ラベル 映画 アニメ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示
ラベル 映画 アニメ の投稿を表示しています。 すべての投稿を表示

2015年12月25日金曜日

リトルプリンス 星の王子さまと私

オトナになるって難しい!!!

監督:マーク・オズボーン
原題:The Little Prince
上映時間:107分
パンフレット:720円(★★★☆☆:2ページの漫画で「星の王子さま」の内容が解説されていて分かりやすい。マーク・オズボーンに「星の王子さま」を送った彼女が”今の嫁”であるという良いエピソード付き。)

2週間程前に光文社古典新約文庫版で野崎歓訳の「ちいさな王子」を読んだばっかりだったので、タイミリーなタイミングで映画を見ました。この映画は2種類のアニメショーンの表現方法で描かれていたのですが、ストップモーション・アニメーションで表現した原作小説のイメージは、あたたかみとせつなさがあり原作そのままの印象があってとてもよかったです。女の子と老夫婦が住む”現実の世界”をCGアニメーションという別表現を使ったのも世界の違いが分かりやすかったですし、原作小説の世界との切り替えの違和感もなかったです。
表現方法について文句はないのですが、ストーリーにおいて大人になった星の王子様が出てくるというのが個人的には好きではなかったです。自分的には原作小説の中で王子は砂漠で蛇にかまれ、「死」と取れる形で「星への帰還」を果たしたこと哀しいハッピーエンドがこの物語をいつまでも心に残るものにしている一因でもあると感じており、この映画で大人になってすべて忘れてしまった王子が出てくることが原作の良さを損なっていて気持ち悪く感じました。「王子の言うことなんて子供だから言えることなんだ」という大人の諦めに似た感想が、実際に大人になった王子が仕事の出来ない掃除夫になったのを見てると「ほんとうに大切なものは目に見えないとか言ってる場合じゃないじゃん」という気にさえなってきてしまいます。普及の名作の続編を作るというのは、かなり志の高いチャレンジだとは思うんですが、いろいろ配慮してやってもやっぱり難しいんだなぁと感じました。
あと、女の子がトランクを持って飛行士のところにおしかけるシーンを見て、「恋人たち」で光石研をトランクを持っておしかけた成嶋瞳子を思い出しました。おしかけた後に男の言動で興ざめして家に戻るところまで一緒!女がトランク持って男の元におしかけたら、興ざめさせて帰させるのが映画のセオリーなのかもしれませんね。しかし、思い返すと光石研が成嶋瞳子の網タイツを脱がしてシャブを打ったシーンは笑えるし哀しいし名シーンだったな。

2015年10月10日土曜日

心が叫びたがってるんだ。


奇跡を引き寄せるなら、ミュージカルできまり
監督:長井龍雪
上映時間:119分
パンフレット:900円(製作者・キャストインタビューともに充実しています。声優の女性の写真、みんなかわいくてびっくりする。)

映画館で予告編を見た記憶もなく、タイトルとアニメ作品だということを知ってるくらいで、特になんの予備知識もなく見に行きました。作画が美しくて、登場キャラクターが多いのにすごい分かりやすい作品で面白かったです。ちょうど今、自分がハロープロジェクトのメンバーで上演される演劇女子部ミュージカルにはまっているので、映画の中のイベント「地域ふれあい交流会」で登場人物の高校生たちが「めんどくさい」「はずかしい」と初めは拒否反応を示しながらも、一生懸命なクラスメイトの姿に引っ張られてオリジナルミュージカルを熱中して準備し演じる様子が個人的にタイムリーで面白かったです。
「古今東西ミュージカルってのは、たいてい奇跡が起きるもんなんだよ」という作中の担任である音楽教師の台詞がありますが、これはよく分かるな~と思いました。私も昔は作中で突然登場人物たちが歌い始めるミュージカルを馬鹿にした気持ちでみていたんですが、いまは歌の力で強引に話が吸引されるのをとても気持ちよく感じるし、そこにおける奇跡は全然受け入れられたりします。歌と踊りで話が展開するのって快感だし、そこで奇跡が起きてもなんの不思議もないなという感じがします。
ただ、この「心が叫びたがってるんだ。」、あまり納得がいかないエピソードがストーリーの根幹のところにあって、全体としては面白いと思うけどちょっとノレなかったです。
私が納得いかなかったエピソードは、主人公の順が幼少期に離婚する父親が家を出ていく際に順に対し「全部、お前のせいじゃないか」と言われるところ。その前段の、順が本物の城だと勘違いしていたラブホテルから父親が母親以外の女性と出てくるのを目撃し、それを喜々として母親にしゃべるところまでは、「子供が知らないコトがあることが原因で、こういうことが起こるのは面白いな~」と思ったし、それがきっかけで離婚に至るのも理解出来るんですが、それをうけての父親の反応があまりにもひどすぎる。子供のおしゃべりが原因で離婚したんじゃなくて、自分の不倫と性格の悪さが原因で離婚したにすぎないと思う。ああいう大人の八つ当たりでしゃべれなくなるほどのトラウマを子供がおってしまうことが理不尽で、話が終盤にさしかかってもあの父親のことを思い出して腹がたった。っていうか、ああいう物事の原因を弱者のせいにするような男とは、別れて正解だと思う!
あと、冒頭のエピソードは「順ってそんなにおしゃべりかな?」とか「夜食弁当を用意する仕事ってなんだったんだろう?」とか個人的に色々気になった。昼間に不倫相手とラブホテルに行っておいて(おそらく仕事だと偽って)、妻が用意した夜食を食べて仕事をスーツでやる仕事ってなんだろう???テレホンオペレーターのスーパーバイザーとかかな。

