2016年1月16日土曜日

ストレイト・アウタ・コンプトン

それがしたくなるジャンル映画って、最the高

監督:F・ゲイリー・グレイ
原題:Straight Outta Compton
上映時間:147分
パンフレット:720円(★★★★☆:丸屋九兵衛さんによるNWAに関する20項目とか豆知識が充実してます)

2016年に映画はじめ何にするのか悩んでいたんですが、私もいちおうラッパーのはしくれ(一昨年に京都精華大学でRHYMESTER ヒップホップ講座を受講してから、オリジナルラップのリリックを数個作成)なので、偉大な先輩の映画を見ておこうと思い「ストレイト・アウタ・コンプトン」を一本目に見ました。(正確には家でhuluで見た「40歳の童貞男」が1本目ですが、映画館で見た中ではこれが1本目)私はギャングスタラップを全然聴いたことがないし、一部の日本語ラップしか聴かないという偏ったヒップホップリスナーなんですが、この映画はレコーディングシーンやライブシーンがすごい楽しくてめっちゃアガりました!見ていて、私も猛烈にラップしたくなりました。拳銃持って相手を威嚇しながら、ラップしたいという謎の欲が生まれた。汚い言葉を散弾銃のように撃ち込むのって、悪魔的魅力があるなぁと思いました。
一番好きなのはイージーEがレコーディングブースではじめてラップするシーン。出資者として参加するだけで、ラップをする気がなかったイージーEが、ラップする予定のアーティストが駄目になってしまい「じゃあ、お前がやれ!」的な展開になって、嫌々ラップをやらされる。みんなに「下手くそ!」って笑われたのに怒り、ドレー以外をブースから出して1対1でラップし、だんだんとサマになっていく様子が、ラップそのものが持つその人のモノになる魅力が出ていて楽しかった!ラップって、もちろん上手い下手もあるけどその人の個性がめっちゃ出るからすごい面白いんだよな~って、自分が受けた講座のことを思い出しました。
終盤、イージーEの病気が発覚してからは、めっちゃ号泣メーンしました。再結成する望みを叶えることが出来ず、この世を去ったイージーE。その叶わなかった夢が、こうやって映画化されたことで形を変えて叶えられたように感じて、エンドロールではさらに号泣メーンでした。そして「何かを再結成させる」という謎の欲求が私の中に産まれました。(再結成のためには、まず何かを結成して解散させなければいけないというハードルの高さに気が付きました)

2016年1月1日金曜日

くららがたったに関するお知らせ

ここで、私 くららがたった から大切なお知らせがあります。
私、くららがたったは、2010年から2015年にかけて6年間継続してきた、ウィークエンドシャッフル内コーナー「シネマハスラー」「ムービーウォッチメン」の課題映画鑑賞&投稿を卒業することにしました。(すみません、調子にのって、アイドルの卒業発表風に書いてみました)

仕事が忙しくなってきたことや、プライベートでも避けていたカテゴリーのことでやらなきゃいけない雰囲気のことが出てきて、映画鑑賞と感想を書くのに週4~5時間かける時間的&心理的余裕が2015年下半期くらいからなくなってきました。あと、加齢による集中力と体力の低下といった等々が投稿を辞める理由です。別に個人が趣味でやっていることを誰かに辞める理由を説明することもないと思うのですが、個人的には6年続けてきた大きな事柄ことなので、いままでの感想とかも含めてこれを機に書いておきたいと思います。

投稿を始まる前までは年間映画館で5本くらいしか映画をみていなかった私ですが、番組投稿を機に映画を年間60~80本くらい見るようになり、映画が好きになりました。また、見ていくうちに「良い映画」「好みの映画」「苦手な映画」「嫌いな映画」が出てきて、それを通じて自分が見えてくるのも面白かったです。

ウィークエンドシャッフル内で宇多丸さんや番組スタッフの方が年末にシネマランキングを発表しあうのを聞いて、その楽しそうな様子に影響され、私は映画鑑賞と投稿をはじめました。
なので、毎年年末のランキング発表が何より楽しみでした。自分の作ったランキングを人に話しすのも楽しいし、その逆で人のを聞くのもすごく楽しいです。
ウィークエンドシャッフル内ではベスト10とワースト1しか発表しなくなってしまいましたが、個人的には全部ランキング化することで「好きでも嫌いでも、面白くもつまらなくもない自分にとってどうでもいい」というカテゴリーが見えてくることも興味深かったです。2015年のランキングだと41~59位くらいの作品。ランキングを作ることで自分が見えてくるというのが面白かったです。(鑑賞映画100本超えてくると並べるのも一苦労だと思うんですが、50本くらいの方には是非オススメです)

