2013年8月17日土曜日

風立ちぬ(126分)

監督:宮崎駿
駿には、強い女が似合う

「崖の上のポニョ」や「ハウルの動く城」といったファンタジー色の強いここ最近の宮崎駿監督作品と比べると、今回の作品「風立ちぬ」は、かなりのみ込みやすかったです。
予告編を見た時には、311を受けて関東大震災やそこからの復興が描かれるこの題材が選ばれたのかなと思ってたんですが、製作に4年かかったとどこかのインタビューで目にしたので311とは関係なく映画化すると決められていたんでしょうね。うねる大地の描写、自然がもつ気持ち悪さがあってよかったです。あと、人間の声で表現された機械音に「この空の花」を思い出しました。

飛行機設計の夢に自分の人生を傾け、そして戦争という時代の波に意図せず大きくかかわっていく主人公:堀越二郎のストーリーは幻想的なイメージとともにけっこう楽しめたんですが。。。ヒロイン:里見菜穂子があまりに男に都合がいいキャラクターで、げんなりしてしまいました。
二郎が来ることを沼に願い、二郎からの手紙を読んだら速攻病院抜け出し、徹夜する二郎の手をつないで見守り、結核なのに同部屋で二郎の喫煙を許し、そして二郎がしばらく家をはずすと分かったら山の病院に黙って戻っていき、そして死んでしまう。彼女が「好き」とかいうタイミングにもゾゾッとしてしまった。幼少時代の菜穂子さんは、震災の中一生懸命かばんを運んだり結構快活さがあったのに。。。不治の病にかかると、逆に自分の命を誰かに尽くして一途になってしまうものなのかもしれませんが、宮崎駿アニメには心身ともに強い女のコのほうがよく似合う気がします。