2014年7月31日木曜日

2014年7月に見たいくつかの映画

今月はブログに感想書いた映画5本、プラス4本。合計9本鑑賞しました。

ブログに書いた以外では、自らみんなで見る会を開いた「DOCUMENTARY of AKB48 The time has come 少女たちは、今、その背中に何を想う?」、以前小説を読んでいて気になっていた「私の男」、見逃しハスリングをようやく回収した「ホドロフスキーのDUNE」、知人が撮影をやっているということで足を運んだ「オオカミ少女の憂鬱」の4本です。

「DOCUMENTARY of AKB48 The time has come 少女たちは、今、その背中に何を想う?」は鑑賞会に10人以上集まりました。ありがとうございます。大組閣でとばされたコたちの現場での様子とその後どうやって物事を消化していったかが印象的でした。完全移籍になったゆりあちゃんのことももっと描いてほしかったな。
「私の男」は二階堂ふみがエロいし、浅野忠信がエロいし、パンチライン満載だしおすすめです。
「ホドロフスキーのDUNE」は、偉大なる未完成作品ってあるんだなぁと実感。「リアリティのダンス」も見なきゃいけないなぁと思いました。
「オオカミ少女の憂鬱」は、女子3人の会話劇部分が面白いのでそこばっかり見ていたかったです。

あと、シネマテーブルの企画で七里圭監督「眠り姫」も鑑賞しました。ほとんど人が映らずに物語られる映画。だけど、情景が強く心に残るから不思議です。なかなか見れない作品ですが、機会があれば是非おすすめします。

DOCUMENTARY of AKB48 The time has come 少女たちは、今、その背中に何を想う?
監督:高橋栄樹
敗者、そして、ドラフトにもそそがれる視線

私の男
監督:熊切和嘉
指をなめられたり、なめたり、なめたり
ホドロフスキーのDUNE
監督:フランク・パビッチ
原題:Jodorowsky's Dune
じじいが元気でなぜ悪い


オオカミ少女の憂鬱
監督:有馬達之
「なんで、あのコ呼んだの?」っていう飲み会あるある

マレフィセント(97分)

監督:ロバート・ストロンバーグ
原題:Maleficent
世の大半は、呪いが解けないキスだから

予告編やポスターの角の生えたジョリ姉さんの姿に、なんだか悪い予感がしていたのですが・・・さすがディズニー、昔ながらの「眠れる森の美女」の物語を新しい解釈でうまく料理してありました。しかし、アニメ版のマレフィセントに似せたとはいえ、角の生えたジョリ姉さんはどう見ても悪役にしかみえなかったです。
ディズニーが「アナと雪の女王」と「マレフィセント」と2作連続で、呪いを解くキスを「王子様から」ではなく「他の愛ある者」にしてきたことが興味深いところです。「アナと雪の女王」では王子からのキスは行われないまま終わるのですが、今回の「マレフィセント」ではいちおう王子からオーロラ姫にキスは行われます。が、客観的にみると森で一度おちあっただけの王子からのキスはおごりを感じるし、なんか犯罪の香りがするなあと思いました。旧来の物語では王子のキスで呪いが解けていたし、姫も産まれたてのひなどりがごとく王子を見初めていたからよかったけど、呪いが解けないと周りから「キスが下手なんじゃないか!?」「偽物!」と責められたりしてて、王子様もなかなか気の毒でした。
古来から語られる物語の悪役には、そうなる理由にたる物語があるというアイデアは面白いと思うのですが、その話を推進する影で新たな悪役になる者がわりとペラい人物描写になっていたのが残念でした。少年期にマレフィセントと恋におち、青年になって彼女を裏切り王の座を勝ち取るステファン側の話がもっとあると、どちら側にも心の葛藤が感じられてよかったような気がします。物語終盤で、ステファンは妃やオーロラ姫を愛していたようにも見えなかったし、国を守りたいようにも見えなかったし、マレフィセントへの怖れと憎悪を持つだけの存在になってしまっていたのが残念でした。それとも、権力におぼれる男って、あんなもんなのかな。