映画鑑賞&投稿は、つまらない映画が続いて本当に続けるのがつらい時もありました(特にシネマハスラー時代)。つまらなくはないけど感想が特に思いつかなくて困ったこともあります(今年だと「ゼロの未来」とか)。はやぶさ3部作とか複数作品の時とかもしんどかったですし、名古屋で公開されてなくて唯一その年見れてなかった「サウダージ」が宇多丸さんの年間ベストになった時は虚しかったりもしました。投稿は読まれることはめったにないことなので、読まれた時はすごいうれしかったな~。

投稿2年目からはブログにも感想をあげるようになり、直近2年はブログも月間アクセス5,000くらいいただくようになりました。声をかけてもらえるのは稀でしたが、友達やSNSで「ブログ読んでるよ!」と言ってもらったり、「面白かったね!」とほめてもらえるのが、とてもうれしかったです。読んでいただいた方々、ありがとうございました。
ラジオ投稿はやめますが、映画はこれからもゆるやかに見ていこうと思います。たまにはブログに感想を書いたりしようと思います。更新頻度は減ると思いますが、また気が向いたときにブログをのぞいていただけるとうれしいです。それでは、今年もよろしくお願いします!

くららがたったのシネマランキング(2015年)

あけましておめでとうございます!
いつもは年末に更新しているシネマランキングですが、2015年は年末急に仕事が忙しくなって心の余裕がなくやれないまま年が明けてしまったので、お正月を利用してランキングをあげます。

2015年はライムスター宇多丸ウィークエンドシャッフル内で扱われた課題作品51本プラス15本で合計66本見ました。

ベスト5は「シェフ 三ツ星フードトラック始めました 」ベスト4は「グリーンインフェルノ」です。私は料理がすごい苦手なんですが、この2本は料理を作るシーンがとても楽しそうで、私ももっと料理できるようになりたいなって思いました。
「シェフ 三ツ星フードトラック始めました 」では、料理上手ならスカーレットヨハンソン級の上玉とアレコレ出来るという夢が広がりました。
あと、「グリーンインフェルノ」は、大好きだけど映画館で見たことなかったイーライロス監督作品をついに映画館で見ることができた喜びがありました。ただ、自分は食人族が人を食べるのは文化の違いから来ていて彼らにとっては善でも悪でもないという感じよりも「ホステル」的な「ただ人を殺してみたい」という欲望のために人が殺される映画のほうが好きです。そういう、自分の映画的嗜好に気が付くことができました。(あくまで、映画的嗜好です。念のため)食人族が人を調理するシーンは骨まで無駄にしない仕事っぷりで感心しました。

ベスト3は「ヴィジット」。ホラー映画としても家族の成長ものとしても優れているし、笑いのセンスがすばらしい。私はラップを少々たしなんでいることもあり、T・ダイヤモンドくんの試練を乗り越えたラップに胸がうたれました。あと思い返すと、少年少女が老人を惨殺してもハッピーエンドにみえるのは、シャマランのオリジナル脚本がとてつもなく上手いからだとあらためて感心。「どーせ、大どんでん返し芸の監督でしょ!」とか舐めてて、まじサーセンと反省しました。

ベスト2は「マッドマックス 怒りのデス・ロード 」。美術がすごければ、説明なんてなくてもいろんなことがぐいぐい理解出来るということに感動しました。そして、べつに高尚な読み込みをしなくても、ものすごく楽しいというのも素晴らしかった。あと、公開最速上映IMAXで鑑賞したんですが、これはけっこう自慢できる映画体験になりました。季節はずれに革ジャンで決めた映画ファンがたくさんいた!この作品は2回映画館で鑑賞したんですが、2回目「なんで、イモータンジョーはあんなに子産み女たちに嫌われてるんだろ?」という疑問が生まれました。いちおう私の仮設では、全員同じ部屋に住まわせて女同士を仲良くさせたことが原因なんじゃないかなと思いました。女同士別室にして競わせれば、あんな革命はなかったのではないかな?

