2012年7月5日木曜日

きっと ここが帰る場所(118分)

原題:This Must Be the Place
監督:パオロ・ソレンティーノ
コロコロを片手にひいてノロノロと
父の仇を討ちにいきます

試写会に当たって見てきました。
最後まで回収されないままの伏線が多くて、ちょっと消化不良感。でも、元ロックスターを演じるショーンペーンの謎の佇まいにひきこまれ、全編わりと楽しくみれました。

厭世感いっぱいのショーンペーンが皮肉っぽく哲学的なことを言うのに、ニヤリ。
「キッチンに、なんで「キッチン」とかかせたの?いくら僕だってそれくらい分かる」とか「ごめんなさい。わざとやったんだ」とか「何とは言えないけど、何かへんだ」とか真似してみたいパンチラインがいっぱい。その奥様もなかなか粋なことを言っていました。「いまだに、はじめてみたいにデキル人あなたしかいないわ」とか「男をたたすために、負けてあげたのよ」とか。うん、いい夫婦。

プレイボーイの友達とナチの残党を執念深く追い詰めた父親のエピソードが、なんか印象がかぶって面白かったです。
「女を落とすにはとにかく時間をかけること。女は根気に負けるんじゃない。自尊心を満たされて落ちるんだ」っていう論と、「君の父上の執念深さには、正直魅了された」っていう談は何か共通するものを感じました。時間をかけて、しつこく何かをし続けることは人をあきれさせ・あきらめさせ・惹きつけるものなんですね。