2014年7月25日金曜日

渇き。(118分)

監督:中島哲也
すっかりめんどくさい客に成り上がる

ほぼ満席の映画館で鑑賞したのですが、映画以前に観客のマナーが悪すぎて劇中の役所広司よろしくイライラがとまらず映画に集中できませんでした。
予告編上映中、近くの席の人たちが携帯触りまくってたのですが、「いや、まだ予告編だし、きっと本編では電源落としてくれるはず」と祈っていました。が、映画泥棒がはじまっても、真隣の客と斜め前の客がずっと携帯見てまして。たまらず、2人に「電源落としてもらっていいですか」と声を震わせて注意してしまいました。でも、注意した直後に隣の若い女性に「めんどくせー」とかつぶやかれた上、しばらくLINEを打ち続けられた。まじで心が折れて、本編開始30分くらいはそのことをくよくよ考えてしまい映画どころじゃなかったです。(こんなにくよくよするなら注意するんじゃなかったなー、でも、注意しないで後で嫌な思いするのも「あー、早く注意しとけばよかった」と後悔したはずだし、、、と自己嫌悪の無限ループにはいっていました)
ちなみに、私というめんどくさい客の空気を感じ取ってか本編上映中は周辺の席は静かでしたが、遠く離れた席では携帯のバイブのみならず、着信音、そして、映画館の中で電話をとって話す客まであらわれて、まじファッキンでした。いままで、色んな映画を映画館で見てきたけどこんなにひどいのははじめてでした中島哲也監督=マナーの悪い観客というイメージがついてしまいましたよ。あー、だれか映画中に携帯の電源切らない客が、映画中惨殺される映画作らないかな。
おぼろげにおぼえている映画のことですが、なんだかとても頭の痛くなりました。登場人物が全員一面的な心情しか感じられなくて、人間的深みを感じられなくてしんどかったです。あと、役所広司ってああゆう頭っからキレてるキャラクターはあんまりあわない気がします。「清須会議」での柴田勝家とかも色ボケ過ぎて頭がおかしい感じでしたが、なにか照れがあるところがよかったし。おさえた演技のほうがあう方なのかもしれません。
中島監督前作「告白」では劇中でAKBの「RIVER」が使われていましたが、今回はでんぱ組の「でんでんぱっしょん」が使われていて、4年という時の流れを感じました。しかし、あのドラッグ表現はなんかいまいち乗れないものがあった。キュートさよりも、なぜかダサさを感じました。

2014年7月19日土曜日

her 世界でひとつの彼女(126分)


監督:スパイク・ジョーンズ
原題:Her
キスの途中に言わなくてもいいこと

スパイク・ジョーンズ監督作品全然見たことないと思っていたのですが、確認してみたら「マルコビッチの穴」「アダプテーション」を見ていました。この2本は展開に「ギョッ!」とした覚えがあり、面白かった記憶があります。あ、今回の「her」で一番「ギョッ!」としたのはチャットセックスの「猫の死骸で首を絞めて!」という女性エピソードですね。猫の死骸で首を絞められたい性癖って、初めてきいたわ。意外な性癖に、サーっと冷める主人公:セオドアの表情がなんとも言えませんでした。(でも、イったふりしてた)人間の欲って、多種多様だなぁ。
この映画、OSとの恋愛の経緯よりも、ほぼ現在の空気のちょっとだけ未来に背伸びをした世界の描写に興味がそそられました。主人公:セオドアの職業・手紙代筆業っていうのが、さもありそうで面白かった。ひとりひとりが声で手紙を綴り、そしてそれを手書き仕様にうちだして、そしてポストに投函する。ポスト投函前に、「ピッ!」っと読み込むところとかが、本当にそういう仕事が存在している感じがしていてよかった。セオドアは過去新聞でコラムを書いていたこととか匂わしていたし、文才のある方々がライスワークとしてこういう仕事に付く日もくるのかもしれません。 
切なさというか痛さという意味で一番印象に残ったのは、セオドアが友達に紹介された女性とデートするエピソード。初対面同士の2人でひとしきりテンション高くしゃべり、酒を飲み、そのまま路上で抱き合いキスする。が、キスの途中「舌はいれないで」と彼女に言われて、ちょっと「?」と頭によぎりつつもそのままキスを続けてたものの、「あなた、やり逃げしないわよね!」「私もいい年だから結婚したいの」的なことを言われて、すっかり萎えて「ごめん」と言うとデートの相手にものすごいなじられて逃げ帰るセオドア。 その後、OS:サマンサに、このことで傷ついた自分の心情を「誰かにいい人間に見られたかったんだ」「誰かとSEXしたかったんだ」「心の穴が埋まる気がしたんだ」と語るところが男にもそういう心情があるんだなとあまり触れない男性の意外な心理を垣間見たようでした。と。あと、相手のことをあんまり好きじゃないっていうのもあるのかもしれませんが、あんな美人でも男に軽く見られたり遊ばれるのが嫌でああいう言わんでもいいこといっちゃうのかと思うと、自分はそうとう言わんでいいこと言って空回りしてる気がして怖くなりました。

