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2016年5月14日土曜日

ちはやふる 下の句

























戦闘モードはキメ服で
監督:小泉徳宏
上映時間:103分
パンフレット:620円(★★★☆☆:漫画と並べやすいようにかコミックサイズ。各キャスト競技かるたの特訓をしたのが伝わってきます)

先に「上の句」をすでに見た映画友達複数が「これは面白い!」「侮っててすまん!」とすごい誉めていたので、「下の句」が公開してすぐの昭和の日(4月29日)に「上の句」「下の句」をインターバル10分で連続で鑑賞しました。「上の句」も「下の句」も出演者のきらめきと部活を打ち込む青春のきらめきがオーバーラップしてまぶしくかった!特に、陽的に周りを照らす広瀬すずと静的に燃える松岡茉優が対峙した時の画面はずっと見ていられるドキドキ感ありました。そしてなぜか、競技かるた戦じゃなくて、普通に会話しているシーンのほうがドキドキしました。
ちょっと残念だったのは、「上の句」「下の句」と連続で見たせいで、「上の句」余韻にあまり浸れなかったこと。「上の句」は”仲間がいる楽しさと出来ない自分”を知った机くんの葛藤が、学生時代にどの部活でも「あまり出来ない部員」だった私には個人的に刺さりまくって号泣メーンでしたし、「いまは”ちは”しか見えない」という太一の台詞には学園恋愛物として超胸キュンで、反芻したい余韻がいっぱいでした。「下の句」は、「上の句」でチームが出来たからこそ出来るチームの内部分裂物。それはそれで全うな作りなんですけど、「シビルウォー」みたいに派手にバトルして分裂するわけじゃなくて、地味な心のすれ違いでモヤっとする感じなのであとで反芻したい感じではなかったです。
「上の句」には出てこない、かるたクィーン若宮詩暢演じる松岡茉優が「下の句」で登場し、部活物として天才の孤独というのも見れ作品として質の違う楽しさが生まれててよかったです。あと、新の家に干してある「原宿限定おめかしダディベアタオル」に詩暢ちゃんが「きゃ~!」ってなるシーンは、普通にヲタクモードで興奮する松岡茉優さん(ハロヲタ)の顔になってて「え、もしかして、元モーニング娘。の鞘師里保が庭にいるのか!」ってわりと本気で思いました。かるた戦という戦いの場に超ダサい格好で行く姿も、本気のアイドルヲタっぽくて個人的に萌えました。いや~、こんな魅力的な女優さんが我が軍にいると思うとうれしいし、かるたクィーンが同志だと思うとめっちゃ心強くなりました!

2016年4月30日土曜日

ヤクザと憲法


安全圏で扉を開ける贅沢
監督:ひじ方宏史
上映時間:96分
パンフレット:600円★★☆☆☆(監督が語るドキュメンタリーの神様の話がおもしろい)

もう1ヶ月以上前に見たんですが、感想を書かずじまいだったので少しだけ書いておきます。モーニング娘。鈴木香音さんのラジオの公開収録に当選し、その参加のために半休を取った日にちょっと時間にゆとりがあったので時間的にちょうどよかったこの映画をみました。アイドルを見る前にヤクザを見るっていうのが、シチュエーション的にワクワク感ありました。
絶対に自分では足を踏み入れないだろう世界を画面越しではあるものの間際で見せてくれるのがドキュメンタリー映画のすごいところだな~とあらためて感じさせてくれました。この映画とか近年見た中だと「アクト・オブ・キリング」とか「アルマジロ」とか、自分では絶対直接触れ合わない世界を安全圏で見れることにすごい贅沢を感じます。私はテレビではドキュメンタリーものをあんまり見ないのですが、テレビでも真剣にみればこれくらいのジリジリを感じることが出来るのかな。この作品は東海テレビ制作ですが東海テレビのドキュメンタリーは評判がいいので、テレビでも見てみたいな~って思いました。
映画の中で特に印象に残っているのは、山口組の顧問弁護士の山之内さんが自身が起訴され判決を聞きに行く際に事務員のおばちゃんがネット上で先生の「今日の運勢」を見て「占いはいいみたいだから!」と先生に明るく発破をかけていたところ。法と占いっていう組み合わせがなんか新鮮で面白かったし、おばちゃんの明るさに先生救われてるんだろうなって感じました。

2016年3月21日月曜日

牡蠣工場

これしか出来ない、だけじゃない
監督:想田和弘
上映時間:145分
パンフレット:600円(★★★☆☆:表紙と裏表紙でつながっている牡蠣工場の写真がかっこいい。牛窓に行きたくなる)

