2014年8月28日木曜日

STAND BY ME ドラえもん(95分)

監督:八木竜一/山崎貴
彼はバッドエンディングでも結婚する

泣かせる気まんまんの予告編を見た時は「絶対に、絶対に、絶対に見たくない!」と思っていたのですが、ムービーウォッチメンで課題作品になってしまったのであきらめて見に行きました。冒頭に映る3DCGで描かれるのび太の家が違和感なかった時点で「あ、けっこう大丈夫そう」って安心しました。「ドラ泣き」はしませんでしたが、そのまま案外と楽しくみました。(「ドラ泣き」ポイントをひっかかりなくスルー出来たから、ムカつかなかったというのもあるかもしれません)
まるまるしたドラえもんがかわいかったし、登場人物たちの舌ベロにぬめっとした質感があって美味しそうでした。ただ、3DCGで描かれる未来の町並みは、スポンサーであろうPanasonicとTOYOTAの看板ばっかりがやたら映るせいもあって、ちょっと描き込みが少ない感じで残念でした。やっぱり、スポンサーとるなら中途半端な社数じゃなくて、トランスフォーマーみたいにガッツリやったほうがいいのかもと思いました。あと、「映画のジャイアンはいいやつ」っていうドラえもん映画あるあるだと思うのですが、今回は普段通りの乱暴なジャイアンだったせいもあり、3DCGで空き地で暴れるジャイアンが「悪人」のピエール瀧に見えてしょうがなかったです。クライマックスの殴り合いで、のび太が土に埋められちゃうかと思ったよ。
映画のドラえもんというと「何か大きな事件がおきて別の世界で戦う」というものが多いですが、今回のドラえもんは「のび太の孫の孫せわしくんがドラえもんをのび太の元に送り、ドラえもんがのび太の幸せを実現し、そして未来へ帰る」までを基本的なエピソードをおさえて描いたものでした。
「ドラえもんがなぜ未来から来たか?」とか「のび太の幸せとは何なのか?」というドラえもん基本定理をあらためてじっくり確認すると、「30代未婚・子なしの私のとこには、未来の孫の孫が私の幸せを案じてドラえもんを送ってくることはないんだな・・・」と子供の頃には気付かなかった別次元でのドラえもんありえない説を発見して、「ドラえもーーーん!!!」と叫びたくなりました。ドラえもんというテコ入れがなくても、ジャイ子と結婚出来てるのび太すげえと思ったり、ジャイ子との結婚を嘆くのび太にムカついたり、完全に子供の頃とは別次元でドラえもんを見ている自分が悲しくなりました。唯一救いだったのは、のび太と結婚しなかった未来を生きるジャイ子が漫画家としてイキイキとしていたこと。自分との結婚が不幸だと嘆くしょうもない男との人生よりも自分次第ではもっと楽しい人生が送れるはず。。。と勇気付けられました。