2015年8月15日土曜日

インサイド・ヘッド

どの感情も、なかったら困る

監督:ピート・ドクター/ロニー・デル・カルメン
原題:Inside Out
上映時間:94分
パンフレット:720円(★★☆☆☆:ピクサー作品年表に世界興収も併記してあって便利。ナンバー1は、「トイ・ストーリー3」の10.6億ドル)

2009年の「カールじいさんの空飛ぶ家」以降は、ピクサー製作作品は抜けなく全部劇場鑑賞しているのですが、今回はピクサー長編アニメーション20周年記念だけあって完成度が高いというか非のつけどころがない作品でした。非のつけどころがなさすぎて、逆にちょっとキュートじゃないよね・・・っていうことが非かなっていう感じ。「カーズ2」「メリダとおそろしの森」「モンスターズ・ユニバーシティ」と直近3作のピクサー作品は水準は高いものの完璧っていう感じではなかったんですが、これは「トイ・ストーリー3」ぶりひさびさにきたピクサーの完璧作品だと思います。ただ「カールじいさんの空飛ぶ家」や「トイ・ストーリー3」にはあった訳ありの悪役がいない分、この2作品に比べると「悪役側にも一理あるんだけどねぇ」っていう振り幅が減っていて映画としての魅力がかけている気はします。
「インサイド・ヘッド」、頭の中でヨロコビ・ムカムカ・イカリ・ビビリ・カナシミという感情の素が人格を持っていて彼らが協議した上で宿主の成長を見守るっていうのが見てて楽しかったし、映画が終わったあとも自分の心の中で起こっていることを映画の映像に置き換えて考えることが出来て、子供の心身の健康に役立ちそうな映画だなぁって思いました。学校の教材にしたいくらい。他にも、特別な思い出で性格の島が出来て宿主の性格を決めるとか、記憶が失われる仕組みとか、夢製作の裏側とか、こわい物の取り扱いとか、心でおこっていることがビジュアルとして分かりやすかった。アルツハイマーの人の心の中ではどういうことが起きているのかとかも見たいな~。この映画のイメージで置き換えれたら、前向きな意味合いでアルツハイマーについて考えることが出来そう。あと、私はとても面倒くさがり屋なので、ナマケっていう感情も作ってほしかったな。単純に自分のために見たかった。
作品そのものの質とは関係ないけど、ドリカムが歌うオープニングの日本版オリジナルテーマソング「愛しのライリー」をバックに映しだされる一般人が本当にきつかったですね。なにかのキャンペーンか公募をしたんだろうけど、映画館のスクリーンで一般人の技術で撮影した一般人の姿をうつしちゃダメ、ほんと。「なぜこの企画を通した?」「なぜキミたちの姿がうつってる?」と見知らぬ誰かへの嫌悪感で、ちょっとムカムカがとまんないやつでした。そのムカムカをおさめるのに、今回はディズニーやピクサーお約束の本編とは関係ない短編アニメーションが本当にありがたかった!「南の島のラブソング」はそんなに面白くなかったけど、あれのおかげで少し心を落ち着け集中力をとりもどして「インサイド・ヘッド」本編に臨むことが出来ました。(あ、これ、もしかして、「短い時間に様々な、心の動きを感じ取って!」というメッセージだったのかな)

2015年7月28日火曜日

バケモノの子

監督:細田守
上映時間:119分
パンフレット:720円★★★☆☆(いろいろなスタッフや声優インタビューがたくさん載ってます)

