2012年9月9日日曜日

籠の中の乙女(96分)

監督:ヨルゴス・ランティモス
原題:Dogtooth
キラキラのカチューシャあげるそのかわり
私のプッシーお舐めなさいな

予告編のいびつ&エロい雰囲気に興味をそそられ、みてきました。
予告編で期待したモノとはちょっと違ったけど、面白かった。つーか、笑えた。マジキチ実写版「お父さんは心配性」っていう感じ。まず、お父さんを筆頭に頭のおかしい人しか出てきません。子供はともかく、母親をどう洗脳したのかわからないけど、父親以外は猫を恐れて外の世界に出ていかない。いざという時に猫と戦うために犬的な振る舞い<四つん這いになって吠える>の特訓をしているという徹底した猫のおそれっぷり。こいつらに、荻上映画「レンタネコ」を見せたら卒倒するんじゃなかろうか。
外部から息子の性処理要員として派遣されてくるクリスティーヌが息子に性関係を拒まれ、その欲求不満から長女に「私のカチューシャあげるから、ココ舐めて」とクンニさせたのにビックリ。「ブラック・スワン」ぶりに、女同士のクンニシーンを見ました。そのあと、長女と次女の間で空前の舐め舐めブームが発生するところも、この環境ならあるなって感じがしました。
外界から遮断されて娯楽がないせいか、「熱い湯に指をいれて我慢するゲーム」や「麻酔薬を吸って、どっちが先に起きるかゲーム」など変な遊びを発明してるのも興味深かった。
そして、クリスティーヌから借りたビデオで映画を見た時の長女の衝撃。「ジョーズ」と「ロッキー」を見たっぽい次女が、自分を「ブルース」と呼ばせたり、プールで鮫になりきったりと、外界を知らぬだけに映画があたえる影響がすごかった。ある意味映画の持つパワーを証明してた。外の世界への興味が止まらなくなった長女のクライマックスのダンスも凄かった。あのダンスを真顔で見れる家族は、やっぱりどうかしてる。。。
外に出るために、犬歯<この家族のルールでは犬歯が抜ける=外に行ける/ただし危険なので車で>を折ってもなお、徒歩では出ていけない洗脳されっぷりが哀しかったです。