ベスト1は「ワイルドスピード SKY MISSION 」。車でスカイダイビングをしたり、ドバイの高層ビルを突き破ったり、どこまでもしつこくジェイソン・ステイサムがおいかけてきたり、頭を空っぽにして楽しみました。あまりに頭が空っぽになり、ポールウォーカーが実世界で不幸な事故のため死んだこともすっかり忘れてしまいました。が、最後ヴィンデーゼルをポールウォーカーが「さよならも言わずにいくのか」と追いかけ車で並走し、そして別々の道に分かれていくシーン、ワイルドスピードの世界の中ではポールウォーカーは住む世界がかわっただけで生き続けていると信じさせてくれるエンディングに大号泣でした。それまで、「ワイルドスピード」シリーズは直近2作品しか見てなかったんですが、ちゃんとした葬儀の参列権を得た上で映画を見たいと思い、GWに全シリーズ見てから、もう一度劇場に足を運びました。そしたら、ワイルドスピードシリーズの省略とつなぎのうまさにも気付けました。ワイルドスピードシリーズって、踊らさせ過ぎるため舐められがちだけど超上手いDJみたいだなって思いました。

ワースト1は「エイプリルフールズ」。色々ひどい作品ですが、セックス依存性役の松坂桃李がセックス依存症なのに避妊しないで戸田恵梨香をワンナイトラブで妊娠させるという設定に、「セックス依存症ならいろんな意味でコンドームつけなアカン!」って思いました。望まぬ妊娠もそうだけど、性感染症予防も大事ダゾ☆

くららがたったのシネマランキング(2015年)

1 . ワイルドスピード SKY MISSION
2 . マッドマックス 怒りのデス・ロード
3 . ヴィジット
4 . グリーンインフェルノ
5 . シェフ 三ツ星フードトラック始めました
6 . 薄氷の殺人
7 . セッション
8 . 百円の恋
9 . フレンチアルプスで起きたこと
10 . ナイトクローラー
11 . フォックス・キャッチャー
12 . 海にかかる霧
13 . インサイド・ヘッド
14 . ラン・オールナイト
15 . キングスマン
16 . ベイマックス
17 . ガールズ&パンツァー 劇場版
18 . 海街diary
19 . 駆込み女と駆出し男
20 . We Are Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT
21 . バクマン。
22 . 毛皮のヴィーナス
23 . ジョン・ウィック
24 . バードマン
25 . トゥモローランド
26 . ジュラシック・ワールド
27 . アントマン
28 . ミッション:インポッシブル/ローグ・ネイション
29 . アメリカン・スナイパー
30 . 恋人たち
31 . 007 スペクター
32 . ビッグ・アイズ
33 . 野火
34 . アドバンスト・スタイル そのファッションが、人生
35 . スターウォーズ/フォースの覚醒
36 . きみはいい子
37 . 心が叫びたがってるんだ。
38 . 龍三と七人の子分たち
39 . さらば 愛の言葉よ
40 . 私の恋活ダイアリー
41 . アベンジャーズ/エイジ・オブ・ウルトロン
42 . ミュータント・タートルズ
43 . ワイルド・スタイル
44 . 激戦 ハート・オブ・ファイト
45 . 幕が上がる
46 . ゼロの未来
47 . カリフォルニア・ダウン
48 . 進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド
49 . 進撃の巨人 ATTACK ON TITAN
50 . あっちゃん
51 . すいっちん バイブ新生期
52 . アイドルの涙 DOCUMENTARY of SKE48
53.インヒアレント・ヴァイス
54 . 劇場版ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士
55 . 劇場版 プロレスキャノン ボール2014
56 . ANNIE/アニー
57 . 味園ユニバース
58 . 予告犯
59 . ラスト・ナイツ
60 . バケモノの子
61 . チョコリエッタ
62 . 劇場版 BiSキャノンボール 2014
63 . 96時間 レクイエム
64 . ターミネーター:新起動/ジェニシス
65 . ジュピター
66 . エイプリルフールズ

2015年12月25日金曜日

リトルプリンス 星の王子さまと私

オトナになるって難しい!!!

監督:マーク・オズボーン
原題:The Little Prince
上映時間:107分
パンフレット:720円(★★★☆☆:2ページの漫画で「星の王子さま」の内容が解説されていて分かりやすい。マーク・オズボーンに「星の王子さま」を送った彼女が”今の嫁”であるという良いエピソード付き。)

