2015年6月12日金曜日

予告犯


監督:中村義洋
上映時間:119分
パンフレット:620円★★★★☆(映画のあらすじが新聞記事風にまとめてあったりしてて凝っている)

未来の戸田恵梨香は、今

「なんかこういうネットを使った匿名複数犯の犯罪モノって、昔「踊る大捜査線」でみたことあるよな~」と予告編を見た時にちらっと思ったんですが、映画見たら、力なき庶民の正義感の暴走vs権力のもとの正義による取締りっていう構図がやっぱりちょっと既視感ありました。この「予告犯」では正義感の暴走にみせかけて本当は他に別に目的があるっていうオチだったのですが、回想で登場するキャラクターが現在のシーンではまったく出てきていないため、最後のオチがなんとなく読める部分もあり、個人的には興味の持続があまり続かずあまり楽しめませんでした。

「もっと面白くなりそうなんだけどなぁ」と感じさせてくれるシーンはけっこうあったのですが、いまいち毒っけがなくってあっさりとしていて残念でした。戸田恵梨香が生田斗真を追いかけるシーンとか派遣労働される産業廃棄物処理場で雇い主を全員で殺すシーンとか、もっとダークなトーンで撮られていたら、けっこう好きな映画になっていたように感じます。戸田恵梨香が生田斗真を追いかけるシーンは、2人とも実際すごい走って撮影しているのにいまいちその息切れ感が伝わってこなくてもったいなかったです。また、雇い主を殺すシーンは、バックで感動的な音楽が流れていて、観客の感情の誘導があざとくてけっこう興ざめしました。この題材で韓国で取ってたら、けっこうグロくて面白い映画になっていた気がするんだよなぁ。

「エイプリルフールズ」「駆込み女と駆出し男」「予告犯」と続けて戸田恵梨香主演作品がムービーウォッチメンの課題作品になったこともあり、ここ3ヶ月の間に戸田恵梨香をスクリーンでと続けてみるのですが、作品自体にクオリティの差があるもののその映画に求められる役を担いきる戸田恵梨香の演技力と仕事への真摯な姿勢に頭がさがる思いがしました。あまり出来がよくない映画であってもひとつひとつの役柄を大事にすることで、いい作品の役も手に入れている戸田恵梨香を見て、AKB48総監督 高橋みなみが選挙の演説で言っていた「未来は今なんです!」って言葉を思い出しました。どんな場面でもがんばる人でないと、なかなかチャンスはつかめない。