監督:犬童一心/樋口真嗣
公開延期になるほどよく出来ている
原作未読&史実未認識で鑑賞してきました。榮倉奈々とじゃれる野村萬斎を予告編で見た時に「これはつまらなそう」と予感していたのですが、そこまでひどくないものの大掛かりな仕掛けのシーンがあるわりになんだかのっぺりした映画でした。
途中で「お!?」と思うところもあったのですが、基本のんびりした物語の進行に「ふぁ~」となってしまいました。
一番「お!?」と思ったのは、戦開始直後、佐藤浩市に果し合いを申し出た敵方の生首があっけなくふっとんだところ。「こういうキツイシーンをさくっと描くのか!」とその後の展開にも期待したのですが、後半はそういうトーンが影を潜めてしまい残念でした。でも、戦のシーンは、全体的にとても魅力的にできていたと感じました。公開延期の原因となった水責めのシーンも、不謹慎ながら「あ、あれ311でみた光景。。。」と感じ、ある意味よく描写できていたからこその公開延期だったのだなと納得出来ました。
物語にのれなかった理由ですが、野村萬斎演じる成田長親のうつけぶりが笑えなかったことが一番大きかったかなと思います。野村萬斎自身が醸し出している「こいつには、何か尊大なモノがある」という匂いがぷんぷんしてきて、田んぼで転んだり「ごめーーーん」と謝ったりするところも真顔になって見てしまいました。結果、成田長親がいったいどういう人かつかめなかったし、あまり興味ももてませんでした。実はキレ者(?)なうつけ演出って、難しいんですね。