2015年4月18日土曜日

エイプリルフールズ

監督:石川淳一
上映時間:120分
パンフレット:720円(★★★★☆各ストーリーが漫画風に写真解説されてて分かりやすい。製作者インタビューを犯人探しのような目で読んでしまう)

SEX依存症なら、ちゃんと避妊しよう

ポスター・宣伝・製作スタッフ情報を見て、「この映画はヤバそうだ(悪い意味で)」という予感はあったのですが、ムービーウォッチメンの課題映画になったので泣く泣く鑑賞。残念ながら、予想通りのつまらなさで「ジュピター」に続きやっぱり悪い予感がする映画はたいていつまらないんだなぁって再確認してしまった。宇多丸さんが1万円払って回避したウッディ・アレン監督「マジック・イン・ムーンライト」見てないけど、そっちのが絶対面白かったろうなぁ。1万円もったいないし、つまんないし、なんかすげー世の不条理を感じました。
古沢良太のオリジナル脚本がこの映画の売りのようでして、その「エイプリルフールの日に様々な嘘を元に起こる群像劇」というアイデアはたしかに面白いと思います。ですが、個々の話が多少重なるという描かれ方はしてたんですが、1つ1つの話が最後にひとつの大きな話に帰結していくというダイナミズムがなくて群像コメディとしては残念でした。
あと、同脚本作品「キサラギ」でも感じた悪いところをこの作品でも感じて、古沢良太脚本作品ってそういう手癖の悪さがあるんだなって思いました。その手癖の悪さは、おおきく2つあって、1つは後出しジャンケン的伏線回収。そして、もう1つが温かい視線なしで無神経にマイノリティを笑いにするところです。
今回の後出しジャンケン的伏線回収は、寺島進が持っていた拳銃が戸田恵梨香の手に渡っていたというもの。終盤に回想シーンが挿入され、寺島進・戸田恵梨香の2人が同じラーメン屋で食事をしており、たまたま同じカバンだったため、カバンが第三者の手で意図的に入れ替えられたということが判明するんのですが、その回想シーンが挿入されるまでは戸田恵梨香が普通に拳銃持ってたのかのように見えて、そのネタばらしを見ても、「この脚本うまい!」とは感じられず、「そんなこと知らねーよ、ズルいよ」という感じでしらけます。
あと、温かい視線なしで無神経にマイノリティを笑いにする箇所は、対人恐怖症・SEX依存症・ゲイ・SEXワーカーの女性など、、、「きっとこうなんでしょうね~」っていう軽い感じで作中に取り入れ、「普通の人は笑ってくださいね~」って感じで描いてるのがムカムカします。私はアイドルオタクなので、「キサラギ」時のオタク描写もムカついたんですが、この人アイドルオタクだけじゃなくてどのマイノリティも記号的な認識しかしてないんだなと感じました。
唯一よかったところは、戸田恵梨香の出産シーンが彼女の演技力で真に迫ってみえたところ。あんまり認識なかったんですが、戸田恵梨香って演技うまいんですねぇ。あ、あと奈々緒の「うそピョーン」には、クールな外見とのギャップと手足の長さからくるダイナミックさがあってよかったです。壁紙にしたくなる絵柄。
あ、あとこれも大切なことなので書いとこっと。SEX依存症の松坂桃季と1回だけSEXした戸田恵梨香が妊娠するというエピソードがあるのですが、男側も女側ももし自分にSEX依存症という自覚があるならちゃんと避妊しろといいたい。なんなら、岡田斗司夫を見習ってパイプカットすべき!

2015年4月9日木曜日

劇場版 ウルトラマンギンガS 決戦!ウルトラ10勇士!!

腕と腕をつないで、ひとつになる特訓

監督:坂本浩一
上映時間:63分
パンフレット:620円(★★★★★/ストーリーを解説するために写真が効果的に活用されてて面白い。坂本監督の笑顔が素敵)