「レディースディだし、最近映画見てないから何か見たいな~」と思い、会社帰りに見に行きました。「せっかく牡蠣を扱ったドキュメンタリー映画だし、時間もあるから映画の前に牡蠣を食べよう!」と映画前に映画館階下にあるお寿司屋さんに行きました。お寿司とカキフライと茶碗蒸しと赤だしを食べて、お会計2,403円。お寿司にしてはお値打ちだけど、レディースデイでお得に映画を見るはずがけっこうお金使っちゃいました。しかし、映画を見る前に牡蠣を食べたのはよかった。牡蠣がお値段するのもそりゃ納得だ・・・と牡蠣漁、牡蠣むき、出荷の工程をありがたい気持ちで見ました。
舞台となる岡山県牛窓の牡蠣工場のうちの1つは、前経営者の血縁ではなく震災のため宮城県から被災してきた渡辺さんに継がれていました。映画の撮影期間中に、自分の工場に初めて中国人労働者を雇いいれることになった渡辺さんは牡蠣工場の仕事を自ら「3K(きつい・汚い・危険)の仕事」で日本人には成り手がないと言っていました。でも、想田監督に「じゃあ、なんで他の仕事をしないんですか?」的な質問を投げかけれたところ、「他のことが出来ない」と消去法的にネガティブな返答をした後、「これ面白いですもん」とポツリと言ったのがすごいよかったです。牡蠣工場の仕事は、映画上でも渡辺さんが言うように3Kに見えます。でも、同時に見ていて面白そうにも見えたんです。1次産業の面白さってそんなに語られないし、もちろん厳しい部分が大きいから面白さだけで語るのも変だと思います。ただ、「牡蠣工場」で働いている人たちは選択肢がないからそこで働いているだけじゃなくて、それ以外の理由も持っているそこでで働いているんだと作り事じゃなく本音の声として伝わってきてました。

2016年2月25日木曜日

劇場版 501


コンビニよりも、顔射でしょ

監督:ビーバップみのる
上映時間:約125分

名古屋シネマスコーレで3日間限定上映された「劇場版 501」見に行ってきました。
2年近く前、ツイッター上でビーバップみのるさんが色々な人員募集ツイートやエモい動画などをあげていて、その当時この「501」にすごい興味をそそられていました。ですが、顔射コンテストが行われたくらいからツイートが減ってきて、「そいえば、あの「501」ってどうなったんだっけ?」とテレキャノ関連のイベントが近くで行われた時とか折にふれ気にしてました。そんな「501」がついに完成し名古屋でも上映するということで見に行きました。

この映画は、一昨年の「テレクラキャノンボール2013」のヒットのご褒美的な感じで、カンパニー松尾さんが功労者のビーバックみのるさんに「好きなの撮っていいよ」と言ったところからはじまった企画なのですが、「テレクラキャノンボール2013」の疾走感とかバディ感とか大人の青春感は全くなく、見終わった後に鬱鬱もやもやする作品でした。自分的には見た後のもやもや感と主人公が自ら挑む戦いに気乗りしてない葛藤に「なんかエヴァンゲリオンみたいだな~」と思いました。といっても、私は「エヴァンゲリオン」をテレビシリーズと劇場版2本をDVDで1度見たくらいのライトな知識しかないのですが・・・(「エヴァンゲリオンみたい」と思ってるうちに、ビーバップみのる≒碇シンジ的な認識にだんだんなってくるけど、2人の共通点はあんまり見つからない)
みのるさんが501撮影中ツイートしまくっていた時期、私もみのるさんのツイートをリツイートしたり関連ツイートをした記憶があるのですが、映画本編の映像には私の知り合いのツイッターアイコンが映ったり、果てには顔射大会会場にいる知り合いの姿が映ったりしてました。それを見て、なんか自分が映画に映りこんじゃったような感覚がしてドキドキしました。しかも、映画をを見ていると実は「みのるさん本人は顔射大会等々をかなり冷笑的に見ていた」ことが伝わり、テレキャノの余韻の中で興味を持ってみのるさんに振り回されていた私たちは、実はみのるさん自身が興味のない事柄に振り回されていたということが分かってくる。これって、皮肉だけどすごい面白いなと思いました。
あと、なんといっても、最後に出てくる未来のるなちゃんことなつこさんがナンパを成功させるところに勇気づけられました。数分歩いたら膝が痛くなってしまっていた64歳のなつこさん、無理やりギャル風のメイクをしているせいもあって、失礼ながら「化け物」という言葉がピッタリな見た目で、路上ナンパしたって絶対誰も捕まらないと思ってました。どっこい、それが、ちゃんと男捕まえた!何人もの男に素通りされても、声掛けを止めないめげない力!足をとめてくれた男の「この後コンビニ行くから・・・」っていう言葉に対して、「コンビニは24時間やってるから私と遊ぼう!」と返すクロージング力!私もなつこさんを見習って、ナンパしてみたくなりました。いや、ナンパじゃなくても、なにか躊躇してできないことをやってみようとわりと真面目に思わされました!

