2015年5月16日土曜日

龍三と七人の子分たち

監督:北野武
ジジイ×ヤクザ=老害

上映時間:111分
パンフレット:820円★★★★★(写真もいいし、各キャストインタビューもあるし、コラムもあるし、充実している)

北野武監督作品といえば、近年の「アウトレイジ」シリーズの印象が強くて、そういうのを期待して見にいったんですが、よくも悪くもぜんぜん違う作風の作品でした。どちらかというと今作品は、コメディタッチの作品で北野武映画というよりはビートたけし映画を見たような気分になりました。個人的には「アウトレイジ」の冷たい暴力描写に非常にしびれたので、今回の映画は拍子抜けの部分がありましたが、北野武監督の振り幅を感じることが出来ました。
冒頭で、主人公 龍三がヤクザを引退した後に家族に養われ、若干肩身が狭そうにしているい暮らしっぷりが描かれるんですが、昔の仲間を集めヤクザを再結成した後には元ヤクザの老人たちが威張りはじめるのを見て「ふあ、めっちゃ老害!」って思いました。おのおの1人だったら「かわいそうなジジイだな」ってくらいな印象で変わり者ではあるけどおとなしくしてたのに、集団になると威張りはじめるのは「おまえら、迷惑!」って思いました。集団になると威張る人って、嫌だねぇ。でも、昔の仲間と集まると元気になるってことだね、きっと。
この話、老人たちがヤクザを再結成して、京阪連合というずるがしこい若者の悪と対立して、わちゃわちゃするのが「ジジイの人生に、最後の青春の花を咲かせる」という風にも読み取れるのですが、その抗争中にはモキチは殺され、そして抗争が終わった後には70歳を超えた老人たちが全員牢屋にはいらなければならないという一花咲かせたことによる代償というか空しさも感じました。とはいえ、「出てきたら今度は、俺が親分だな」「だって、ふたり刺してるもん」という最後の台詞に見られるように、懲役よりも親分ポイントのほうが気になる感じが「男って、しょうもな!」って軽く笑える感じでよかったです。そして、「バカ野郎!てめぇが出てくる頃には、みんな死んでらぁ」と瞬時につっこめる老人バディ感にはちょっとあこがれを感じました。