2011年9月19日月曜日

アジョシ(119分)

エンターテイメント大作でありながら、過剰な暴力表現にはじまり、子供をからめた臓器売買といった悲惨な社会問題まで描きこむ・・・そしてそれが2010年自国でNO1ヒットに、、、
韓国おそろしい国!なんという民度の高さ!(ほめてます)


といっても、けっこうツッコミどころがある作品ではありましたが、
最終的には映画にノレるので力技で納得。

まず、「たったあれだけの関わりで、何故ここまで闘える?」とウォンビンの動機にのれなかったんですが、終盤の名セリフ「知ってるふりしたい時ほど、知らんぷりしたくなる」で、映画で描きこまれてた以上にウォンビンとキムセロンがお互い密に心を寄せ合っていたのか、、、と想像して「まぁ、よし!」となりました。

また、「ウォンビン、特殊捜査員にしては美しすぎ!目立ちすぎ!」とツッコミいれたくなりましたが、上半身裸断髪式の決意を込めた変貌があまりにもキマッてて、「やっぱ、このキャスト正解!」と納得。(「母なる証明」でもそうでしたが、ウォンビンは「美しさを邪魔にさせない」ところがすごいですね。)

そして、一番のつっこみどころの「え!アイツ、なんで助けたの?」展開ですが、「私のおじさんはよいおじさん!いちばんイイ私のおじさんは実はアイツ」と勝手に裏主人公アイツ説をうちたてて、納得。
アイツの話がヘタに描きこまれてない分、逆にバックグランドストーリーを勝手に考える余地があり、ストーリーを自己補完しやすかったです。

いや~、アジョシ(おじさん)の心を動かすには絆創膏なんですよ、きっと!
この夏行ったバドワイザーカーニバルの、客のおでこでゆで卵を割り、そこに絆創膏を貼るというオプション(追加料金420円)を思い出しました。おじさんたち、でこっぱちに絆創膏貼って、みんなうれしそうだったもんなぁ。

2011年9月17日土曜日

くまのプーさん(66分)

大学時代に必修英語の課題本で「プーさんの哲学」を読み、「プーさんは解釈の余地がありまくる!」という印象があったので、今回の映画もかなり期待して見に行きました。

いやー、期待以上の映画。今年見た劇場公開アニメの中では、マイベストワン!
騙されたと思って、是非見に行ってほしい!!!

上映時間69分という短さの中に、ネッシー短編&エンドロール後のお楽しみまでてんこ盛り。
クラシックでもK.U.F.U.の数々を盛り込みかつ正統派の雰囲気を失わずここまで楽しませることが出来るとは!



「絵本を映画化したからこそできる表現」には、「おぉ!」と声をあげてしまいました。
なんでも3Dにすりゃいいってもんじゃない!2Dだからこその表現があるんだーーー
本が「HONEY」に染まるところの狂った感じと、文字がはしごになり侵食する側が逆になる(本→話)ところが特に好き!
ただ、日本語吹替で見たので、ストーリーと文字の相乗効果をイマイチ味わいきれず。。。
英語版でも是非みたい!字幕上映がなかったのが残念でなりません。

 
あと、、イーヨが最後のしっぽをくっつけたところもグッとくる!
ぴったりとくるしっぽをつけたイーヨに、プーさんが「どうだい、楽しくなってきたかい?」と問う。それに、「いいや。でも、この尻尾は好きだ」と答えるイーヨ。
世の中にあわせて無理に楽しさを装う必要はないことを教えられましたYO!それでも世界を愛せる。イーヨ!イイヨ!




ただ、映画の山場が「落とし穴」だったのが、、、
最近の事件が頭にちらついて、映画と関係ないことをたびたび考えてしまいました。
やっぱり、落とし穴って罪のない古典的な罰なんだけのはずなんだよなぁ。
事実は小説より奇なり。

2011年9月12日月曜日

あしたのジョー(131分)

あまり期待してませんでしたが、結構楽しめました。
山P扮する主人公・矢吹ジョーとそれを取り囲むドヤ街の人々に関しては、なんだか雰囲気が明るく・軽い感じで
「えー、べつにこの人たちこのままでいいでしょ」と全く興味が持てなかったのですが、、、

伊勢谷くん扮する力石の存在感に圧倒されました。
ストーリー上で、力石の過去が語られるところは特になかったのですが、そのたたずまいと表情から、理由を語らざるとも「何かに取り付かれた男」なのだと説得。
この力石が見れただけでも、「この映画化あり!」。
特によかったのは、水を求めて彷徨う&計量にのぞむ力石の不気味さ。
リング上の伊勢谷くんも、もはや人間ではなくモンスターと化していてよかった!
13人の刺客」ではそうでもなかったのですが、本作品で伊勢谷くんがかなり好きになりました。

あっ、エンドロールでタマフル名誉プロデューサー「橋本吉史」の名前を見つけた時は、思わず「おぉ!」と声が出ましたYO!

