監督:大林宣彦
このブログにも筋道が必要だね
たまにはちょっとの祈りと願い
今年見た中で、「日本人」の「今」の私達が見るべき映画を選べと言われたら、「DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る」とこの映画をあげさせていただきます!
大林宣彦監督作品は、「ねらわれた学園」「時をかける少女」しかみたことがなく、映画館で鑑賞するのはこの作品がはじめてでした。生きる者からもそして死者からの声もリアルに感じる、ものすごいパワーの作品でビックリしました。クラクラくるドラッグ的な演出とパワーに、彼らがスクリーンから召還されたのかと思いました。色々な声を下手にまとめることなく、混乱・絶望・希望、、、その混沌をそのままに届ける大林監督の力量に驚きました。
2時間40分と長い作品のですが、半分くらいからずっと号泣。物語そのものと画面のパワーにトランス状態になってしまい観終わった後、頭がしびれ顔はカピカピになり、映画館のトイレで周りにかまわず顔をばしゃばしゃ洗ってしまいました。
まず、何と言ってもまず惹きつけられたのは一輪車に乗った少女たち。
上半身まっすぐのまま、スイスイと通り過ぎていくのが、見ていてとても気持ちよかったです。一輪車の理由が分かるにつれその通り過ぎる姿に哀しさも覚え、なんともあらわしようのない気持ちになりました。
「空からココが見えなかったから、爆弾が落とせたんよ。だから、見えないものが見えるように声を出すんよ。」という1歳半の娘をおぶったまま亡くした母親の語り。そういった声が、東日本大震災で被災してきた少年にチカラを沸かせる不思議なつながり。文字であらわすととても陳腐になってしまいますが、映画でしかできないやり方で「今」に背中を押していることにとても感動しました。
うまく書けずもどかしいのですが、色々と通り過ぎてしまっている問題に「声を届けよう」「声を聞こう」という気持ちになり、姿勢を正させられました。作品中の「雑学にも、”祈り”と”願い”が必要だ!」という台詞にならい、私も自分の映画の感想に”祈り”と”願い”を織り込んで書いていきたいなという気持ちになりました。