2013年3月22日金曜日

横道世之介(160分)

監督:沖田修一
吉高由里子のぐるぐるカーテン

原作未読、予告編未鑑賞、沖田修一監督作品今回初鑑賞という、全く予備知識がない状態で見に行きました。ポスターのビビッドな印象から中島哲也監督の「下妻物語」「嫌われ松子の一生」のような映画を想像していましたが、その予想ははずれていました。舞台となる1980年代をノスタルジックにも一種の笑いにもせず、違和感なく撮っていたことがすごいよかったです。その世界の中、長崎から上京して法政大学に入学した横道世之介と彼を取り囲む人々がとてもイキイキと動いているのが、見ていてとても気持ちよかったです。
私も地方から上京して東京の大学に通っていたのですが、初めての上京で降りた新宿、入学式での出会い、サークル回り、サークル合宿、クーラー目当ての友達宅外泊などのシーンを見て、自分のことも生々しく思い出すことが出来ました。あの頃ほんの少しの時間を濃密に過ごした友達の悲報を聞いたら、私もきっと哀しみとも懐かしみとも分からない感情にみまわれるんだろうなぁ。
あと、この映画なんといってもヒロイン与謝野祥子演じる吉高由里子がかわいくて!
かわいくて!かわいくて!かわいすぎて、途中から「いや、こんなヤツありえないんじゃないか」と男が思い描くカワイイ女子像に嫉妬してしまいました。他の登場人物が現実感あるだけに、このキャラクターだけ男の理想とするカワイイが詰め込まれたファンタジーに思えてしまって。
特に告白されて恥かしがってカーテンにくるまるシーンが異常にかわいい。(他にも、病室で名前を呼び捨てで呼び合うシーンとか、旅立っていくバスから「ダイスキーーー!」と叫ぶシーンとか見所満載)
それを「私ってカワイイんですもの」的嫌味や不思議&イタイコちゃん的でもなく、かわいくやれる女子なんて現実にいるんだろうか。大人になった彼女もなかなか素敵でとにかくあんな天然素質を持った女子にはかないっこないから、頼むからこれはファンタジーであってほしいとねがってしまいました。