2015年3月5日木曜日

幕が上がる

監督:本広克行
上映時間:119分
パンフレット:★★★★★(1080円/「高い!」って思ったけど、映画の世界界を補完する資料やインタビューがはいってていいパンフレット。ももクロメンバーがリレー式に書いた直筆の手紙画像もついてます)

どこまでもいっても、いつまでたっても、彼女たちは全力少女

「幕が上がる」、出来れば見るのを避けたかった映画でした。
というのも、私、3~4年前にこの映画の主演を務める ももいろクローバーがものすごい好きだったんです。ですが、いまはすっかり興味がなくなってしまってまして。一時期強烈に好きだったものに興味がなくなると、その対象物を見るたびに恥ずかしいような後ろめたいような気持ちになることってありませんか。(これ、私だけかな?)今の私にとって、ももいろクローバーがそれです。
2010年10月に名古屋にライブに来たももいろクローバーに心を奪われ、次の年の2011年には早見あかり卒業コンサート、極楽門と遠征してライブを見に行きました。が、その年の12月のさいたまスーパーアリーナの演出の趣味に合わなさに彼女たちから徐々に心が離れていきました。とはいえ、2012年12月の紅白くらいまではテレビやネットで彼女たちの情報は追っていましたが、最近は心離れした自分の薄情さと熱くはまっていた過去の自分への気恥ずかしさから、なるべく見ないようにしてきました。
ですが、今回ムービーウォッチメンの課題作品になったということで、自分のつまらない自我には目を瞑って、ひさびさにももいろクローバーと2時間向き合わさせていただきました。
何事にも全力でぶつかっていくももいろクローバー、売れた今現在もその全力感が色あせてなくてすごいなぁとあらためて感動しました。ももドラの時とはうってかわって、演技がものすごいうまかった。パンフレットによると、全員台本を丸暗記して現場にきていて、現場では台本をまったく開かなかったとか。。。なんすか、このがんばり。既に売れてるのに、もう大人といえる年齢なのにいまだに全力少女な彼女たち、、、頭がさがります。
で、映画の感想ですが、高校演劇に興味が沸く青春群像劇の快作だと思います。高校演劇の大会が特殊な日程であることや、当日準備の緊張感、演出家の仕事の悩みや楽しさが伝わってきました。もう参加資格はないけど高校演劇やってみたくなったし、見に行きたくなりました。
主人公のさお演じる百田夏菜子が、ももいろクローバーの各メンバーと2人きりになるシーンがよかったです。特に有安杏果とのシーンがよかった。なんというか、有安杏果が人の顔色を伺う表情って、見てるこっちもちょっと不安になるしスクリーン映えします。玉井詩織とひとつのベッドで寝るシーンも、さすが一緒に寝慣れてるというか不自然じゃないドキドキ感があってよかったです。
ただ、この映画、ファンサービスのつもりなのかよかれと思っていれているっぽい演出が、薄ら寒いのが残念でした。職員室のシーンになると必ず出てくるももクロのグッズを持ったフジテレビアナウンサー、彼女たちの保護者役を務めるももクロ関連の豪華キャスト、役のイメージとはあわない百田夏菜子的誤字と、映画のストーリーが頭にはいってきずらくなるノイズがもったいなかったなぁ。
あと、多用される百田夏菜子のモノローグも、彼女自身がちゃんと演技できていたのであんなにつけなくてもよかったと思います。もっと自由に彼女たちの演技を楽しみたかったです。
でも、余計なことして、ちょっとお客さんをしらけさせる演出をいれちゃうのは、ももいろクローバー周辺のおじさんたちの悪い癖なのかもネ。(彼女たちへの愛ゆえの”よかれ”演出なんだと思いますが・・・)