2週間程前に光文社古典新約文庫版で野崎歓訳の「ちいさな王子」を読んだばっかりだったので、タイミリーなタイミングで映画を見ました。この映画は2種類のアニメショーンの表現方法で描かれていたのですが、ストップモーション・アニメーションで表現した原作小説のイメージは、あたたかみとせつなさがあり原作そのままの印象があってとてもよかったです。女の子と老夫婦が住む”現実の世界”をCGアニメーションという別表現を使ったのも世界の違いが分かりやすかったですし、原作小説の世界との切り替えの違和感もなかったです。
表現方法について文句はないのですが、ストーリーにおいて大人になった星の王子様が出てくるというのが個人的には好きではなかったです。自分的には原作小説の中で王子は砂漠で蛇にかまれ、「死」と取れる形で「星への帰還」を果たしたこと哀しいハッピーエンドがこの物語をいつまでも心に残るものにしている一因でもあると感じており、この映画で大人になってすべて忘れてしまった王子が出てくることが原作の良さを損なっていて気持ち悪く感じました。「王子の言うことなんて子供だから言えることなんだ」という大人の諦めに似た感想が、実際に大人になった王子が仕事の出来ない掃除夫になったのを見てると「ほんとうに大切なものは目に見えないとか言ってる場合じゃないじゃん」という気にさえなってきてしまいます。普及の名作の続編を作るというのは、かなり志の高いチャレンジだとは思うんですが、いろいろ配慮してやってもやっぱり難しいんだなぁと感じました。
あと、女の子がトランクを持って飛行士のところにおしかけるシーンを見て、「恋人たち」で光石研をトランクを持っておしかけた成嶋瞳子を思い出しました。おしかけた後に男の言動で興ざめして家に戻るところまで一緒!女がトランク持って男の元におしかけたら、興ざめさせて帰させるのが映画のセオリーなのかもしれませんね。しかし、思い返すと光石研が成嶋瞳子の網タイツを脱がしてシャブを打ったシーンは笑えるし哀しいし名シーンだったな。

2015年12月19日土曜日

スター・ウォーズ/フォースの覚醒


「あんた誰?」と思った時、「お前誰だよ!」と思われてる

監督:J・J・エイブラムス
原題:Star Wars: The Force Awakens
上映時間:136分
パンフレット:1,000円(★★★★☆:ノーマル版。およそ14ページにわたり写真付きで映画のあらすじが書いてあり、内容を振り返りやすい。旧シリーズのあらすじと当時の観客の反応も書いてあってためになる)

スターウォーズに関しては、3年前に3D化して再上映された「STAR WARS エピソード1/ファントム・メナス」とジョージ・ルーカス監督とスターウォーズファンを描いた「ピープルVSジョージ・ルーカス」しか見てませんでした。が、ムービーウォッチメンの課題作品になったので公開初日に見てきました。いまさら中途半端に予習するよりも、持ってる知識だけで見たほうがいいかなと思って、ノーガード戦法で鑑賞してきました。最速上映の1時間10分後の19時40分からの2D字幕版で鑑賞したんですが、映画館は満席で外国人の方も多く、お祭りの空気感が味わえて楽しかったです。自分が予習不十分なので楽しみきれませんでしたが、旧シリーズを見たくなる程度には楽しかったです。往年のファンにとっては感涙ものなんだろうなと思いました。上映後には拍手も起きていました。
映画館で一番沸いたのは「Chewie....We're Home.」という台詞とともにハン・ソロ演じるハリソン・フォードが登場するシーン。感嘆をもらすだけでなく、拍手するお客さんもいました。エピソード6の30年後の世界を描いている今作では、ハリソン・フォードのように旧シリーズのキャストがそのまま続投されていて、その登場シーンにお客さんが「おぉ!」ってなってたんですが、私はエピソード4~6は全く見ていないので「おばあちゃん?」「おじいちゃん?」「あんた誰?」という言葉が頭をよぎりました。(つーか、私、途中までハリソン・フォードのことルーク・スカイウォーカーだと勘違いしてました)しかし、スターウォーズの世界にとっては、私こそ「お前こそ誰だよ!」っていう感じなんだろうな。結婚して初めて相手家族の親戚の集まりに行った時とか、こういう気分になるんだろうな。相手に覚えがない時には自分が知られていないと思ったほうがいいなと謎の反省をしました。
ヒロインのレイは無名の人からキャスティングしたということですが、勇敢さと繊細さを兼ね備えた面持ちでよくもこんなイイコを探せるもんだな~とプロのお仕事に関心しました。フィンに手を握られて本気で嫌がってたレイが、だんだんと彼に心を許していくのが、ベタな演出だけど見てて楽しかったです。フィンは殺すのが嫌でストームトルーパーを脱走したのかと思いきや、脱走後は元仲間のストームトルーパーをがんがん殺すところが「そこに葛藤はないのか!」とちょっとつっこみたくなりました。あと、BB-8の丸だけで構成されるフォルムがめっちゃかわいかった。人間的なわけではないのに、あたたかみがあるロボットデザインが魅力的だな~と思いました。