2016年2月20日土曜日

ハッピーアワー


友達は最高!(と言っておく)

監督:濱口竜介
上映時間:317分
パンフレット:700円(★★☆☆☆:「友だちと一緒に旅行して数日間一緒にいると、途中で相手のいやなところが見えてきて無理だと思うけれど、それを超えたら受け入れられる、(中略)それを映画で経験できるのは貴重でした」という辛酸なめ子さんの文章にうなづきました)

今年は去年までに比べて映画を見に行く本数がグッと減って、この「ハッピーアワー」が4本目の鑑賞になりました。「ハッピーアワー」は上映時間5時間17分と通常なら映画2~3本見れる尺だったのですが、大須にあるシアターカフェの「映画コンパ!略して映コン!2015年マイベスト10を語ろう編」というイベントに参加した際、年間500本オーバー映画館鑑賞の猛者が2015年のベストとして「ハッピーアワー」おすすめしていて、すごい気になって見に行きました。
映画館に向かう直前にあらすじを見たら、登場人物の女性たちが37歳と個人的にタイムリーな設定で「これは刺さりすぎてやばい気分になるかも」とちょっと不安な気持ちになりましたが。。。まぁ、映画は面白かったんですが、残念ながら私にはそこまでは刺さりませんでした。同年代とはいえ、ここに出てくるのはみな結婚した(orしたことのある)女性たちだったからかな。結婚経験のある30代後半の女性が見たら、私より刺さるかもしれません。
で、映画の感想ですが、映画がドラマ的に動く「居酒屋での不倫告白」とか「離婚法廷」とか「中学生の息子が彼女を妊娠させた」とかそういうシーンよりも、ドラマ的にはあまり動いてないシーン(けど尺は長い)のほうがずっと印象に残って面白かったな~と感じました。特に印象に残ってるいるのは第1部の「「重心」に聞くこと」セミナーの「これ、なんじゃ?」という気まずい空気。後々の打ち上げで「実は身内しか参加者がいなかった」と判明するものの、セミナー実施中はみんな興味があるような面をして「やめるわけにもいかないし・・・」という感じでワークに参加してるのが、「あ~、あるあるこういう逃げられない場の気まずい空気」って思い当りました。でも、参加者同士背中をくっつけて立ち上がったり、お腹の音を聞いたり、額をくっつけ合ったりと、やっていくうちにみんなが楽しくなっていってる様子も含めて「あるある!」って感じました。こういうなんでもないシーンが面白いところに「なんでもないようなことが、幸せだったと思う~」と、虎舞竜の「ロード」を口ずさみたくなりました。
しかし、講師をした鵜飼さんにセミナーの感想を聞かれて「化けの皮がはがれそう」と文句を言った女、劇中のあかりと同じく私も完全に元カノだとミスリードしてました。「大人になってから距離の近すぎる兄妹は、傍からみると元カレ元カノの見えるんだな」という発見がありました。

2015年11月20日金曜日

恋人たち

人の痛みにやさしくするのって、難しい

監督:橋口亮輔
上映時間:140分
パンフレット:850円★★★★☆(この映画が、ワークショップからキャスティングを決め、あてがきで脚本を書いた特別な作品であることがよくわかります)

