2015年7月25日土曜日

ターミネーター:新起動 ジェニシス

アンチエイジングなしで、アイルビーバック

監督:アラン・テイラー
原題:Terminator Genisys
上映時間:126分
パンフレット:売り切れでした

シュワちゃんがスクリーンに本格復帰した主演作品「ラストスタンド」「大脱出」「サボタージュ」とどれも私が好きな作品ばかりなので、今回のおひさしぶりの「ターミネーター」も期待してたんですが、これは過去作の良かったところまで消しにかかってくる駄目なシリーズ最新作でした。最近だと「96時間 レクイエム」とか「ダイ・ハード ラスト・デイ」とかもそうなんですが、シリーズ全体の評価を下げる最新作ってなんで撮られちゃうんでしょうね。この手の作品は、見込み客がいるという誘惑に勝てないから作られてしまうのだと思うけど、辻褄合わせと新しいことを取り入れることのバランスがうまくとれてないから失敗しちゃうんだろうなぁ。その点、「マッドマックス 怒りのデス・ロード」とか「 猿の惑星:創世記(ジェネシス)」は、まじで最高。過去作を再び見たくなる最新作って、本当にすごい。ひさしぶりの続編という禁断の果実をかじる以上は、それ相当の覚悟が求められるなと思いました。(とはいえ、私もターミネーターシリーズはシュワちゃんが出演していた1作目と2作目見ていないので、シリーズ通しで見てる方にとってはまた違う味わいがあるのかもしれません)
いろいろこの最新作のターミネーターには駄目なところがあるんですが、1作目の舞台となる1984年にすでに保護者としてシュワおじさんターミネーターがいて、1作目に未来から送り込まれてくる最初の脅威となるターミネーターを速攻で殺したり、はじめから救世主として描かれていたサラの息子 ジョン・コナーがスカイネットの手により敵側にまわってしまったりと、シリーズの面白さの大元になる設定がたいした仕掛けなく新しい話を作るためだけに塗り替えられてしまっている印象があり、本当残念でした。こんだけ過去のシリーズを壊してしまって、この先まだまだ続けるつもりなのかな。
この作品の中で唯一いいなあと思えるこじつけは、シュワちゃん扮するT-800が経年変化とともに加齢するという謎設定。ロボットの機能的には「そんな設定いらんがな!」と思えますが、年取った今のシュワルツェネッガーでのターミネーターが見たいという観客目線に寄り添っていてよかったです。話はつまんなかったけど、年取ったターミネーターは見ててほっこりする楽しさがありました。