2015年3月21日土曜日

アメリカン・スナイパー

彼が生きていたらのもしも

監督:クリント・イーストウッド
原題:American Sniper
上映時間:132分
パンフレット:★★★★☆(820円/読んでるうちに自分の感想がどんなだったか忘れるくらい、インタビューやコラムが充実している)

戦争映画はあまり好んで見にいかないので数えられるほどしか見ておらず、この作品もムービーウォッチメンの課題作にならなかったら見にいかなかったかもしれません。これより前、一番最近に見た戦争映画もムービー・ウォッチメンの課題作で見た「ローン・サバイバー」でした。「ローン・サバイバー」も、この「アメリカン・スナイパー」と同じく最近の実話を使った戦争映画で、今の戦争を映画化するのがアメリカじゃ流行ってるのかなと感じました。そして、映画を見るまで、そんな事件も人物も知らなかったというのも、2作品とも共通してました。アメリカでは、きっとかなり知られた事件や人物なのかな。「アメリカン・スナイパー」は「現代アメリカと戦争」についてなんとなくイメージが持てる映画で、勉強になりました。
嫌でも考えてしまうのは、映画化が決まった後に殺されたという主人公のクリス・カイルがもし現在も生きていたら、この映画はどんな結末で締められていたのだろうということ。終盤、クリス・カイルが殺された後に彼を悼み称えるアメリカ国民の実際の映像が使われていて、イーストウッドはそうは意図してないんだろうけどアメリカの英雄譚を見たような感覚をもちました。もし、彼が生きていたら、もっと戦争に対して批判精神をあらわにするような終わり方になっていたんではないでしょうか。
以前「ハート・ブレイカー」を見た時も、戦争から帰ってきた軍人の通常生活での所在なさを感じましたが、この作品ではもっと具体的に戦争をしにいくことでどのくらい心が蝕まれるかを感じることができました。生活音がイレイザーヘッド並みに大音量で聴こえたり、同僚の葬式帰り嫁の質問に冷たい機械のような返答したり、帰国した時にすぐに家に戻れなかったり、戦争に行ったら普通にはなかなか戻れないんだなぁ。障害を負った退役軍人が、リハビリに銃を撃っていたのも興味深かったなぁ。