2014年7月31日木曜日

マレフィセント(97分)

監督:ロバート・ストロンバーグ
原題:Maleficent
世の大半は、呪いが解けないキスだから

予告編やポスターの角の生えたジョリ姉さんの姿に、なんだか悪い予感がしていたのですが・・・さすがディズニー、昔ながらの「眠れる森の美女」の物語を新しい解釈でうまく料理してありました。しかし、アニメ版のマレフィセントに似せたとはいえ、角の生えたジョリ姉さんはどう見ても悪役にしかみえなかったです。
ディズニーが「アナと雪の女王」と「マレフィセント」と2作連続で、呪いを解くキスを「王子様から」ではなく「他の愛ある者」にしてきたことが興味深いところです。「アナと雪の女王」では王子からのキスは行われないまま終わるのですが、今回の「マレフィセント」ではいちおう王子からオーロラ姫にキスは行われます。が、客観的にみると森で一度おちあっただけの王子からのキスはおごりを感じるし、なんか犯罪の香りがするなあと思いました。旧来の物語では王子のキスで呪いが解けていたし、姫も産まれたてのひなどりがごとく王子を見初めていたからよかったけど、呪いが解けないと周りから「キスが下手なんじゃないか!?」「偽物!」と責められたりしてて、王子様もなかなか気の毒でした。
古来から語られる物語の悪役には、そうなる理由にたる物語があるというアイデアは面白いと思うのですが、その話を推進する影で新たな悪役になる者がわりとペラい人物描写になっていたのが残念でした。少年期にマレフィセントと恋におち、青年になって彼女を裏切り王の座を勝ち取るステファン側の話がもっとあると、どちら側にも心の葛藤が感じられてよかったような気がします。物語終盤で、ステファンは妃やオーロラ姫を愛していたようにも見えなかったし、国を守りたいようにも見えなかったし、マレフィセントへの怖れと憎悪を持つだけの存在になってしまっていたのが残念でした。それとも、権力におぼれる男って、あんなもんなのかな。