監督:クエンティン・タランティーノ
原題:Django Unchained
握手したくない時、どうしてる?
タランティーノ×西部劇ということでものすごい偏ったバランスの映画かと想像していたら、バランスのいいよく出来ている面白い映画でビックリしました。なんか、私、タラちゃんのこと誤解していたみたい。3時間近くある上映時間がまったく苦になりませんでした。
西部劇自体、今までみたことがあるのが三池崇監督「スキヤキ・ウエスタン ジャンゴ」くらいで、私にリテラシーがほとんどなかったのが残念でした。この映画だけでも十分楽しめたのですが、やっぱり元ネタが分かると面白さが全然違うんだろうなぁ。
主人公ジャンゴに浴びせられる視線で、嫉妬・軽蔑・恐怖・驚嘆などのさまざまな感情をみることが出来て面白かったのですが、その中でも特にサミュエル・L・ジャクソンはさすがの視線ヂカラ。目や口ほどにモノを言うというのをまじまじと感じさせていただきました。(まぁ、サミュエルさん口のほうも達者でしたが)
途中のレオナルドディカプリオ登場とともに、映画にぐっと引き付けられましたね。ディカプリオ登場から話の展開がかわるっていうのもあるのですが、ディカプリオが嫌なヤツを演じるのってなんとも言えない面白さがあっていいです。
映画が大きく動いたシュルツがディカプリオを握手を拒むシーン、「なんで握手しなかったんだろ?」と、映画後考えてしまいました。計算高く冷静だったシュルツが、「人間に犬を喰わせる外道」と握手するのがイヤで計算を破って銃をぶっぱなす。そして、その後撃たれて即死。「死んでもイヤ!」ってよくある台詞ですが、シュルツは同類項になりたくない相手と握手するのが本当にイヤだったんでしょう。
あ、あと、頭巾のくだりがおっかしかった!「頭巾をかぶるのはいいアイデアだけど、馬に乗ったら前が見えない!」「うちの嫁が頑張って30枚も作ったのに文句言うな!」「俺らが見えなくたって、馬には見えてるからいいんだ!」って。ザ・しょうもない口喧嘩からの爆死。くだらなくて最高!頭巾かぶっての口喧嘩って、すげー楽しそうでやってみたくなりました。