2014年11月22日土曜日

紙の月(126分)

監督:吉田大八
したいことがないし、一緒には行けない

大人になった宮沢りえを自分はぜんぜん見てきていなかったのですが、「紙の月」のりえちゃんは銀行の契約社員という役柄に対してちょっと美しすぎる感はあるもののひょうひょうとしながらも自分に抑制がとれなくなっていくおさえた演技がよかったです。ホテルのスィートに泊まる時のロビーで待つりえちゃんの姿、美しかった。地味な服を着ていてもその魅力は隠せないけど、やっぱり綺麗な人が綺麗なモノを身にまとうといっそう輝くなぁと当たり前のことに気がつきました。
あと、大島優子の下世話な感じで人の懐に飛び込んでくる感じもよかった。更衣室の鏡越しで見える大島優子の表情の下世話な雰囲気が好きです。なんともいえない存在感でスクリーン映えする前田敦子とはまたちがうけど、おおいなる小者感がありこれから脇を固める名役者になりそうな予感がしました。AKB48を代表してきた2人が自分の夢に対し着実に歩みをすすめているのを見られるのは、「人生捨てたもんじゃないよね」と未来が明るく思えて特にファンというわけでもないけどうれしい気持ちになりました。
映画の中で誰に共感するかといえば、圧倒的に小林聡美扮するベテラン事務行員に共感しました。宮沢りえの横領に気がつき摘発する中で、自分自身それだけのお金があったらいったいどうするか思いをめぐらせ、そして、思いついたやってみたいことが「徹夜すること」だったという哀しさ。翌日に響きそうで怖くて、徹夜すらしたことなかった彼女。
いるべきところにいるために習慣的に欲望を抑制しすぎて、もはや自分の欲望が思い出せないという彼女に対して、窓ガラスを割って「一緒に来ますか?」ときく宮沢りえのシーンに、アッチ側とコッチ側は遠いんけど、意外と踏み外すかどうかは紙一重だと感じさせられました。そして、コッチ側に残った小林聡美よろしく駆け出していく宮沢りえを私も羨望の目で見てしまいました。ちなみに、この映画のシーンに影響されて、映画を見た週の金曜日にオールで飲み明かしましたのですが、、、その結果、翌日に響いて、今ちょっと後悔しながら映画の感想を書いています。。。さとちゃん、やっぱオールすると翌日にひびくよ!

2014年11月14日金曜日

サボタージュ(109分)

監督:デビッド・エアー
原題:Sabotage
野菜を切ったり、人を殺したり

ムービーウォッチメンの課題作品、近場で公開される限りかかさず見ているのですが、直近2作品が「イコライザー」「エクスペンダブルズ3 ワールドミッション」と同系統の映画が続いたので、「そろそろ違うタイプの映画がみたいな~」と思っていました。が、今週も「サボタージュ」と、再びハードボイルド・アクション(っていうジャンルでいいのかな)で、思いがけず男祭りなラインナップ。「サボタージュ」面白かったけど、同系統の映画を連続で見たことで「このジャンルは私のど直球ではないな」と悟りました。2ヶ月に1本くらいがちょうどいいかな。
「サボタージュ」、葉巻を吸うシュワちゃんがとにかくかっこいいし、バライティに富んだ殺し方が見られるし、女刑事と黒人刑事のやり取りがかわいいし、と描写が楽しくていいんだけど、映画終わった後に話を振り返ると「え、じゃあ、あれも、あれも、シュワちゃんがやってことか~。としても、それ辻褄あうのかな・・・?」と脚本がちょっと甘いように感じました。つーか、そういう辻褄がバチっとあえば、この映画めっちゃ傑作になっていた気がします。(天井磔殺人、一体どうやってやったんだろう。あれ、一人でやるのたいへんそう。)
女刑事に「キミも人生、楽しんでるんだろ」「肌で分かる」とか口説きなのかなんなのかキザなセリフを吐いたり、自らハニートラップをしかけたり、セロリを包丁で切ったり、最後には無双っぷりを見せたり、とにかく色んなシュワちゃんが見れて楽しかったです。特に、セロリを切るシュワちゃん、かわいかったなぁ。(はっ、これが、ギャップ萌ってやつか!?)

