2012年2月15日水曜日

DOCUMENTARY of AKB48 Show must go on 少女たちは傷つきながら、夢を見る(121分)

監督:高橋栄樹

私は女性アイドルが好きです。
「まじスカ」や「BUBKA」で興味を持ち、関連グループ含め劇場公演・LIVE・握手会等々に何度か参加しているので、AKB自体も結構好きといっていいと思います。
そんな私が、「今回のAKBの映画、イイよ!」と言っても、「どうせ、お前はアイドルヲタだからな!」とあまり取り合ってもらえないでしょうが・・・この映画、本当におもしろいです!
前作のDOCUMENTARY of AKB48 to be continued 10年後、少女たちは今の自分に何を思うのだろう?」 は、「売れてるグループって、各メンバーにクローズし深みをもたせられるからいいわね」というくらいの感想でしたが、、、
今回の映画は、AKBが嫌いな人でも楽しめる素晴らしい映画だと思います。

「AKB・SKEはアイドルっていうより群像っていうジャンル」というコンバットRECさんの耳から鱗な言葉があるのですが、各メンバーを切り取るという側面が強かった前作と違い、今作では日頃のAKB以上に群像としてのカオスな部分が見れて、それがどうしようもなくおもしろい。

特に、西部ドーム2日目のバックステージの様子が壮絶。舞台裏での様子は、皆わけがわかってやっているとはとてもみえない。そして、過呼吸や熱中症で次々と倒れるメンバー。まるで、臨戦状態の兵隊キャンプのようです。わけもわからず瀕死の状態なのに、みんなどんどん出陣していく。。。
直前までステージ上でも過呼吸状態だった前田敦子が、「フライングゲット」でスポットライトがあたった瞬間、信じられないほど輝く姿はがとても美しくてとても怖い。「ブラックスワン」ナタリーポートマンの「It was perfect 」という台詞が聞こえてきそうでした。
また、前田敦子や大島優子とはまた違う意味でAKBを背負っている高橋みなみの存在の大きさにも気が付かされました。よく聞く「AKB48とは、高橋みなみのことである(秋元康)」という言葉を、今までは「なんのこっちゃい!」と思っていましたが、たしかにこのリーダーならそう言ってもいい。これからは、理想の上司欄に高橋みなみと書こう。

ただ、この映画鑑賞後に「…で、だからAKBって最高でしょ!」とはなりません。いや、そこがまた素晴らしい。
正直、アイドルという「存在」の持つ素晴らしいさをその外部の人にこれ以上に伝える映画は、今までなかったと感じます。
しかし、アイドルとしての「人生」に対する疑問符はより大きくなりました。
主要メンバーの舞台裏でみせる吹っ切れた凛凛しい表情と違い、まだうすぼんやりとした表情のチーム4のリーダーや311で被災した研究生を見ると、彼女達が「夢を追っている」とは思えないのです。正直、「自らに呪いをかけている」という言葉のほうがしっくりきてしまいます。
これは、決してAKBの販促映画ではなく、「彼女たちの人生はこれからどうなっていくんだろう?」そういう疑問をありのままに映し、こちらの地平までも揺るがす映画なのです。
それにしても、AKBは素材をオープン化して、外部の人に料理させるところが素晴らしい。
これからもアイドル発のこういうモノをみたいので、AKBにはもっともっと上へいってほしい!

2012年2月14日火曜日

ものすごくうるさくて、ありえないほど近い(129分)


原題:Extremely Loud and Incredibly Close
監督:スティーブン・ダルドリー

お友達から試写状をいただいて、公開前に見てまいりました。小説未読の状態で鑑賞。

鑑賞後に思ったのは、「「その街のこども」って、すごかったんだな」ということ。
若干強引ですが、この2作「理不尽な出来事で近親者をうばわれた者が、その街を歩くことを通じて心の交流と回復を得る」と共通点をまとめることが出来ると思うのです。
より短く小さいモチーフでありながら、より強く「その街のこども」に心に訴えかけられました。それは、まぁ私が日本人だからっていうのもあるかもしれないのですが…類似のテーマのものを見、「その街のこども」は思っていた以上にスゴイ作品だったんだなと再確認させられました。

「ものすごくうるさくて ありえないほど近い」は、原作で大きく広げられている風呂敷が映画でうまくたたみこむことが出来ていないのではないかという印象を受けました。いや、逆に原作への興味はそそられ、とても読みたくなりましたが。原作は、本ならではの仕掛けがあるともきくので、とても気になります。


しかし、試写会に行くのひさびさだったんですが、試写会の客ってものすごいマナーが悪いのね。
エンドロールのとたん、いっせいにたちあがり、大声で感想をしゃべるのにびびったよ。
せっかく、公開前に見る特権を得ているんだから、映画をもっと大切に見てあげてほしいなぁ。