橋口亮輔監督作品は「二十歳の微熱」をずっと前にレンタルビデオで見たことあったようなおぼえがあります。が、どんな作品だったかあまり記憶がないので、ほぼ今回が初鑑賞な感触でした。
この「恋人たち」は、自分にとっては正直感想を書くのに窮する作品でした。家に帰って、パンフレットを読んで「あぁ、そういうことだったのか」とようやくちょっと腑に落ちた感じ。自分の痛みを、生きる糧にする人、気付かないようにする人、抑える人、そういう3人が味わう絶望と生きていくこと自体への希望を描いたような作品です。
メインキャスト3人の中では、田舎で夫とその母と暮らす瞳子のエピソードが一番見ていて面白かったです。皇族オタクで暇さえあれば自分が雅子様を見に行った時のビデオを見ている彼女、「雅子様に会える(というか生でちょこっと見れるだけ)」ことでテンションあがった若い頃の自分をタバコをくゆらせながら少しだけ顔をゆるませてみている彼女の、今の彼女にはこれしか楽しみがないのか・・・という行き詰まり感は自分にもよく理解できるものでした。
姑が製品についていた粘着力の弱いラップを壁に貼り付けて再利用している様とか、旦那が肩をたたくと夜のお役目をしなきゃならない合図とか、すごいひどいことが起きてるわけじゃないのにどこにも行けないという深い絶望を感じる風景でした。そんな彼女が三石研扮する藤田とニワトリを追いかけた時にみせた、興奮した表情の乙女な感じ。腐った日常の中で、ささいな興奮がもたらされると、ああいう顔してしまうこともあるかもと納得感ありました。笑える部分も瞳子のエピソードが一番多かったです。このエピソードがなかったら、ちょっと作品として見ているのがつらすぎたかもしれません。
この作品は登場人物ほぼすべてが自分の痛みを持っているのですが、ほとんどみな他者の痛みには無関心でした。そんな中、アツシの同僚で、「片腕がない」という目で見て周りが見てすぐ分かる痛みを持っている黒田の他者へのまなざしはとても優しかったです。アツシからの「なぜ、片腕ないんですか?」という質問に「ロケットで吹っ飛ばしちゃった」と答え、その答えに笑ったアツシに「笑うのはいいんだよ。腹いっぱい食べて笑ったら、人間なんとかなるからさ」と応じる黒田。自分の過去そして現在も存在する痛みを笑われても、それが相手の元気になるんならと差し出せる強さがかっこよかったです。だからといって彼のようになりたいかというと、彼のようになりたくもなかったりもします。だれかの痛みを積極的に減らそうと働きかけるのは、自分には荷が大き過ぎて。。。
離婚調停しにきたアナウンサーが相談相手の弁護士が泣いたと勘違いして、勝手に心が楽になっていたエピソードを見て、他人が自分の痛みに共感してくれたと思うだけで、人って救われたりするんだなと感じました。だから、せめて相手の話を聞いて「うん、うん」ってうなづいてはおこうと思いました。

2015年11月12日木曜日

WE ARE Perfume WORLD TOUR 3rd DOCUMENT

一緒に「WE ARE Perfume」と言わせて

監督:佐渡岳利
上映時間:120分
パンフレット:884円(★★★☆☆:各公演のセットリストが乗っていて、数々のダメ出し会議を経てベストセットリストを模索したことが感じられます)

Perfumeのドキュメンタリー映画、同じくPerfumeファンの姉と一緒に見てきました。私も姉も、かれこれ8年半Perfumeファンでしてファン歴がそこそこ長いので、Perfumeを語るというのが、ほぼ自分語りになりそうで、映画の感想にならなそうな気がします。が、そんなPerfumeのことをわり長い間見てきた私にとっても、この映画ではいままで知らなかったPerfumeが見れて、より一層彼女たちの奇跡は彼女たちの不断の努力が源泉になっているんだという思いが確信になりました。
私がPerufmeを好きになったのは、2007年3月22日名古屋ナディアパークヤマギワソフトのDVD「FAN SERVICE BITTER」のリリースイベントです。それまでも、申し訳ないとで宇多丸さんや掟さんのDJでPerufmeの曲を耳にしたことはあったのですが、その日初めて生で彼女たちを見たらその瞬間に大好きになってしまいました。ちょうどその時、私は仕事を辞めて実家に戻ってきたばかりで、時間があるけど周りに遊べる友達もいなく暇でした。なので、「よし、これに自分の時間を出来るだけ使お!」と速攻決意しました。毎日毎日繰り返し「FAN SERVICE BITTER」を見て、そして実家でそんな私の様子を見ていた姉も「一人でライブ行くのもさみしいだろうし、一緒に付き合ってあげる」と次の現場(おそらくハレパンさんの対バンイベント)についてきて、一度見て速攻ファンになってました。2人で現場へ足を運ぶたびにどんどんPerfumeが売れていき、ある種社会現象に自ら加わったような不思議な感覚を味わいました。Perfumeを通じて、毎日毎日どんどん世界がひろがっていくのを肌で感じました。この映画を見ていて、はじめてPerfumeを見た時はお客さん50人位だったのに、今では3度に渡って世界ツアーもしているグループになり、そして彼女たちはいまでも世界を広げ続けているんだなぁと、あらためて彼女たちのファンであることを誇りに思いました。
私がこの映画ではじめて知ったPerfumeの出来事は、メンバー発信でライブギリギリのタイミングでセットリストを変更していたということ。Perufmeが人一倍努力していることは知っていましたが、内容にかかわるところはスタッフが決めたとおりにやっているのかなと思っていました。でも、LA公演でお客さんとのグリーティングイベント直後にあ~ちゃんがファンの人にもらったリボンをつけたまま「気になるところがあるんだけど、、、「いじわるなハロー」でお客さんのテンションが落ちるから「ワンルームディスコ」にかえれないか」と真剣な面持ちで提案し、そしてそれを傍で聞いてたmikiko先生が「とりあえず、ギリギリまで調整しよう!」と試す。そして、本番ではよりよいステージなっている。ギリギリまで妥協を許さない難しい調整がメンバー発信で行われていて、「そりゃ、Perfumeのライブは最高なわけだ」と思いました。
「3人あわせて、Perfumeです!」を英語にすると「We are Perfume!」になるというのもうれしい発見でした。かしゆか、あ~ちゃん、のっちだけでなく、PerfumeにかかわるスタッフそしてファンすべてがPerfumeなんだという広がりを感じられました。
あ、あと、映画終盤に出てきた所属事務所・アミューズの大里会長の酔っ払いっぷりが面白かった。せっかくメンバーがいい話をしているのに、乾杯したくてしょうがなく飲みたくてしょうがなさそうなおじさん!そんな、彼も含めて「We are Perfume!」です!