2014年11月8日土曜日

エクスペンダブルズ3 ワールドミッション(126分)

監督:パトリック・ヒューズ
原題:The Expendables 3
打ち上げは、一度じゃなくてもいいんだよ

エクスペンダブルはシリーズ1作目から映画館で見ていて、私自身はこの映画を彩るアクションスターに門外漢なのですが、その男臭い世界を楽しませていただいてきました。が、このパート3はぜんぜん楽しめなくて、「これは、私は招かれていないパーティだったのだな」と感じてしまいました。
楽しめなかった一番の要因は、アクションシーンのカット割が細か過ぎて理解出来なかったこと。その場面で戦闘している者同士のカットが細かく割られるならまだ分かるのですが、遠隔にいるメル・ギブソンとかもはいってくるから視点がわからず頭がついていけませんでした。パート1とパート2ではアクションの分かりづらさを感じた記憶がないんだけど、こんなんだったかなぁ。。。
あと、部室の消滅と打ち上げ不足により、男臭ゆるふあが減ったことも残念でした。エクスペンダブルズの基地a.k.a部室が今回は一度も出てこなかったし、最後にある打ち上げは楽しいけど、これまであった序盤と中盤にあるゆるい打ち上げがなくなってガックリでした。あいまあいまで見える、ドルフラングレンのキュートさとかジェットリーのケチさとかに胸がキュっとしてたのに。
若手リクルーティングシーンがその代替なのかもしれないけど、あそこでおもしろかったの、年齢詐称しゃべりすぎバンデラスくらいだったもんなぁ。今年見た「大脱出」は、けっこう好きだったんだけどなぁ、うーん。。。パート4はもう見ないかもしれません。

2014年10月31日金曜日

2014年10月に見たいくつかの映画

10月はブログに感想を書いた映画3本以外に、新作映画4本見ました。(合計7本鑑賞)
カナザワ映画祭でたくさん映画を見た反動で、映画見たい欲が少し落ちていたのですが、だんだんと回復してきました。2週に一度京都までライムスターにラップを習いに行ったりしていたわりには、わりと映画見てたYONE!

「バツイチは恋のはじまり」は、友人の結婚パーティ行く前に時間があったのでなんとなく行った映画。フランスにも、ゲロとか毛が抜けるとかあんな酷いラブコメディがあるんですね。フランス、誤解してたわ~。(褒め言葉)ちょっと、かわいそうな扱いの人もいたけど、笑いました。

「あの娘、早くババアになればいいのに」は、アイドルがテーマだということでヲタ友6人で行きました。鑑賞後「ヲタわかってない気がする」という、みんなの感想が痛快でした。おやっちゃん側の性欲の話ももうちょっと詳しく書いてほしかったな。

「物語る私たち」は、ジェーン・スーさんがラジオで褒めていたので見に行きました。家族というものに普遍性はあるものの、日本じゃこうはいかないだろうとカナダのお国柄のおおらかさを感じました。

「ニンフォマニアック Vol.1」は、フォン・トリアーっぽい重苦しい陰湿さが薄くコミカルな感じさえあって、フォン・トリアーおそるべしって感じでした。自分がするのは苦手なカテゴリーの話なので、
逆に映画で見せていただけるのはありがたいなぁと思いました。2は、11月に見ま~す。


バツイチは恋のはじまり
監督:パスカル・ショメイユ
原題:Un plan parfait
毛を抜いてでも、離婚したい


あの娘、早くババアになればいいのに
監督:頃安祐良
あの娘、結局天然だったのか


物語る私たち
監督:サラ・ポーリー
原題:Stories We Tell
実父でないと告げた時、一番家族らしく


ニンフォマニアック Vol.1
監督:ラース・フォン・トリアー
原題:Nymphomaniac: Vol. I
「すぐやって服」の研究本、ほしい

2014年10月30日木曜日

イコライザー(132分)

監督:アントワン・フークア
原題:The Equalizer
おんな一人を自由にする適正価格

「ホームセンターの従業員が実は必殺仕事人だった!」って、その筋書きだけでワクワクしてしまうパンチラインで期待してました。
映画そのものも面白かったけど、几帳面に暮らすデンゼル・ワシントンにしょっぱなから観客側が「舐める」要素なくて、中盤仕置人に変貌した時のカタルシスが薄かったように感じました。もっと、「おぉ!」っと驚きたかった。はじめの19秒の大殺戮、なんだかそれまでのデンゼルの不可解な部分を答え合わせしたような感じでした。
仕置すると決めたらどこまでもやりとおすデンゼル、いきなり石油コンビナートを爆破した時はさすがに笑ってしまいました。そして、ロシアでもひと仕事終えて、全部やり終えたあと、元の町でまた普通に暮らし、仕置人サイトを開設してほくそ笑むラストには「身体だけじゃなくて、ハートが強いのね!」と感心した。映画のなかでも、心技体みたいなこと言ってましたもんね。
なんやかんや言ってめっちゃ首突っ込んでくるとことか、敵がロシアマフィアなとことか、昨年見た「アウトロー」を思い出しました。「アウトロー」は最後にバスで恋人たちの喧嘩をとめようとしてエンドロールになってたな。やっぱ、首つっこんでくるヤツは大小問わず突っ込んでくる。
この映画で、心残りなのは、クロエモレッツの録音CDをもらったデンゼル・ワシントンがそのCDを再生しないままだったところ。どんな歌声をCDに吹き込んだのか、興味あったよ。
あと、デンゼル・ワシントンがクロエ・モレッツを助けようと持参したお金が9000ドルちょっとだったところがクロエちゃんから考えるとちょっとお手頃価格に思えた。ロシアマフィアが首を縦にふらないのもそりゃそうだろうと思ってしまったり。ホームセンターで働いているという設定から鑑みて少なめにもっていたのか、それとも単純にお金がなかっただけなのかが気になりました。

