2014年8月9日土曜日

思い出のマーニー(103分)

監督:米林宏昌
依存しあう少女たちは痛々しく美しい

感想を書くにあたり、さきほど予告編を見返してみたんですが、台詞抜きで美しいシーンが連続して見られる予告編のほうが本編そのものよりも格段にいいなあと思いました。予告編は美味しいとこ取りっていうのもあるのですが、本編は主人公のちょっとした心情を台詞で説明することが多く、表現の受け取り方が限定されるように感じました。ひとりっきりの時の独り言で「帰らなきゃ」とか「めんどくさい」とかそーゆー台詞はいらなかったような気がします。もっと絵?演技?で見せてくれてくれたほうが情感深くてよかったです。
原作未読なのですが、原作の設定通りと思われる最後に分かるマーニーと杏奈の関係性の秘密にちょっと萎えてしまいました。マーニーと杏奈が血のつながりがあるから特別に惹かれあったと思うと、ちょっとつまんなく感じてしまいました。物語序盤は自分にだけ見える友達と異様に打ち解ける様子に、「「クロユリ団地」っぽいやつか!?」とホラー展開を期待してワクワクしていたりもしたので余計に残念でした。
とはいえ、海が満潮になった時にボートを漕いでやってくる秘密の友達との逢引のシーンはとても美しくて、「あなたのことが大好き」「あなたになりたい」とお互い依存し合う少女たちには胸が苦しくなる美しさがあってよかったです。今年見た東京女子流主演「5つ数えれば君の夢」でも、所有欲にも似た強い欲求で友達に依存する少女たちが見られるのですが、そうゆう思春期の痛々しい少女たちの様子は大人になって見るとなぜだかとても美しく感じるものだなあと思いました。
マーニーと杏奈にぴったりのイメージの少女を考えてみたのですが、モーニング娘。‘14の佐藤優樹と工藤遥でどうでしょうか。天真爛漫なまぁちゃんに、困り顔で翻弄されるくどぅのカップリングはなかなか良いです。とてもよい評判をきいている「LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇」も早くDVDで見たいなぁ。