2015年10月21日水曜日

バクマン。


読者のためより、自分のために

監督:大根仁
上映時間:120分
パンフレット:720円★★★★★(ジャンプコミックスを模したカバー帯風デザインは見事!監督・キャストにとどまらず、原作者から編集者までいろんな方のインタビューが乗っていて読み応えたっぷり)

原作を読んだことがなく、「「バクマン。」って「漫才を組む話なのかな~」と思っていたんですが、それは勘違いだったことに映画の予告編を見て気付きました。漫画(特にジャンプ掲載作品)を描くメタ漫画ってすごい面白そうで、原作も読みたくなりました。大根仁監督ということで「モテキ」の時の背景演出を思い出し、「今回もきっとサブカル小道具による背景演出バッチリなんだろうな」と思ってましたが漫画執筆部屋・編集部・着ているTシャツ等こだわりを想像以上に感じれました。(ただ「モテキ」のほうが主人公1人の人生を深堀して想像出来るっていう点で、背景演出の面白見をより感じれたように思います)
この映画、青春メイクドリームの疾走感が気持ちよかったです。特に序盤でシュージン・神木隆之介とサイコー・佐藤健が原作と作画でコンビを組み、はじめて漫画執筆をし、はじめて出版社持ち込みをし、編集の山田孝之に「え、はじめての作品なの?」と驚かれ名刺を渡され、そこからどんどんトライ&エラーで漫画の腕と評価をあげていくのがすごい楽しいかった。そして、実際に書かれた漫画が、ちゃんとしてるしたくさんあって、「これだけのオリジナル原稿どうやって用意したんだろう」ってすごい疑問に思いました。出版社の協力があったとしても、あの量はすごい。
自分的にはサイコーとシュージンの連載が決まって、高校生漫画家バトルがはじまる直前までが特に楽しくて、そこからは少しトーンダウンする感じでした。個人的には、ペンを剣に見立て白バックでサイコー・シュージンがエイジとバトルするシーンよりも、実際に机に向かって漫画描いているシーンのほうが面白かったです。
映画を見てて、サイコーかシュージンどっちかの親が「うちの子をそそのかさないで!」ってそのうちしゃしゃりでてくるだろうと思っていたんですが、叔父役の宮藤官九郎がわりと出番多いのに対して、両者の親は映画が終わるまで一切出てこなくてびっくりしました。サイコーとシュージンお互いの自宅描写さえない潔さ。フィクションにおいて、語る上で邪魔になるものは中途半端に映すより、一切描かないという選択肢もあるんだなと思いました。
あと、この映画のヒロイン小松菜奈が佐藤健に対して「先に行くから」と言って別れたのに対して、映画のラストシーンを飾る「この世は金と知恵」で彼女を模したヒロインが最終カットで「ずっと待ってる」と言って締めるところに、作者が自分の作り出すフィクションによって少しだけ自分の現実を救う様が見れたのがよかったです。打ち切りの憂き目にあったんだし、最後は自分のために描いたっていい!許す!

