2012年12月21日金曜日

恋のロンドン狂騒曲(98分)

監督:ウッデイ・アレン
原題:You Will Meet a Tall Dark Stranger

年寄りだからこそ、もがく

ウッディ・アレンは一昨年に「人生万歳!」を見て以来、2本目の鑑賞でした。
「人生は無意味なから騒ぎ」というシュークスピアの言葉にあわせて描かれる現代群像劇をとおして、「人生にもがいて、さらにひどい状態になったりするのって、滑稽で愛おしいよね」とウッディアレンの皮肉を肩の力を抜いて楽しめました。

ただ、正直言うと、この「恋のロンドン狂騒曲」、ちょっと物足りなかったです。というのは、映画の中によくでてくる“マンションの一室でのこぜりあい”のシーンが、今年見たポランスキー監督「おとなのけんか」によく似ていまして。“マンションの一室でのこぜりあい”だけの、「おとなのけんか」のほうが「恋のロンドン狂騒曲」より正直数倍面白かったので、「やっぱ、「おとなのけんか」すげーーー!」と思ってしまいました。
登場人物すべてが様々なから騒ぎをするのですが、特に老夫婦のから騒ぎが面白く哀しかったです。
いきなりアンチエイジングに目覚め、肉体改造に励み、妻と離婚し、若い妻をめとる老人に、加藤茶をかさねるとその哀しさがしみじみと伝わってきました。なんか映画鑑賞後、加藤茶のBLOGに掲載してあった夫婦プリクラ写真のデカ目加藤茶をすごい思い出してしまった。。。
こっそりバイアグラを飲み「あと、5分だけ待って!」と薬の効きを計りながらSEXにおよんだり、若妻に連れられてクラブに行きその場からものすごく浮いたり、若妻が妊娠しても「DNA検査をさせてくれ!」と言ったり・・・無理やり得た若さの代償は想像よりもキツイ!よっぽど、ハートが強くないと強度のアンチエイジングは心が折れるなあと感じました。
離婚をショックにオカルトに走る元妻にも、すげー納得。しんどいことがあっても、「前世」のせいとか「オーラ」のせいにしとけば、とりあえず当面の精神状態は救済される。マジでしんどくなった時は、前世万能かも。
私も前世がマリーアントワネットとでも思いこめば、なにがあってもやり過ごすことが出来る気がします。でも、それだと根本的な解決に全くつながらないし、周りが感じるストレスも絶大なので、これは危険なメソッドですね。