2014年7月10日木曜日

オール・ユー・ニード・イズ・キル(113分)

監督:ダグ・リーマン
原題:Edge of Tomorrow
死んだ目で殺して

映画鑑賞後、自転車で帰路についたんですが、劇中何度も何度も死んでリセットするトム・クルーズ見ていたせいか「死んでも、生き返れるんじゃね!?」という妙な感覚にとらわれ通常より車道中心でアグレッシブにペダルを漕いでしまいました。自転車通勤をしているので「こんなんじゃ、いつかホントに事故っちゃう!」とドキドキしましたが、一夜寝て起きたら、ちゃんといつもどおりの感覚に戻っていてホッとしました。
去年のトム・クルーズ主演映画「オブリビオン」は「トム・クルーズがいっぱい!」でしたが、今回の「オール・ユー・ニード・イズ・キル」では「トム・クルーズ、無限死!」で、やっぱトム・クルーズはただものじゃないなと思いました。どういうとんでもないシチュエーションでも、彼ならではのちょっと嘘くさい説得力で呑み込まされちゃう気がします。この2つが同じ世界だったとしても、なんなくやりきりそうです。
やたら強いキャラクターを演じることが多いトム・クルーズですが、今回はヘタレキャラで新鮮でよかった。
戦闘地域での撮影を拒んだことが原因で無理やり配属された最前線軍隊。そこでの海岸奇襲作戦でいとも簡単にあっさり死ぬトム・クルーズ。戦闘経験がない人が無理やり戦争に連れ出された時のあわてふためきと、即死ぶりが見れました。安全装置が外せずにワタワタするトム、かわいかった。訓練を抜け出そうとして、横を走る車をゴロゴロすり抜けようとして車にひかれるトムもかわいい。そーいえば、あのシーンだけトムが死んだ後に隊長が「馬鹿か!」とか言ってなじるんだけど、このタイムループはリセットした後もトム・クルーズ以外の時間は存続したままなのかな。しかし、こういう面倒なことを考えると、「ルーパー」ブルース・ウィルスの「タイムトラベルのことなんて、どうでもいいんだ!」というの叫びが頭をよぎり思考がかき消されるようになってしまいました。
ともあれ、冷たい目をしたヒロインのエミリー・ブラントに何度もリセットaka殺されるトム、何度見ても心地よかったです。あと、世界総力戦争における兵隊キャンプの多国籍っぷりが違和感なくてよかった。みんな、英語なまってたな~。

2014年7月5日土曜日

オールド・ボーイ(103分)

