2012年10月1日月曜日

最強のふたり(113分)

原題:Intouchables
監督:エリック・トレダノ/オリビエ・ナカシュ
ユーモアと金とボクの背をおすキミ
それさえあれば明日も平気


ポスターを見て「身体の調子が悪いおっさんと若造の話なんだろうな」と思っていたのですが、映画をみて初めて「実話をベースにした話」であることを知りました。
実話をベースにしつつ、深刻な問題をかかえる2人をコメディタッチで説教臭くなく描く良作でも、周りのお客さんほどは、なぜかいまいち笑えず。あ、でも、ドリスが「ちょっとだけ、こっちに来て!」ってフィリップの秘書呼んで、お風呂をみせて「お風呂大きいでしょ!一緒にはいろう!」っていうとこはかわいくて笑ったな。あんなかわいい口説かれ方したら、おちるわ。(レズでなければ)
パラグライダーの事故で、首から下が動かなくなったフィリップ。深刻な問題をかかえつつも、人生を物語開始当初から楽しめている様子に、やっぱりお金って大切だなぁと実感。「医療費かかるけど、僕はお金持ちだから問題ない」って台詞は、説得力ありました。あと、「これは健常者用のチョコレートだからあげない」とドリスがブラックジョークをかますのに、フィリップがギョッとしつつも笑っているのにユーモアを持つことの大切さも感じました。自分を客観視して、その状況を少し笑うくらいの余裕とお金があれば大抵のことはなんとかなる!お金とユーモアがあれば、どんな人生の困難もわりと楽しめることを教えられました。

あと、自分が作っている壁をやすやすと打ち破ってくれる相棒って、本当に頼もしいなと思いました。
フィリップが半年間にわたり、愛情たっぷり技巧たっぷりの手紙を送っている文通相手に、ドリスが「電話でもして、とりあえず体重でもきけ!」って、携帯をダイヤルするくだり。ここで、ドリスは何の気なしにフィリップの心の壁を壊してくれます。あと、障害者だと気付かれる写真を送っていなかったことに気づいた後に、ドリスがサプライズデートを仕掛けるところもすごいよかった。本質的な問題だけれども、避けていればプライドが崩れる心配もなく、別に生きてもいける事柄、それに対し背中を押してくれる存在。そんな存在がほしいなと思うととともに、大切な人には私もそういう存在になりたいなと思わせてくれました。