ウルトラマンを見るのは、シネマハスラーで扱った「ウルトラマンサーガ」以来で3年ぶりでした。相変わらずウルトラマンが何者なのか、ウルトラマンIQ低いままで鑑賞しました。(どこかの星の宇宙人が人間に憑依しているという理解でいいのかな...)
63分という短い尺の中に、色々な試練とアクションが詰め込まれていて楽しかったです。余分な人間ドラマがなくて、アクションが続くのが疾走感あって気持ちよかった!
ウルトラマンのアクションシーンも特撮の積み重ねてきた歴史を感じられるモノで楽しかったです。あきらかに人間がはいっていることが分かるフォルムのものが真剣に戦っている姿には胸を打たれます。
人間を演じる男性キャラクターはわりとシュッとした細面で見た目の印象が似ている感じがしたのですが、女性キャラクターはバラエティに富むカワイイが詰まっていてよかったなぁ。鏡の女戦士を演じるアレーナのアジアンチックな脇だけ見える衣装、妙にエロくてよかった。その姿でのアクションシーンは眼福でした。ごちそうさまです。でんぱ組最上もがさんのアンドロイド役も演技には見えないはまりっぷりでした。テレビシリーズも見たくなりました。
あと、やっぱり映画の中での特訓シーンって面白いなと再確認しました。ヒカルとショウがフュージョンしてウルトラマンビクトリーになるための、腕輪で繋がれた状態でランニングとか腹筋とか岩登りとかする特訓の絵面の素晴らしさ!腐女子ならずとも、これは萌える...萌える特訓でした。ラッパーとかもこういう特訓を2MCでやったら息があっていいのかな。どうでしょうか?成果のほどはともかくとして、宇多丸さんとDさんが腕をつながれて、ラップしていたらやっぱり萌えますね!

2015年4月4日土曜日

ジュピター

ナプキンの粘着面を傷口にぎゅっ

監督:アンディ・ウォシャウスキー/ラナ・ウォシャウスキー
原題:Jupiter Ascending
上映時間:127分
パンフレット:★☆☆☆☆(720円/パンフレットの出来としては普通なのだけど、映画が糞つまらないため読んでるうちに腹が立ってくる)

予告編を見かけた時「これは面白くなさそうだ」と悪寒がしたのですが、実際見てみたら予想以上につまらなくてビックリ。マトリックスから16年の間、ウォシャンスキー姉弟は何を見て過ごしていたのか。こんなの映像革命でもなんでもないし、つまらない。
パンフレットを読むと、リブートでもシリーズでも原作物でもないオリジナル脚本がこの映画の売りみたいですが、ぜんぜんオリジナリティを感じませんでした。そういうオリジナリティを自慢するのは、「ベイマックス」とか「レゴムービー」レベルにまで洗練されていないと失敗をチャレンジ精神でごまかした言い訳っぽくてかっこ悪いと感じました。(あと、つまらない映画のパンフレットを読むと、いかにもこの映画が面白いという態で記事が書かれているので、すごいイライラしてくるという発見があった。イライラエンタメを感じたい人にはオススメ)
つーか、オリジナルティを感じないからといって見やすい話というわけでもないし、とんがったところがあって見難いというわけでもなくて、脚本も映像もとっちらかっちゃってるせいで2時間がしんどくて、途中で映画館出たくなるレベルでした。映画終わった後に友達に会ったのですが「今日見た映画、つまらなかった」と伝えたら、逆に興味をもたれたので「目がつぶれるから、見るな!」と嘘を付いてまでとめてしまいました。
予告編見て面白そうだなと思った「収穫(ハーベスト)」の現象を見せなかったのが本当にダメだと思う。がらんどうになった星を見せて、「痛みはないそうよ」「残酷だね」なんて言ってるのを見せるだけって、映画にする意味あるのかコレ。「これなら、ガッチャマンのが面白いな」って思うくらいつまんなかった。「レンタネコ」よりは許せる。
話が見ているうちから頭から抜け落ちてしまい、あまり覚えていないのですが、まあ印象的だったのは、ストーリーを少し脱線したコメディっぽいところ。チャニングテイタムの傷をミラクニスが生理用ナプキンで止血したとことか。しかも、テープ部分を傷に貼り付けてたから、取り外す時すごい痛そうだった。テープ面が傷口側だと、血を吸収しないような気がするんだけど、どうなんでしょう。
あと、特に恋愛感情あるように見えなかったのに、王位後継者だという事実の判明した後、ミラクニスがチャニングテイタムに欲情しはじめたのが、権力を持ったゆえのパワハラ&セクハラっぽくて恐ろしかった。あ、これミラクニスではなくもっとお年寄りの設定だったら面白かったかも。ジュリアン・ムーアとか。

2015年3月31日火曜日

2015年3月に見たいくつかの映画

3月はブログに感想を書いた映画3本以外に、新作映画1本「劇場版 BiSキャノンボール 2014」を見ただけでした。(合計4本鑑賞)

アイドルヲタ活動に忙しくて、映画にあんまり行っていなかった3月。(3月にアイドルに使ったお金37,503円 ぬるをたの家計簿)Berryz工房の活動休止ライブライブビューイングのために、映画館に行ったりもしました。(その感想

