監督:ジャウム・コレット=セラ
原題:Run All Night
上映時間:114分
パンフレット:720円★★☆☆☆(週8でブロードウェイの演劇出演していたエド・ハリス、作品と本人が熱望して週1日だけのスケジュールで出演を果たしたエピソードがすごい)
原題:Run All Night
上映時間:114分
パンフレット:720円★★☆☆☆(週8でブロードウェイの演劇出演していたエド・ハリス、作品と本人が熱望して週1日だけのスケジュールで出演を果たしたエピソードがすごい)
いつものニーソン、いつもと違うニーソン
リーアム・ニーソン主演作品「96時間」シリーズ「THE GREY 凍える太陽」「フライト・ゲーム」と、ここ最近映画を見るようになってからわりとたくさん見ています。そのほとんどが、おおざっぱにいえば同じ特性を持った主人公であるところが、逆に「さすが、ニーソン!」って気持ちになります。たいていの主人公は、自分の職業的な問題から家族との折り合いが悪い男が、なんらかのトラブルにみまわれたことを理由にスイッチがはいり無敵状態になるという特性の持ち主。今回の「ラン・オールナイト」ではほぼそのプロットで動くものの、きちんとニーソンが徐々に弱まるところが描かれるところが新鮮で、最後はその死に様にしびれました。
序盤に事件が起きる前のニーソンの下衆っぷりが描かれるのもよかった。日長ウィスキーを飲み、無茶ぶりされてサンタクロースのコスプレをして、子供を片膝に乗せてその母親に「こっちの膝はあいてるぜ、グヒヒ」ってなっているどーしようもないアル中ニーソン、下衆ニーソン。壊れたヒーターで暖がとれずに、毛布に包まれてテレビでアイススケート観戦するニーソンもかわいかった。もふもふニーソン、ほっこりニーソン。
そして、エド・ハリスとの男の友情について描かれるのも、味わい深くてよかったです。過去の修羅場や汚い仕事が具体的にどうだったかはサッとしか描かれないけど、現在の彼らのつながりをみればその結びつきの強さが伝わってくる。ニーソンの「ここからは一線を越える」という宣誓からのバーから休車場での射撃、そして死にゆく友との最後の抱擁まで経年変化がある男の絆はBL需要にも耐えうるものだなと思いました。
あと、エンディングロールで数回しめされるフォント違いの題名「Run All Night」、ズーンとくる感じもすばらしい。しかし、何回も「Run All Night」というタイトルを意識しているうちに「あれ、そんなにいうほど走ってなかったかも・・・」という気持ちになってきたりもしました。そんなに走ってないけど、アクションシーンも執拗にパートカーを追い詰めるカーアクションやファイナルディスティネーションを想起させる火事と火事場の殴り合いとか、見てて楽しかったです!