスワン」ナタリーポートマンの「It was perfect 」という台詞が聞こえてきそうでした。
また、前田敦子や大島優子とはまた違う意味でAKBを背負っている高橋みなみの存在の大きさにも気が付かされました。よく聞く「AKB48とは、高橋みなみのことである(秋元康)」という言葉を、今までは「なんのこっちゃい!」と思っていましたが、たしかにこのリーダーならそう言ってもいい。これからは、理想の上司欄に高橋みなみと書こう。

ただ、この映画鑑賞後に「…で、だからAKBって最高でしょ!」とはなりません。いや、そこがまた素晴らしい。
正直、アイドルという「存在」の持つ素晴らしいさをその外部の人にこれ以上に伝える映画は、今までなかったと感じます。
しかし、アイドルとしての「人生」に対する疑問符はより大きくなりました。
主要メンバーの舞台裏でみせる吹っ切れた凛凛しい表情と違い、まだうすぼんやりとした表情のチーム4のリーダーや311で被災した研究生を見ると、彼女達が「夢を追っている」とは思えないのです。正直、「自らに呪いをかけている」という言葉のほうがしっくりきてしまいます。
これは、決してAKBの販促映画ではなく、「彼女たちの人生はこれからどうなっていくんだろう?」そういう疑問をありのままに映し、こちらの地平までも揺るがす映画なのです。
それにしても、AKBは素材をオープン化して、外部の人に料理させるところが素晴らしい。
これからもアイドル発のこういうモノをみたいので、AKBにはもっともっと上へいってほしい!