2014年6月14日土曜日

ブルージャスミン(98分)

監督:ウッディ・アレン
原題:Blue Jasmine
プライドを守るためなら堕ちたっていい

名古屋シネマテーブル5月の課題作品だったこともあり、1ヶ月近く前に鑑賞済みだったのですが、今回タマフルのスペシャルウィーク企画ムービーウォッチメンズにて入江悠監督と駒木根隆介くんの課題作品になったいうことで、あらためて感想を書いてみたいと思います。
シネマテーブルの事前鑑賞会で「アニー・ホール」「カイロの紫のバラ」「世界中アイ・ラブ・ユー」を見ていたので、ウッディアレン監督の作品は今作で8本目の鑑賞でした。事前鑑賞会では1日に3本連続で鑑賞したのですが、意地悪な視点がありつつもうまい話運びと軽いタッチと尺の短さのおかげで疲れることなく楽しむことが出来ました。しかし、この「ブルージャスミン」は鑑賞後も後々ひきづる作品でして、ウッディアレンの旨さを再確認しました。
セレブから陥落した主人公のジャスミン(ケイトブランシェット)が、鼻持ちならないいけすかないヤツながらも彼女の姿の中に自分に似ているところを見出してしまい背筋がゾクッとなりました。一度は歯医者で働いたり、パソコンの勉強をはじめたり、と今の自分にとって地に足をつけた生活に進もうとしながらも、結局金持ちの妻という「元の自分」に戻ろうとする彼女の姿に、THE嫌なヤツが主人公の「ヤング≒アダルト」を思い出しました。「ヤング≒アダルト」は成長や変化しない道を選びながらも元々の自分に肯定感を得てエンディングを迎えるのですが、「ブルージャスミン」ではどん底まで堕ちてエンディングを迎えます。ただ、そんなジャスミンの姿を見て反面教師的に、「へんなプライドを守ろうとせずに、地に足つけてがんばろう」とちょっと元気づけられるから不思議。
映画の終盤まで隠されていた、ジャスミン自身が夫をFBIにチクったという事実。「若い女に旦那を取られた元妻」という立ち位置に自分がなることは決してプライドが許さず、セレブから陥落するであろう今後の生活など後先は考えずに思わずとったとみられる行動に、他人のプライドを踏みにじる言動を取るとどんな報復が来るか分からないから気を付けようと思いました。そして、私もプライドに固執し過ぎないように気を付けよう。