2015年9月23日水曜日

進撃の巨人 ATTACK ON TITAN エンド オブ ザ ワールド


映画オリジナルキャラクター、心臓をささげる

監督:樋口真嗣
上映時間:88分
パンフレット:720円(★★★★☆:町山智浩さんが4ページにわたっていろいろな映画を引用してこの映画化に関して解説していて面白い。そして、なぜか最終的になくなっていたシーンも多いことがわかる)

1作目の「進撃の巨人 ATTACK ON TITAN」を見た後「ムービーウォッチメンで当たらなければ、後編は見なくていいや」って思ってたんですが、番組で扱うことになったのでしぶしぶ見に行きました。
まず、映画とは関係のないことなのですが、シネコンで取った席、隣の人が予告編からずっとひとりごとをぶつぶつ言っている&手にポリ袋を持っていてカサカサずっとうるさくて。本編がはじまってもとまらず気が散ったので注意したかったんですが、よく分からないひとりごとをずっと言っていたので注意したら大声を出されたりしないか怖くなって、映画開始10分くらいのところで前方隅の空いている席に移動しました。すると、今度は通路はさんで隣の方が開始20分くらいのところで鞄をいじりはじめて、「なんか食べるのかな?」とか思って目をやったら、なんとこの映画のパンフレットを読み始めたからビックリ。上映中にパンフレット読む人はじめて見た。そんなこんなで、近くの席の方が気になって、序盤は全然映画に集中できませんでした。序盤はわりと前作の回想シーンが多くて助かりました。
前編に対して「がんばっているのは分かるけど、おもしろくはない」という感想だったので、後編はかなりハードルが下げて見に行きました。そのせいなのかもしれないんですが、後編は「うまくいってはいないんだけど、わりと好き」という感じで面白くみれました。原作と全然関係ない話になっていくのが、私はけっこう好きです。唐突に出てくる謎のビーチ仕様の白い部屋でシャンパンを飲んだり、ビーチベットに寝そべったりしているシキシマ、彼の現実感のなさがどんどん加速していくのが面白かったです。なんの躊躇もなく、ミカサ演じる水原希子を足蹴りするシキシマこと長谷川博己にしびれました。前作と時も同じことを感じたんですが、一番漫画っぽいけど、実際は原作にはいないキャラクターってのが個人的にツボにはいりました。つーか、この映画が気に入って原作読む人は、シキシマが原作に出てこないことにがっくりくる可能性さえあるな。
外壁の穴をふせごうとするエレン達、べつに壁は修復してもしなくてもどっちでもよかったクバル、内壁を壊そうとするシキシマ、の壁をめぐっての思想の違いもわかりやすかったので、原作についていけなくなった私にとってはとりあえず理解出来てスッキリしました。また、ミカサがエレンを空中で助けるシーンやエレンとミカサが外の世界をはじめて見るシーンは、ずっと壁に閉ざされた世界を見ているせいかより美しいシーンに感じらました。ということで、原作ファンでも前編好きでもないのですが、後編はわりと楽しめました。ただ、やっぱり前後編じゃなくて1本にまとめてほしかったな。前編98分後編88分とあわせて186分あったけど、回想シーンも多かったので1本にして2時間半くらいの作品にまとめられたのではないだろうか。

2015年8月19日水曜日

野火

その光は、絶望

上映時間:87分
監督:塚本晋也
パンフレット:購入し忘れ。

お盆休みの暇な日がちょうどレディースデーだったので、お盆に見るのにぴったりだと思って見にいきました。同じような思いだった方が多かったのか、映画館は立ち見が出る盛況っぷりで開演前にチケット売り切れになっていました。その時期にあった映画を見てより深く物事への思いを馳せるのはとてもいい過ごし方だと思っているので、同じような人がたくさんいてうれしかったです。(ちなみに、隣に席の人が偶然にも知り合いでした)
戦場では「ただ生きる」ことがどれほど難しいのか、そして「ただ生きる」ために味方同士であっても食料の奪い合いやひいては人間を食べるという通常は考えられない非人道行為をしてしまうということがあらためて実感を持って感じられる映画でした。
特に印象に残っているのは、偶然あった伍長とともに行動するようになった主人公:田村一等兵が暗くなるのを待って峠を超えるシーン。夜になって峠越えしている最中に敵によりライトに照らしだされ、一隊ほぼ皆殺しになってしまう。その照らし出されたライトの明るさに、死という絶望を感じさせられました。
あと、この日特に眠かったわけでもなかったんですが、なぜか鑑賞中うとうとしてしまいました。夜のシーンや暗い画面が多かったせいでしょうか。俳優さんも、顔を黒く塗っていたし...ハードな場面も多かったのに、集中力を欠いてしまったことが悔やまれます。

2015年7月10日金曜日

海街diary

監督:是枝裕和
上映時間:126分
パンフレット:720円★★★★☆(紙質が薄いけど雰囲気ある作り。原作者吉田秋生さんの「是枝さんが何かのインタビューで「気がつくと捨てられた子供の話ばかり撮ってる」とおっしゃっていたことがあった。是枝『海街diary』を拝見して、あ、これは親を捨てた子供の物語だな、と思った。・・・」という感想が秀逸)

