2012年12月8日土曜日

ふがいない僕は空を見た(142分)

監督:タナダユキ
ふがいない僕はちんこを見た
 
シネマテーブルの課題作品だったこともあり、映画を見た直後に原作小説も読みました。ふたつを比べて、映画にするにあたって原作エピソードの組み換えがとても効果的に働いていたと思いました。特にそれを感じたのは、ラストの「やっかいなモノをつけて、生まれてきたね」というセリフ。原作ではあんずとの最後のSEXの直後だったのに対し、映画ではそこからさらにネットでのSEX動画流出・引きこもりを経て出てきたつぶやきだったので、主人公:斉藤くんが原作とはまた違った悟りを得たかのように響きました。また、原作では物語の季節は夏でしたが映画で舞台が冬になっていたのも、地方都市のカサカサした空気がより伝わってきてよかったです。
そして、なにより素晴らしかったのは田畑智子のSEX三変幻。相手にコスプレを強制する自分本位のSEX・旦那に前戯もなく後ろから挿入される他人本位のSEX・お互いに心を通いあわせるSEX、この3タイプのSEXで田畑智子の見せる顔がそれぞれ「あー、その顔その顔!」っていうバッチリな表情。特に、お互いに心を通いあわせるSEXの田畑智子はその表情含めめちゃくちゃかわいかったです。物語中の斉藤くんだけでなく、物語の作り手さんたちの恋心も感じました。自分の股からこぼれでた精子を舐めての「オイシクナイ」には、私も彼女への愛おしさがあふれました。