2014年10月18日土曜日

猿の惑星:新世紀(ライジング)(131分)

監督:マット・リーブス
原題:Dawn of the Planet of the Apes
猿がする猿真似の哀しさ

2011年のマイシネマランキングを見返すと、前作の「猿の惑星:創世記」を6位にしていました。前作は、愛のある人間の家庭で育てられたシーザーが、猿として生きることを選ぶまでの胸が苦しくなるストーリーに無駄がなく、ウィルスが世界中にばらまかれることが予見されるエンドロールのゾクゾクっとくる終り方が好きでした。前作がオリジナルの「猿の惑星」よりも好きなせいもあって、今回はアレ以上面白いものが見れる気がしなくて、見るか見ないかとても迷っていました。しかし、ムービーウォッチメンで当たったので鑑賞しました。正直、前作ほど面白くはないけど、シーザーがイケメンすぎるし、コバがせつないので見てよかったです。まだ、この後、人間と猿との全面戦争としてあと1本は作られそうですね。
今回はストーリー的な立ち位置がブリッジ的なところのせいもあるけど、ちょっとものたりない部分が気になりました。まず、シーザーがいきなり子持ちになっていたのが不満これは個人的な希望ですが、シーザーが恋に落ちるところとか見たかったよ。。。家族愛的な描写はあったけど、私は色恋シーザーが見たかったです。そして、かしこい猿はどういうセックスをするのかもみたかった。
あと、コバが前半は人間に虐げられてきたこととシーザーを慕い教えに従うことの間のゆらぎがあってそれが胸にぎゅっときてよかったのに、後半銃を持ってからはバンバンイケイケになっちゃったのが不満でした。自分の古傷を指し”Human’s work!”と叫ぶとことか、シーザーの息子ブルーアイズに「シーザーは人間への愛で目が曇っている。お前が守れ。」と伝えるとことかよかったんですけどね。
コバが人間に見つかった対処法として「猿真似」をするというのがなんとも賢くて哀しくてよかった。やっぱ、人間って自分より愚かな者に対しては安心して気を許してしまう。それを知っているコバの「猿真似」がなんとも哀しい。

2014年10月3日金曜日

ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー(121分)

監督:ジェームズ・ガン
原題:Guardians of the Galaxy
劇場で見たことをいつか自慢出来る予感

映画公開前から、ムービーウォッチメンの所々で宇多丸さんの熱い大プッシュを聞いていたのでめちゃくちゃ期待してました。でも、期待しすぎたのか、かなり面白かったのですが、ちょっと物足りなさを感じました。
考えてみると、物足りなさを感じた原因は自分にあった気がします。
まず、音楽ネタが私にはぜんぜん分からなかったのです。だから、AWESOME MIXのカセットテープでグッとくるシーンが十分には楽しみきれなかった気がします。
あと、この映画を見た1週間前にカナザワ映画祭に行っていまして、そこで初めて見た「スターシップ・トゥルーパーズ」とか「マッドマックス2」に比べたら、「ガーディアンズ・オブ・ギャラクシー」はウェルメードというかお上品で物足りなかった。虫を殺しまくるとか、お尻が丸見えの服を着ているとか、ヒューマンガス様とか、域値を超えた激しさがある映画を短期間に摂取しすぎたせいで、「うん、これは普通にうまいヤツだよね、ふつ~に。」みたいな気持ちになってしまいました。
とはいえ、仲間が集まるワクワク感や、キャラ立ちした脇キャラとかまったく欠点がないシリーズ1作目だと思います。「くもりときどきミートボール」のパート1で人物配置に超ワクワクした感覚と似たものを感じました。
あと、ロケットが牢屋を脱獄するのに「義足がいる」と嘘を付いて、義足を取り上げられた看守の姿を想像して笑うところとか人畜有害のひどいギャグが好きです。これからのシリーズで、おなじみのキャラやギャグから生まれる面白さがどんどん拡大していくはず。その1作目に劇場公開で立ち会えたことに、なんだかうれしさを感じます。