ともに暮らす、かけがえのなさ

映画を見終わっても、この4人姉妹の暮らしをずっと見ていたくなる「ずっとあいつらを見たくなる映画」でした。四季に彩られた鎌倉のあの古民家で、綾瀬はるか・長澤まさみ・夏帆・広瀬すずが暮らしていると思うと、鎌倉に行きたくなりました。でも、「ずっとあいつらを見ていたくなる映画」でありながら、劇中でこの4人はいつかはあの家を出ていくことになるという予感がし、いつまでも続かない「ずっと」なんだと感じるからこそ、この4人の時間が愛おしくなりました。綾瀬はるかと広瀬すずは長い間独身のままあの家で暮らしそうだけど、長澤まさみと夏帆は結婚願望強そうだしこの容姿でモテないわけがないので、すぐ結婚しそう。結婚したらあの家の中にだれかの旦那が同居することは難しそうなので、家を出ていくことになるんだろうな。出来れば、長澤まさみは離婚して出戻って、綾瀬はるかと昔とかわらない様子で姉妹喧嘩してほしいな。
序盤から中盤にかけては、すずをむかえいれることになった3人姉妹が長期にわたって誰もすずにいじわるをしないことが不思議だったのですが、終盤のお葬式帰りに浜辺に立ち寄るシーンで「お父さん、いい人だったのかもしれないね」「だって、こんないい子を残してくれたんだもん」と3人がすずを見ながら語るシーンで、「いやその父親に捨てられたあなたたちにも、そのよさが残ってるよ!」と捨てられたことで切れたはずの関係のつながりを感じました。親を恨んでても、いい子に育った4人に拍手したくなりました。
あと、是枝監督、ちょこちょこうれしいお色気シーンをいれてくるところが憎い感じがしてうれしかった。ファーストショットの長澤まさみのベッドシーンの見えそうで見えないおっぱいとちゃんと見せてくれる下着姿に、となりの男性が声を出して「おっ!」ってなってて、素晴らしい掴みのシーンだなと思いました。私もあの瞬間から、長澤まさみに掴まれてました。ルックスの素晴らしさは言わずもがなですが、高くもなく安くもなくいい塩梅の長澤まさみが最高だった。葬式参列のために宿泊する旅館で、到着後冷蔵庫を空けて「ビール飲みたい!」と叫ぶまさみちゃんの信用出来る感じも最高。一緒にお酒飲みたくなった。

2015年7月4日土曜日

きみはいい子

監督:呉美保
上映時間:121分
パンフレット:700円★★★☆☆(脚本全文が13ペーシにわたって記載されてます。呉監督今年の5月29日に出産されたそうです。おめでとうございます!)

抱けるうちに抱いておく

「そこのみにて光輝く」の呉監督の作品ということで期待して見にいきましたが、実直に作られた良作とは思うんですがいまいち心を掴まれませんでしたし、揺り動かされませんでした。原作小説のエピソード5編のうちの3編「サンタさんの来ない家」「べっぴんさん」「こんにちは、さようなら」をまとめたということなんですが、だんだん群像劇がつながってくるような物語の醍醐味がなかったように感じました。学級崩壊や幼児虐待など深刻なテーマが描かれるこの作品ですがその重さよりも、「そこのみにて光輝く」にて愛人役で出演していた高橋和也と池脇千鶴が夫婦という設定になっていたことに気が付いた時のほうが「え、あの男と結婚しちゃったの!?大丈夫かな・・・」と心配になりドキドキしました。いい役者さんだしいい演技だけど、「そこのみにて光輝く」の印象が強すぎるのでどっちかは他の役者さんにしてほしかったな。
この映画、一番印象に残ったのは高良健吾が演じる小学校の先生が「家族の誰かに抱きしめられてくること」という宿題を出して、それの結果を生徒たちに聞くシーン。子供たちの照れた表情がよかった。照れながらも「懐かしい感じがした」「やさしい気持ちになった」とか答える子供たちの様子はドキュメンタリーみたいでした。私も同居している2歳7ヶ月の甥を抱っこしたり膝に乗せたりすることがあるんですが、たしかに人を抱きしめるとやさしい気持ちになる。照れずに抱ける年齢のうちにもっと抱いておこうと思いました。

2015年6月12日金曜日

予告犯


監督:中村義洋
上映時間:119分
パンフレット:620円★★★★☆(映画のあらすじが新聞記事風にまとめてあったりしてて凝っている)

