2014年1月25日土曜日

ドラッグ・ウォー 毒戦(106分)

監督:ジョニー・トー
原題:毒戦 Drug War
大切なことなので<逆にして>2回言います

ジョニートー監督作品はここ最近の「冷たい雨に撃て、約束の銃弾を」「MAD探偵 7人の容疑者」「奪命金」は見てるのですが、この「ドラッグ・ウォー」を見て「やっぱりジョニートー監督の銃撃シーンは、まちがいない!」と確信しました。今回は、銃撃シーン2回きりなのですが、どっちもものすごくよかったです。
クライマックスの幼稚園前の銃撃シーンも面白かったですが、個人的には聾唖の兄弟の銃撃シーンのほうが好きでした。TVを見てくつろぐ兄貴とトイレで用を足す弟、その生活感あふれる場面から警察に襲撃されての銃撃シーン。2人とも聾唖であるため、襲撃に気が付くのが遅く、特に弟は防弾チョッキに当たった弾痕を見て気が付く。気が付くのが遅いしコレは即死だろうなと思いきや、家に隠し持ったマシンガンを身じろぎもせずパジャマ姿で警察にぶっ放すクールさ。「先生には世話になったから!」と大量の紙幣を燃やす兄弟の姿はキュートだったし、あの2人の兄弟には最後まで生き残ってほしかったなぁ。
主人公役のルイス・クーが常に半泣き顔なのでこいつには何か裏があるのかなと思いきや、最初から最後まで「自分だけは生き残りたい」というものすごくシンプルな動機しかなかったのもよかったです。麻薬捜査官のスン・ホンレイが敏腕すぎて、ラスト彼が死んでも全然悲しい気持ちにならなかったのもなんか新鮮でした。
あと、7人の黒幕がドラッグ売買の儲け話に乗るか乗らないかの相談をするシーンでは、声を出して笑ってしまいました。7人の中のブレーンとされているファットが儲け話に乗るべきか乗らないべきかの意見を聞かれ、「ハイリスク、ハイリターン」と返答。それに続けて何か重要なことを言うのかと思いきや。。。「ハイリターン、ハイリスク」と同じ事を逆にして2回言ってのける。しかも、なぜかそれに納得してしまう他の6人。「なんやソレ!」と笑ってしまいまいた。でも、大切なことを<逆にして>2回言うのは真似してみたくなりました。「ごはん、おかわり!」「おかわり、ごはん!」とか。