2012年2月10日金曜日

劇場版「テンペスト3D」(149分)

監督:吉村芳之
原作未読、ドラマ未見、もちろん舞台も未見という、テンペスト処女状態で見てきました。
「これだけ各メディアで作品化されているのだから、もしかしたら面白いのかな…」とちょっと期待したのですが、残念ながら去年の「セカンドバージン」と同じく「NHK・税金でなにやっとんじゃい!」映画でした。
まぁ、鑑賞後にNHKドラマの公式サイトを見直したら、セカンドバージンと違って、完全にドラマの再編集版っぽいからお金はあんまり使ってないのかもしれないですが、それはそれで「映画にすんなよ!」って感じで腹立たしかったです。(「その街のこども」は素晴らしかったのになぁ)


乗れないところは色々ありますが、まずどうして3Dにしたのかが謎。
3D化ときて、冒頭が出産シーンだったので、「コレは、ものすごいものが3Dで見れるかも!奥行き系?飛び出す系?」とちょっと期待したのですが、外でへんな龍がうごめいているうちにもう赤ん坊産まれてた。。。つか、3Dにしたのって、龍を飛ばしたかったからだけなの???リアリティ寄りの歴史劇に龍とか別にいらないし。こんなんだと、鑑賞料金UPのための3D化と言わざるえないよ。。。
次に、上映時間が149分と超長いくせに、結局終盤テロップで話をまとめるという手癖の悪さも嫌い。「こうして、琉球は沖縄になった」って文字で説明すんなよ。映画見る人を舐め切ってる。片手間に楽しむTVだったら許せる演出も、映画だとしらけるものなんですよ。
あと、見せてほしいところを見せてくれないのも嫌。
謀反の罪で捕まる父親の断首シーン全カット、仲間由紀恵のおっぱいも謎の龍で見切れ、GACKTの強姦シーンの豪快なはしょり、高岡早紀の遊女シーンもカット。
もう、これ全部見せてくれたら、文句言わないに!


でも、撮り方次第ではこの作品、映画としておもしろくなりそうな気もします。
女なのに宦官と偽って宮入りし、周りの男がどんどん虜になっていく真鶴&孫寧温(仲間由紀恵)をもっとエロい感じでやるとか。仲間由紀恵では爽やか過ぎる。沖縄出身の女優で、、、っていったら、満島ひかりちゃんでやるとか。ひかり力で、全然違うテイストの作品になりそう。一気に見たくなってきました。
で、刃がしかけられた扇で人を殺しまくる神女:聞得大君(高岡早紀)と女を抱くために宦官になった清の役人:徐丁垓(GACKT)のエピソードをもっと毒毒しくやってほしかった。このキャスト、意外性があり、かつ、はまってるだけに、あれだけではもったいなかったです。血みどろになる高岡早紀と女を犯しまくるGACKTが見たかったです。
このテンペストだったら、愛せそう。でも、NHKでは流せなさそう…

2012年2月3日金曜日

J・エドガー(137分)

原題:J. Edgar 監督:クリント・イーストウッド


「ヒア アフター」に続き、またクリント・イーストウッドにしてやられた!
予告編から連想するイメージと全然違う映画じゃないか!? 
予告編だと「FBIを創始した実在の人物:ジョン・エドガーの社会派サスペンス」を想像していましたが…
配給会社の「こ・これ、どう売ったらいいのかしら・・・」という苦悩が透けてみえた気分に。といっても、コレはコレでおもしろい。ミスリード宣伝は案外笑えて好きです。
いや、正直想定外の展開にビックリしましたが、不思議と主要メンバー全員が幸せになってほしいなと思える映画でした。

「強い母親と無理やり矯正を受けた子供」、そして、「あるべき自分と本来の自分」、物語全体から「英国王のスピーチ」と「ブラック・スワン」をかけあわせたような印象を受けました。特に「女とダンスを踊りたくない」くだりから「女装した少年のエピソード」で、その2作品を強く想起しました。

この他にも「リンドバーグ愛児誘拐事件」があったり、青年期のエピソードは盛りだくさんなのですが、自分的にはこの映画の要は、老人期のトルソンくんにありました!
青年期のトルソンくんは常時憂いを込めたつぶらな瞳をしていて、「ソーシャルネットワーク」双子兄弟役と同じ人とは認めたくないほど。
が、そんな美青年が、立派によぼよぼで頼りない老人に!あんまり変貌のないJ・エドガーに対して、見事な変貌振っぷり!