監督:スパイク・リー
原題:Oldboy
すべて知ってる驚きの展開

5年以上前にDVDでパクチャヌク版「オールド・ボーイ」は鑑賞していました。ずいぶん前に見たので詳細は忘れましたが、ストーリーの大筋は覚えていたので、今回のスパイクリー版「監禁」にも「開放」にも「娘」にも驚けなかったです。やっぱり一度知ってしまったことは頭からすっかり消すことは出来ないんだな~と実感しました。パクチャヌク版を見た人ならだれでも、解放後の初対面で「あ、この子が娘やね!」と思ってしまうでしょう。ちなみに、科学館の展示で見たことがあるのですが、驚きとともに知った事柄は記憶に残りやすいようですよ。なので、驚きの結末が待つこの映画のオチは忘れたくても忘れられないでしょう。
「オールド・ボーイ」に関していえば、スパイクリー版よりも、パクチャヌク版のほうが好きです。ただ、昨年パクチャヌクがハリウッドデビューした「イノセント・ガーデン」よりはスパイクリー版「オールドボーイ」のほうが好きだったりする。自分の好みって、監督性よりも筋そのものを重視してるのかなと感じました。得体の知れない人に目的もわからず長期監禁される、、、多分これが個人的に好きな筋です。
今回の「オールド・ボーイ」は前半のどうしようもないおっさん描写から、監禁生活がけっこう好きです。
ウォッカをファーストフードのドリンクカップにいれて、仕事中もアルコールを摂取して暮らすバツイチ下衆野郎の主人公。商談に失敗して、路上で寝嘔吐するほど酩酊するどうしようもなさ。あまりにどうしようもなくて、監禁後食事とお酒が差し入れられる生活に「こっちの暮らしのが楽でよくな~い?」って思っちゃいました。でも、夕飯が餃子ばっかのは嫌だな。私、餃子好きだけど、映画に出てくるアメリカの餃子は丸っこくてなんか美味しくなさそうに見えました。
あと、人肌恋しすぎて、ネズミを可愛がるおっさん描写もかわいかった。子供を産んだネズミを丸まってスリスリするおっさんかわいい。かわいいおっさんが見れなくなるから、ねずみを殺された時は私も哀しかったです。

2014年7月4日金曜日

2014年上半期シネマ・マイベスト10

2014年上半期ももう終わってしまった。ということで、上半期の個人的ランキングを書いておきます。
劇場で見たのは、41本。去年は上半期が終わった時点で40本一昨年は44本なので、だいたいこのペースですね。1ヶ月平均約7本。

ランキングとかんたんなコメントを書いておきます。年末に鑑賞映画を振り返ると、上半期のランキングをけっこう無視したランキングになるので、あくまで暫定です。これが、いまの気持ちだよ!

1位「ビフォア・ミッドナイト」
1日のうちにビフォアシリーズを通しでみたという贅沢な経験をしたことと、18年を1日で体感したことにより「ビフォア・ミッドナイト」のような男女の境地に至る崇高さがしみじみ感じられました。1位として、拝んでおきたいと思います。9年後の続編に期待。
2位「ブルージャスミン」
ウッディアレンの鑑賞作品のなかでずば抜けて好きです。他人事と思えない脇汗にじっとり。
3位「WOOD JOB!(ウッジョブ) 神去なあなあ日常」
またまた、伊藤英明が好きになってしまいました。一緒にお酒を飲んで「お前の話つまんないんだけど!」と馬鹿にされたい男ナンバー1です。
4位「ドラッグ・ウォー 毒戦」
ノーリスクノーリターンを2回言うのが好き。心の中でよく真似してます。聾唖の兄弟、超クール&かわいい!
5位「アクト・オブ・キリング」
見たことのないものを見た驚き。映画でしか実現不能なものだと思います。
6位「劇場版テレクラキャノンボール」
単純に面白い。個人的には全く見てこなかったAVというジャンルの間口が開きました。
7位「ウルフ・オブ・ウォールストリート」
んーんー、ドンドン!んーんー、ドンドン!ずっと、やっていたいキラーチューン。
8位「それでも夜は明ける」
吊られっぱなしで見て見ぬふりされるシーンが好きなのです。生きるために、見捨てるしかない残酷な時間。
9位「ドン・ジョン」
すげー好きなんですけど、周りに見た人がいなくて。だれか見た方、ポルノの話をきかせてほしい。
10位「5つ数えれば、君の夢」
「きみって、美意識高いよね」は、今年の流行語大賞有力候補です。