2011年9月5日月曜日

ピラニア3D(89分)


ピラニア3D、期待どおりのくだらなさ!
「アリゾナ州で湖水浴!おっぱい?ピラニア?おっぱい?ピラニア?ん~~、ちんこ!」(「ももクロの日本万歳」の節にあわせて)と、ただそれだけの映画!

おっぱいがあれだけてんこ盛りなのに、全くSEXはない、いさぎよさ。
憧れのリア充の姿をあおぎ見つつ、「でも、そっちには一生いけねーし!」と苦々しい気持ちになったところで、ピラニアからの制裁、、、そりゃースッキリしますって!

R15でありながら、その世界は中2の童貞が想像するエロ&リア充への制裁惨劇!
世の中に憎悪を燃やす中学生にこそ、みてほしい!


あと、フェラチオで思いっきり歯を立てたら、いったいどうなるのか…という人類の謎が解明されました。きれいにちょん切られた後、まるごとペッって出すところがリアル感あってイイネ!(性的な意味で

2011年9月2日金曜日

未来を生きる君たちへ(118分)

取り返しのつかないことがおきそうな終始予感がちらつき、手汗ぐっしょりに。
しっかり重く嫌な気分になる映画でした。



自転車の空気いれでいじめっこフルボッコにしたり・ナイフでおどしたり、
インターネットで調べて爆弾作ったり、
歩みよろうとする父親を完全にシャットアウトしたりと、

「母を病気で亡くしたことだけでこんなにひねくれるかぁ?」とクリスチャンのキャラが途中まで腑に落ちませんでしたが、子役の歩き方とか立ち姿で「あ、こいつヤバイ!もしかすると生まれつきヤバイ!」と説得されました。
生まれもっての悪オーラぷんぷんのクリスチャンは、エリアスを殺しかけたことで、
奇跡的に救われたのだと思います。
でなければ、アイツは自分の直接の敵でなく社会に向けた報復をはじめていたはず。
難民キャンプで医師として働く父・アントンに、「ハートロッカー」を感じる。

「でも、やるんだよ!」と自分の使命のもとに生きる漢は、やはりかっこいい!


理由なく殴ってきたおっさんへの報復を願う子供たちを連れ、そのおっさんの家に行って、
「なんで、君はぼくをなぐったんだ?」と問い、また子供の前で殴られて

「あんなヤツ怖くないんだ」「バカの相手はしないにかぎる」と子供に教えるアントン。
「報復が報復を生む」と言葉だけでなく、それを実践していたかっこいい親父。

しかし、難民キャンプで虐殺を働くビッグマン(性別を当てる賭け事のために、妊婦の腹を切るという人非人)をいったんは治療するものの、死んだ女性患者(おそらくビックマンの被害者)に対して
「小さなワレメ!大きなナイフ!」「お前、そいつとやったのか?死体とやるのが好きなヤツいるから引き取るぜ」
とのビッグマンの言葉に怒りが爆発。結局「報復」に手をそめてしまう。
そんな自分に頭をかかえるアントンに、「あー、もうコイツはこの職場には戻らないだろうな」と思っていたら、
映画のラストでアントンはまた難民キャンプに。
自分の行為は空振りなのかもしれないけど、、、「でも、やるんだよっ!」と、彼の姿に声なき声をききました。


 
あと、過去の浮気を理由でアントンを許さない妻・マリアンに、「本気で反省してたら浮気は許そう」と教えられました。
マリアンが早めに許してたら、あの家族はもっと幸せだったと思うです。
息子エリアスもクリスチャンにひきづられることもなかったと思うし。

浮気にしろなんにしろ、「絶対、許さない」と決めるのではなく、相手が反省させる程度の寛容さを持ちたいものです。