2014年9月6日土曜日

イントゥ・ザ・ストーム(89分)

監督:スティーブン・クォーレ
原題 : Into the Storm
嵐をおこして、素顔を見せるわ

天候パニックがメインの映画を劇場で見るのは、今回がはじめてでした。あんまり見たことのないジャンルだったのでそんなに期待してなかったのですが、巨大竜巻がリアルで90分という尺の短さの中に人間ドラマも織り込まれていて、面白かったです。
竜巻が頻繁に起きているアメリカで、それを主題にしたこういうエンターテインメント作品が成功しているのを見ると、「やっぱり、戦勝国はすげえな」と思いました。日本じゃ、地震や台風を主題にした映画があったとしても、こういうアガる作風にはなんないですもんね。 
今回の「イントゥ・ザ・ストーム」で、やっぱりファウンドフッテージはパニックやホラー映画と食い合わせがいいなぁと再確認しました。驚きや恐怖が主観で感じられるし、恐怖の対象そのものが映る場面が少なくても観客に伝わってくる。今回は、高校の卒業記念に25年後に宛てたビデオカプセルを作成するという志向もあったので、そんなにうるさく感じない程度に「災害前」「災害後」の人々の心情の変化が見られたのもよかったです。あと、廃工場で死にかけた高校生男女が交互に撮影した遺書VTRもよかったなぁ。死にかけの顔が妙なセクシーだということに気がつけたし、あの瞬間「お前のせいじゃないよ」と弟を気遣う兄のコメントは真にまさるものがありました。 
あと、竜巻の映像を撮影するという、常人には理解しにくいストームハンター:ピートが最後にみせる、求めていたものが見えたときの恍惚とした表情がなんともすばらしかった。自然の美しさと暴力性どちらも極限までみせた上で、そんな自然に翻弄されながらも魅了される人間があの一瞬で感じ取れました。タイタン号の地面に固定するチャチぃ仕組みも、たよりなげにも頑張ってて、なんか愛おしかったです。