ブログに書いた以外に唯一見た「劇場版 BiSキャノンボール 2014」は、ももいろクローバーZ「幕が上がる」と同日にアイドル映画はしごして見ました。「解散ライブという大事な日に何してる!」という呆れとテレクラキャノンボールの面白さも損なっているという失望で、自分的にはとてもガッカリしました。あと、こういう無茶運営に振り回されるのはアイドルファンとしてハートが持たないので「うっかり、BiSを好きになったりしなくてよかった」と思いました。初期からのメンバー、プールイとヒラノノゾミがこの企画に対してさして怒っておらず受身な感じだったことが印象的でした。受身じゃないと続けられないこともあるんだろうな。。。

劇場版 BiSキャノンボール2014
監督:カンパニー松尾
収録時間:120分
疲れで承諾させるのは詐欺師の所業

2015年3月21日土曜日

アメリカン・スナイパー

彼が生きていたらのもしも

監督:クリント・イーストウッド
原題:American Sniper
上映時間:132分
パンフレット:★★★★☆(820円/読んでるうちに自分の感想がどんなだったか忘れるくらい、インタビューやコラムが充実している)

戦争映画はあまり好んで見にいかないので数えられるほどしか見ておらず、この作品もムービーウォッチメンの課題作にならなかったら見にいかなかったかもしれません。これより前、一番最近に見た戦争映画もムービー・ウォッチメンの課題作で見た「ローン・サバイバー」でした。「ローン・サバイバー」も、この「アメリカン・スナイパー」と同じく最近の実話を使った戦争映画で、今の戦争を映画化するのがアメリカじゃ流行ってるのかなと感じました。そして、映画を見るまで、そんな事件も人物も知らなかったというのも、2作品とも共通してました。アメリカでは、きっとかなり知られた事件や人物なのかな。「アメリカン・スナイパー」は「現代アメリカと戦争」についてなんとなくイメージが持てる映画で、勉強になりました。
嫌でも考えてしまうのは、映画化が決まった後に殺されたという主人公のクリス・カイルがもし現在も生きていたら、この映画はどんな結末で締められていたのだろうということ。終盤、クリス・カイルが殺された後に彼を悼み称えるアメリカ国民の実際の映像が使われていて、イーストウッドはそうは意図してないんだろうけどアメリカの英雄譚を見たような感覚をもちました。もし、彼が生きていたら、もっと戦争に対して批判精神をあらわにするような終わり方になっていたんではないでしょうか。
以前「ハート・ブレイカー」を見た時も、戦争から帰ってきた軍人の通常生活での所在なさを感じましたが、この作品ではもっと具体的に戦争をしにいくことでどのくらい心が蝕まれるかを感じることができました。生活音がイレイザーヘッド並みに大音量で聴こえたり、同僚の葬式帰り嫁の質問に冷たい機械のような返答したり、帰国した時にすぐに家に戻れなかったり、戦争に行ったら普通にはなかなか戻れないんだなぁ。障害を負った退役軍人が、リハビリに銃を撃っていたのも興味深かったなぁ。

2015年3月14日土曜日

シェフ 三ツ星フードトラック始めました

うまい料理には、さからえない

監督:ジョン・ファブロー
原題:Chef
上映時間:115分
パンフレット:★★☆☆☆(720円/映画内に出てくる料理のレシピがイラスト付で載っているけど、難しそうでやれる気がしない)

ジョン・ファブローがアイアンマンの監督を断ってまず一番に撮った映画と聞いていたので、「いったいどんな映画なのか!?」と期待して見にいきました。めちゃめちゃ心あたたまるハートフルストーリーで、逆に映画見終わった後に「アメリカン・スナイパー」とか「フォックス・キャッチャー」とか後味の悪そうな現在公開映画が見たくなった不思議。「他人の不幸で今日も飯がうまい」のではなく、「とにかくリアルに飯がうまそう」という、真の意味でのメシウマ映画でした。序盤から料理シーンがリズムカルで達者で、見ててめっちゃ料理したくなりました。私もあんなスピードでキュウリを切ってみたいです!タンタターン!
今回の映画、中盤の展開のネタバレ邦題サブタイトル「三ツ星フードトラック始めました」がついていたため、はじめから「いつ、フードトラック出てくるのかな?」という心持ちになってしまったのが残念でした。意外とそんなにすぐにはフードトラック出てこないから、このサブタイトルはやめてほしかったです。
はじめは雇われシェフ:ジョン・ファブローがオーナー:ダスティン・ホフマンや料理評論家:オリバー・プラットと対立してレストランをクビになったり、息子との仲がギクシャクしたりと障害がもうけられていたのですが、フードトラックが出てきてからはその掃除で息子とちょっと揉めたぐらいであとは障害なくうなぎのぼりにぐいぐいハッピーな展開で、逆に潔さを感じました。最後の元嫁との結婚エンディングとかうまくいきすぎて、もはやベタとも思えない展開です。

