2014年5月17日土曜日

アメイジング・スパイダーマン2(143分)

監督:マーク・ウェブ
原題:The Amazing Spider-Man 2
不憫で、なぜ悪い

先日複数のアイドルが出演するフェスに行った直後に、「アメージングスパイダーマン2」を見てきました。というのも、ライブ中にアイドルファンが自分が応援してる以外のアイドルやそのファンの陰口を言ってるのを耳にして無性にイライラしてしまいまして。「このイライラを誰かにぶつけたい!」と思った時、「よし、ピーター・パーカーにぶつけよう!」と思いついたのです。前作「アメージングスパイダーマン」での主人公:ピーターパーカーの調子こきっぷりに「あー、早く事件の大部分が自分のせいだと気がついて絶望の果て、全てを失わないかな」とブログに書いたほど彼に腹が立っていたので、安心してイライラをぶつけられると思っていたのですが・・・意外と今回は序盤からダウナーなピーターパーカーくんで、イライラをぶつける的役としては期待はずれでした。でも、映画は面白かった。
今回から出演のデーンデハーンくんの影のある美少年っぷりに「デハーンに、はーん!」となりました。(デハーンくん、「ターミネーター2」の頃のエドワード・ファーロングを思いおこさせる色気だけど、大人になるとどうなるんだろう。不安ではーん!)
アメコミ大作でこういう感想を持つのも不思議なんですが、今回ニューヨークの街がとても魅力的に見えたのがよかったです。スパイダーマンが駆け巡るビル街、橋、車などそういうものがただの背景にならずに街の生々しい息遣いを感じさせるものになっているのがすごい。街中でのエレクトロンとの戦闘シーンでも、街の人たちがたんなるモブではなくちゃんと様々な表情で動いているのも本当おこっていることのようなリアル感がありました。また、クライマックスで街が停電した時に空港や病院で、ニューヨーク市民が自分の持てる力でその苦難を戦うところもよかった。劇場版「仮面ライダーW FOREVER AtoZ/運命のガイアメモリ」で、仮面ライダーだけでなく風都の街の人々も力をあわせたくだりと似た感動を思い出しました。街の苦難の時、ヒーローだけじゃなくて、街の人々にもそれぞれの戦いがあるのです。
ちなみに、ムービーウォッチメンで「スパイダーマン」が選ばれたいい機会なので、ずっと未見だったサムライミ版「スパイダーマン」も全3作見ました。サムライミ版のさえないピーター・パーカー、とてもよかったです。面白かった。「アメージングスパイダーマン」とサムライミ版を連続して見て、「スパイダーマン」の魅力のひとつに「敵が不憫」っていうのがあるなと思いました。「アメージングスパイダーマン2」の敵役:エレクトロンも、普通の人間だった時に他人からないがしろにされる中、偶然街で救われたスパイダーマンに自分の名前を呼んでもらった感激からスパイダーマンフリークになり、誕生日には自分用のケーキをスパイダーマンが用意したという体で自分で用意して、一人芝居をうつという不憫キャラでした。ただ、「アメージングスパイダーマン」では、敵役が力を得たあとに不憫さが消えてしまうんですよね。サムライミ版は力を得て敵になったキャラが、また終盤不憫さを覗かせるところがなんとも哀しくてそこがよいです。なんやかんやいって、かわいそうはエンターテインメントだなと思いました。