2013年7月6日土曜日

嘆きのピエタ(104分)

鶏片手に ボーイ・ミーツ・マザー 
監督:キム・ギドク
原題:Pieta
見終わった後、「おかーさーーーん!」と叫びたなる映画。
母を名乗る女に懐疑心を持って接していた男が、彼女に心を許し、甘え、彼女なしでは生きられない赤子のようになっていく。天蓋孤独で親の愛を知らずに生きてきた男が、30過ぎて母の愛を知るとどうなるのか、怖いくらい伝わってきました。
鶏・うなぎ・うさぎ等の家畜をワンルームの自宅に持ち帰り・さばくという主人公の食生活にはビックリ。それに関連して特に印象的だったのは、男が逃がしてしまった鶏を女が手渡す出会いのシーン。あんな出会い方、今まで見たことない!そこから命を賭したやりとりをしていくことになる2人の出会いとして、とても象徴的でいいなあと思いました。
ただ、終盤、女が誰も聞き手がいないところで独白を重ねるのには、ちょっと白みました。でも、アイツもかわいそう!」ってそんなの台詞にしなくてもよかった。そこらへんはこっちに汲み取らせてほしかったな。冷蔵庫の中身も、いったいどうやって川辺まで運んだんだろう。車椅子を使ったのかな。。。それにしても、冷蔵庫が空になった後の女に疲労感がみられなかったような。あと、セーターのサイズも、結局アイツにピッタリだったし。
ラストのキリストを思い起こさせる「市中引き回し」の解釈よりも、終盤はなんかそういうほころびのほうが気になってしまいました。