老いた2人が在りし日のように競馬観戦をする姿をみて、「大切な人と一緒に齢を重ねること」にとても憧れました。
脳卒中でトルソンくんが障害をかかえてからも、「ちゃんとしゃべれ!」「威厳を持て!」といつまでもツンツンで素直になれないJ・エドガーに「誰の前で嘘をついてもいいんだ。ただ、僕の前では嘘をつかないでくれ」と心を叩き続け・支え続ける、けなげなトルソンくん。
ちょっと綺麗過ぎる展開かとも思いましたが、劇中のトルソンくんが「愛している」という言葉を最後に受け取れてよかったなぁと安心しましたよ。

2012年1月24日火曜日

ノルウェイの森(133分)

監督:トラン・アン・ユン

「今さら映画化なんて、どーせ「カネ」がらみでしょ」と半笑いで見に行った自分を深く反省。 とてもよかった!
別に「ノルウェイの森」ファンでもなく、ハルキストでもないのですが、文学の映画化としてここまで出来るのかと感動です。原作は20年近く前に一度読んだきりでぼんやりとしか内容をおぼえていなかったのですが、原作を読み返したくなりました。

特に気に入ったのは、直子の最期からワタナベの海の嘆きのシーン。
気分が悪くなる場面で、本当に気持ち悪くなる音楽をかける。そして、悲しみを役者さんのリアルさのある全力の演技でみせる。見てる側は、どんどん気分が重くなる。それが本当に、ずしんとくる本を読んでいる時の感覚に近くてよかったです。

ただ、デートムービーとしてはおすすめできません!
女子目線で考えると、「私、そんなにSEXのことばっかり考えてないんだからね!」という反抗心が生まれてきちゃうと思います。
いや、本当はそういうことばっかり考えて生きていきたいものですけどねぇ。

2012年1月20日金曜日

ヒミズ(130分)

監督:園子温
原作未読で映画館へ。

津波で廃墟となった街がうつるオープニングで、原作を知らない私でも園子温監督が現実から目をそらすことができず「今」を映画の中に織り込んだことが見て取れました。
3.11から1ヵ月後の被災地に程近い土地で展開される物語。
コトの発端からまだ1年もたっていない世界がスクリーンにひろがっていることは驚きでしたし、そうせざるえなくなった作り手側の真摯さに胸が打たれました。「冷たい熱帯魚」「恋の罪」と3作連続で映画館で見てきましたが、園子温監督作品はこれからもリアルタイムで見ていこうと本作で強く心に決めました。

ただ、その織り込みが物語としての成功をあげていたのかはちょっと微妙。
父に「オレ、お前のこと、本当にいらねーんだよ」と言われる住田、母に「死んでくれない?」と言われる茶沢の縁取り難い絶望とそれに対する反抗のせつなさが、「どんずまりのノンフィクション」を前にするとやはりどうしてもフィクションに感じてしまう。
そして、やはり「現実」を共有する者として、映画の中にいる人々にエールをおくらざる「えない」という気分になってしまう。震災を織り込んだことで、絶望を共有して終わることが許されない作品になってしまったように思います。

「冷たい熱帯魚」が大好きなので、「冷たい熱帯魚」キャストによる死霊キャンピング超萌えました。みんなでマラソンするとことか、「ゲ、ゲ、ゲ、ゲ、ゲのゲ~、夜は川辺で運動会♪」とあいつらの死後の世界を思いながらニヤニヤ。

でんでん様の白スーツも超きまってて、しびれるなぁー。
あぁ、だから、そう、みんな素直になっていったんこう言っちゃえばいいと思います。
「オレモ、シアワセになりた~い!」って。・・・ そのために、「あとは、お前でがんばれ!」

2012年1月17日火曜日

人生万歳!(91分)

原題:Whatever Works 監督:ウディ・アレン

20101229日に見たのですが、年末に見るのにピッタリで、すごい心があたたまりました。

「あらゆる幸せはすべてつかの間だ。だからこそ うまくいくなら“何でもあり”だ」
と宣伝でも語られる台詞がストーリーをおって心にしみこむ、まさに「人生万歳!」な映画。

が、、、展開が強引というか「ありえないのでは?」と思うところが多々ありまして・・・
まず、若い娘っコ:メロディが初老の男性:ボリスのところに住み込むところからいって、その成行きの説得力がイマイチ。メロディの父母の展開も、「うーん」となってしまいました。
もう少し納得出来る前振りがほしかったかな…

あと、領域を超えて見える男・主人公:ボリスが観客に話しかけてくるのに、「オレにいってんのか!?」と、字幕を読み忘れるほど緊張してしまいました。
宣伝を見た時に「やたら、こっちに話かけてくるからやだなぁ。でも、これは宣伝用かな?」と思ってたんですが、本編もそういう映画だったので緊張の連続でした。
メタ構造とは分かっていても、見られてる緊張って確実にありますね。。。