2013年12月6日金曜日

もらとりあむタマ子(78分)

監督:山下敦弘
おおぐちロールキャベツ~大口で食べれば、ダイヤモンドになる~

山下敦弘監督と前田敦子の初タッグの昨年の映画「苦役列車」の自分の感想を見返したら、「前田敦子は、なんかこういう「何考えてるかよく分かんない」役あってますね。素で演じているようにみえて、良かったです。」と書いていたのですが、同タッグで前田敦子が主役を演じた本作「もらとりあむタマ子」では「演技っていうか、あっちゃん、こーゆー人なんでしょ!」とつっこみたくなってしまった。それくらい、あっちゃんにタマ子がはまってました。
「苦役列車」では森山未來の汚い食べ方が光っていましたが、今回もあっちゃんの無気力でありながら底知れない食欲を感じる食べ方が素晴らしかったです。特に、大口でロールキャベツをほおばるシーンと2アクションで団子を串から取りはずすシーンが好きです。この映画の食事シーンだけまとめた動画とかあったら、何度もリピート見てしまうと思います。
私は、映画の中でずっと働かないで悩みをあーだこーだぶうたれてる人が嫌いなんですが(サイタマノラッパーのIKKUさえ嫌)、この「もらとりあむタマ子」は不思議と嫌悪感を感じませんでした。おそらく、それはタマ子の実家という甘い蜜の吸い方が私に似ていたからだと思います。働いているとはいえ、私自身実家暮らしで家事は親に頼りっきりでして。洗濯物はもうちょっとまともに干せますが、私の得意とする料理もレンジ料理ばかりで、タマ子と同じくダイエットをしてる時ぐらいしか料理しません。そして劇中のタマ子と同じく、どうしようもなくぐーたらなのに家族になぜか愛されています。劇中、父親と一緒に暮らすタマ子を見て、家族の愛はありがたくもあり、ありがた迷惑でもあり、とにかくかけがえのないものだなと改めて思いました。