未来の戸田恵梨香は、今

「なんかこういうネットを使った匿名複数犯の犯罪モノって、昔「踊る大捜査線」でみたことあるよな~」と予告編を見た時にちらっと思ったんですが、映画見たら、力なき庶民の正義感の暴走vs権力のもとの正義による取締りっていう構図がやっぱりちょっと既視感ありました。この「予告犯」では正義感の暴走にみせかけて本当は他に別に目的があるっていうオチだったのですが、回想で登場するキャラクターが現在のシーンではまったく出てきていないため、最後のオチがなんとなく読める部分もあり、個人的には興味の持続があまり続かずあまり楽しめませんでした。

「もっと面白くなりそうなんだけどなぁ」と感じさせてくれるシーンはけっこうあったのですが、いまいち毒っけがなくってあっさりとしていて残念でした。戸田恵梨香が生田斗真を追いかけるシーンとか派遣労働される産業廃棄物処理場で雇い主を全員で殺すシーンとか、もっとダークなトーンで撮られていたら、けっこう好きな映画になっていたように感じます。戸田恵梨香が生田斗真を追いかけるシーンは、2人とも実際すごい走って撮影しているのにいまいちその息切れ感が伝わってこなくてもったいなかったです。また、雇い主を殺すシーンは、バックで感動的な音楽が流れていて、観客の感情の誘導があざとくてけっこう興ざめしました。この題材で韓国で取ってたら、けっこうグロくて面白い映画になっていた気がするんだよなぁ。

「エイプリルフールズ」「駆込み女と駆出し男」「予告犯」と続けて戸田恵梨香主演作品がムービーウォッチメンの課題作品になったこともあり、ここ3ヶ月の間に戸田恵梨香をスクリーンでと続けてみるのですが、作品自体にクオリティの差があるもののその映画に求められる役を担いきる戸田恵梨香の演技力と仕事への真摯な姿勢に頭がさがる思いがしました。あまり出来がよくない映画であってもひとつひとつの役柄を大事にすることで、いい作品の役も手に入れている戸田恵梨香を見て、AKB48総監督 高橋みなみが選挙の演説で言っていた「未来は今なんです!」って言葉を思い出しました。どんな場面でもがんばる人でないと、なかなかチャンスはつかめない。


2015年6月6日土曜日

駆込み女と駆出し男

監督:原田眞人
上映時間:143分
パンフレット:820円★★★★☆(はじめじょごでオファーがきたのに、お吟をやりたいと言った満島ひかりのエピソードに、彼女の強さを感じる)

男以上に人生をかえるもの

大泉洋と戸田恵梨香という主演の組み合わせからなんとなく「コメディ色が強いドタバタものかな?」と思い、そんなに期待してなかったんですが、描かれる時代をきちんと感じさせてくれる作品ですごい面白かったです。離縁のための女性駆け込み寺の存在自体知らなかったのですが、庶民の女性目線で描かれた色々な事情から離縁を望む女たちが強く生きる様子を見てたら元気が出てきました。
主演の戸田恵梨香演じるじょごの成長っぷりに、数年前に見た映画「プレシャス」の黒人少女を思い出しました。「プレシャス」の中でも読み書きもできなかった少女が、勉強することで自らが持つ事情はかわらないけど、言葉を持つことで自分自身がかわることが出来たというのが印象深かかったのですが、「駆け込み女と駆け出し男」のじょごも初めの内はどもり気味にしかしゃべれなかったのに、寺で勉学に励む中で、自分の考えを相手に伝えれる女性にかわっていきます。勉学というか教養によって人が救われることがあるんだなと感じさせてくれました。ただ、このじょごははじめから製鉄の技術に長けていたり、偶然出会った満島ひかり演じるお吟を必死に救ったりと、弱い立場でありながらもけっして弱き者ではありませんでした。そして、立場が弱いから弱いのでもひねるのでもなく、必死に真面目に生きる姿はやっぱり勇気づけられました。
大泉洋演じる信次郎の立石に水の如き話術が聴いていて気持ちよかったです。人を救うための口から出まかせが、大泉洋のキャラクターと卓越した話術で、とてもはまっていました。彼の出演作品を見ても「大泉洋ってキャラクターで得してるよな~」と思うことが多かったんですが、いや見くびってました、すみません。しゃべりで観客を気持ちよくさせるなんて、すごい才能の持ち主だと思います。あと、信次郎が男人禁制の寺で病人治療のため、無理やり目をそらしながら診察するシーンは、尼・法秀院の生真面目さもあいまって、すごいおかしかったです。信次郎が見ないようにさせながら、「法秀院が見ます!」と自分の目で誘導して浣腸させようとしたら、結局菊の門じゃないほうに信次郎の指を誘導してしまった法秀院カワユス。