元嫁も息子も恋人も同僚も、はじめっからジョン・ファブローにやさしすぎすぎてちょっと不思議に思いました。なんで、みんなこんなに彼にやさしいのかなと考えたんですが、「彼の料理がうますぎて、みんな彼に胃袋を魅了されているんで逆らえないのかも」と思いました。そう思うと、映画に出てくる料理がもっとうまそうに見えてきます。しかし、同じ職場の恋仲のウエイターがスカーレット・ヨハンソンな時点で、これは負け犬の話ではなく何かを持ってる人の話であり、その持っているものをどう生かすのかという話なんだなと思いました。
雇われ監督としてビッグバジェット映画を成功させたジョン・ファブローが、インデペンデントではじめに撮った映画が、コレだったっていうのも興味深かったです。あと、軽く描かれているけどネットリテラシーが低い中年のおっさんがSNSを炎上させるという描写もすごい説得力あっておもしろかった。インターネットネイティブ世代の息子のつっこみ、「DMはフォロワーにしか送信できないんだよ」は金言。そして、炎上はチャンスというのも一理あるんだなと素直に理解させてくれる映画でもありました。

2015年3月5日木曜日

幕が上がる

監督:本広克行
上映時間:119分
パンフレット:★★★★★(1080円/「高い!」って思ったけど、映画の世界界を補完する資料やインタビューがはいってていいパンフレット。ももクロメンバーがリレー式に書いた直筆の手紙画像もついてます)

どこまでもいっても、いつまでたっても、彼女たちは全力少女

「幕が上がる」、出来れば見るのを避けたかった映画でした。
というのも、私、3~4年前にこの映画の主演を務める ももいろクローバーがものすごい好きだったんです。ですが、いまはすっかり興味がなくなってしまってまして。一時期強烈に好きだったものに興味がなくなると、その対象物を見るたびに恥ずかしいような後ろめたいような気持ちになることってありませんか。(これ、私だけかな?)今の私にとって、ももいろクローバーがそれです。
2010年10月に名古屋にライブに来たももいろクローバーに心を奪われ、次の年の2011年には早見あかり卒業コンサート、極楽門と遠征してライブを見に行きました。が、その年の12月のさいたまスーパーアリーナの演出の趣味に合わなさに彼女たちから徐々に心が離れていきました。とはいえ、2012年12月の紅白くらいまではテレビやネットで彼女たちの情報は追っていましたが、最近は心離れした自分の薄情さと熱くはまっていた過去の自分への気恥ずかしさから、なるべく見ないようにしてきました。
ですが、今回ムービーウォッチメンの課題作品になったということで、自分のつまらない自我には目を瞑って、ひさびさにももいろクローバーと2時間向き合わさせていただきました。
何事にも全力でぶつかっていくももいろクローバー、売れた今現在もその全力感が色あせてなくてすごいなぁとあらためて感動しました。ももドラの時とはうってかわって、演技がものすごいうまかった。パンフレットによると、全員台本を丸暗記して現場にきていて、現場では台本をまったく開かなかったとか。。。なんすか、このがんばり。既に売れてるのに、もう大人といえる年齢なのにいまだに全力少女な彼女たち、、、頭がさがります。
で、映画の感想ですが、高校演劇に興味が沸く青春群像劇の快作だと思います。高校演劇の大会が特殊な日程であることや、当日準備の緊張感、演出家の仕事の悩みや楽しさが伝わってきました。もう参加資格はないけど高校演劇やってみたくなったし、見に行きたくなりました。
主人公のさお演じる百田夏菜子が、ももいろクローバーの各メンバーと2人きりになるシーンがよかったです。特に有安杏果とのシーンがよかった。なんというか、有安杏果が人の顔色を伺う表情って、見てるこっちもちょっと不安になるしスクリーン映えします。玉井詩織とひとつのベッドで寝るシーンも、さすが一緒に寝慣れてるというか不自然じゃないドキドキ感があってよかったです。
ただ、この映画、ファンサービスのつもりなのかよかれと思っていれているっぽい演出が、薄ら寒いのが残念でした。職員室のシーンになると必ず出てくるももクロのグッズを持ったフジテレビアナウンサー、彼女たちの保護者役を務めるももクロ関連の豪華キャスト、役のイメージとはあわない百田夏菜子的誤字と、映画のストーリーが頭にはいってきずらくなるノイズがもったいなかったなぁ。
あと、多用される百田夏菜子のモノローグも、彼女自身がちゃんと演技できていたのであんなにつけなくてもよかったと思います。もっと自由に彼女たちの演技を楽しみたかったです。
でも、余計なことして、ちょっとお客さんをしらけさせる演出をいれちゃうのは、ももいろクローバー周辺のおじさんたちの悪い癖なのかもネ。(彼女たちへの愛ゆえの”よかれ”演出なんだと思いますが・・・)