2015年12月11日金曜日

007 スペクター

当惑のおもてなし

監督:サム・メンデス
原題:Spectre
上映時間:148分
パンフレット:720円(★★★☆☆:ダニエル・クレイグ版ジェームズ・ボンドや歴代スペクターの説明が掲載されていてためになります)

007シリーズは、前作「スカイフォール」を含めて合計2本しか見たことがなく、今回が3本目でした。冒頭のメキシコの「死者の日」のフェスティバルをバックにしたアクションからローマ・オーストラリア・モロッコ、そして彼のお膝元イギリスへとトムフォードを身にまとい世界を股にかけて活躍するジェームズ・ボンド。上唇は薄いのに下唇は厚いダニエル・グレイグの色気を感じつつ、楽しんで鑑賞することができました。でも、前作「スカイフォール」のほうが格段に面白かったな。「老い」と「死」を描いていた点において「スカイフォール」は特別に好きでした。今回の「スペクター」は、クリストフ・ヴァルツにはとどめをささず娘くらいの年に見えるレア・セドゥと手をつないで去るエンディングに、「若さ」とか「生」に惹かれるボンドを見た感じがします。
今回の映画で好きなシーンは、ローマでボンドが潜入したスペクターの集会の場面。椅子に座ってさまざまな決議を通していく幹部メンバーたちを2階から見守る構成員たち。目線の動きで「彼」が来たことが分かる感じとその「彼」がそのシーンでは後光で誰かが分からない気持ち悪さがデビィット・リンチみたいで好きでした。その後、死者の後釜選びのために、デイヴ・バウティスタが突然別ン後釜候補の目潰しするのもリンチっぽさを感じました。
あと、モロッコのスペクターの本拠地で、ボンドとマドレーヌが通された隔離された部屋に隕石が飾ってあり、それを見て2人がどう反応したらいいかわからず「感心しろってこと???」とこぼしたところが、あとからじわじわくる面白さだった。こういう、どう反応したらいいかわからないおもてなしってありますよね~

2015年12月4日金曜日

ガールズ&パンツァー 劇場版


戦車で自宅を破壊される幸福

監督:水島努
上映時間:119分
パンフレット:864円★★★★☆(登場する戦車や学校や登場人物の紹介がしっかり乗っていて、とても初見では消化しきれない情報量の多さ)

「ガールズ&パンツァー」、ムービーウォッチメンで課題映画に選ばれるまでは、作品の名前も知りませんでした。リスナー推薦の「和製マッド・マックス」という煽り文句とポスターイメージからなんとなく「「エンジェル・ウォーズ」みたいな話なのかな?」と思ってましたが、女子だけで戦うという意味では「エンジェル・ウォーズ」と似ていましたが、「エンジェル・ウォーズ」よりはもっと健康的に明るく狂ってる作品でした。女子高生たちが乗り込む戦車での人の死なない戦車による武道。とても明るい世界観で戦車という世界を楽しむことが出来るこの作品は、個人的にはとても新鮮で「日本のアニメ、やべぇ!」ってなりました。
冒頭3分間作品の簡単な紹介で「戦車道」に関する知識はある程度理解出来たのですが、テレビシリーズを一切みていないので、各登場人物のキャラクターや物語性はまったく分かりませんでした。でも、戦車道の世界がきっちり完成されているせいか、すごい楽しんで見ることができました。このよく分からないけど楽しいっていうのが、今年1月にチケットが余ったため急遽ハロプロのコンサートを連番することになった友達がライブが終わった後、メンバーの顔も名前も分からないのに「楽しい!最高!楽しい!最高!」ってその世界に圧倒されて一瞬のうちにファンになっていたことを思い出しました。この友人はこの感動を残すために、ブログ(激ヤバ鬼マスト帳)を開設までしてくれました。この「ガールズ&パンツァー」で、未知の世界に圧倒されるのってある種快感だなぁと再確認できました。
作中の戦車道、戦い始めは森林や野原みたいな所を中心に行われるんですが、後半になると街に繰り出して市街戦になっていくのが新鮮な絵で興奮しました。しかも、街を壊さないように戦うのではなく、バンバン破壊する景気のよさ!戦闘をライブビューイング的に観戦しているおじいちゃんが、自分の経営している旅館が破壊されて「やったーーー!」と喜んでいる様を見て、「あ~、楽しそうな世界!」って幸せな気持ちになりました。他のおじいちゃんたちも「お前ばっかり、せこい!」とすごいうらやましそうにしてたのもよかったです。