9才のボクが、大人になるまで。

細田守監督作品、前作の「おおかみこどもの雨と雪」がすごい苦手な記憶があったので、今回の「バケモノの子」も自分にはあわなそうだなと思ってました。で、見てみたら、案の定あわなくてちょっとかなしかったです。「時をかける少女」はあんなに好きだったのになぁ。(めったに映画のDVDを買わないのですが、「時をかける少女」のDVDは買って持っています)
パンフレットのプロデューサー斎藤優一郎さんへのインタビューで、「細田監督は、アニメーション映画は常に理想を描くべきだという映画哲学を持っている人です」と記載されているのですが、これを読んで細田守監督作品の自分へのあわなさがなんか納得できました。細田守が描く理想に対する強いメッセージを映画の中に感じて、すごい説教臭く感じてしまうんです。あと、作画の美しさとリアリティがあるだけに、そのメッセージに拒否感を感じる自分自身にも嫌悪感を感じ、鑑賞中めっちゃイライラしてしまう。「時をかける少女」は原作ありきだったから、そんなに気になんなかっただけなのかも。生きるとは、父性とは、強さとは、自分とは、、、そういうことも大切だけどそういうのは密やかに込めて、もっと作り出した世界で圧倒させてほしかったな。
前作の「おおかみこどもの雨と雪」でも東京の国立という本当に存在する街が、美しい作画でリアリティを持って再現されたに興奮しましたが、今回も渋谷が実写以上のリアリティで映し出されていて見てて楽しかったです。その渋谷の中で、おこなわれるアクションシーンが見れただけでも得した気分です。細田守作品で何よりも楽しみにしているのは、実在する街を作画で楽しめることかもしれません。次は大阪とかが見たいかな。

2014年8月28日木曜日

STAND BY ME ドラえもん(95分)

監督:八木竜一/山崎貴
彼はバッドエンディングでも結婚する

泣かせる気まんまんの予告編を見た時は「絶対に、絶対に、絶対に見たくない!」と思っていたのですが、ムービーウォッチメンで課題作品になってしまったのであきらめて見に行きました。冒頭に映る3DCGで描かれるのび太の家が違和感なかった時点で「あ、けっこう大丈夫そう」って安心しました。「ドラ泣き」はしませんでしたが、そのまま案外と楽しくみました。(「ドラ泣き」ポイントをひっかかりなくスルー出来たから、ムカつかなかったというのもあるかもしれません)
まるまるしたドラえもんがかわいかったし、登場人物たちの舌ベロにぬめっとした質感があって美味しそうでした。ただ、3DCGで描かれる未来の町並みは、スポンサーであろうPanasonicとTOYOTAの看板ばっかりがやたら映るせいもあって、ちょっと描き込みが少ない感じで残念でした。やっぱり、スポンサーとるなら中途半端な社数じゃなくて、トランスフォーマーみたいにガッツリやったほうがいいのかもと思いました。あと、「映画のジャイアンはいいやつ」っていうドラえもん映画あるあるだと思うのですが、今回は普段通りの乱暴なジャイアンだったせいもあり、3DCGで空き地で暴れるジャイアンが「悪人」のピエール瀧に見えてしょうがなかったです。クライマックスの殴り合いで、のび太が土に埋められちゃうかと思ったよ。
映画のドラえもんというと「何か大きな事件がおきて別の世界で戦う」というものが多いですが、今回のドラえもんは「のび太の孫の孫せわしくんがドラえもんをのび太の元に送り、ドラえもんがのび太の幸せを実現し、そして未来へ帰る」までを基本的なエピソードをおさえて描いたものでした。
「ドラえもんがなぜ未来から来たか?」とか「のび太の幸せとは何なのか?」というドラえもん基本定理をあらためてじっくり確認すると、「30代未婚・子なしの私のとこには、未来の孫の孫が私の幸せを案じてドラえもんを送ってくることはないんだな・・・」と子供の頃には気付かなかった別次元でのドラえもんありえない説を発見して、「ドラえもーーーん!!!」と叫びたくなりました。ドラえもんというテコ入れがなくても、ジャイ子と結婚出来てるのび太すげえと思ったり、ジャイ子との結婚を嘆くのび太にムカついたり、完全に子供の頃とは別次元でドラえもんを見ている自分が悲しくなりました。唯一救いだったのは、のび太と結婚しなかった未来を生きるジャイ子が漫画家としてイキイキとしていたこと。自分との結婚が不幸だと嘆くしょうもない男との人生よりも自分次第ではもっと楽しい人生が送れるはず。。。と勇気付けられました。

2014年8月9日土曜日

思い出のマーニー(103分)

監督:米林宏昌
依存しあう少女たちは痛々しく美しい

感想を書くにあたり、さきほど予告編を見返してみたんですが、台詞抜きで美しいシーンが連続して見られる予告編のほうが本編そのものよりも格段にいいなあと思いました。予告編は美味しいとこ取りっていうのもあるのですが、本編は主人公のちょっとした心情を台詞で説明することが多く、表現の受け取り方が限定されるように感じました。ひとりっきりの時の独り言で「帰らなきゃ」とか「めんどくさい」とかそーゆー台詞はいらなかったような気がします。もっと絵?演技?で見せてくれてくれたほうが情感深くてよかったです。
原作未読なのですが、原作の設定通りと思われる最後に分かるマーニーと杏奈の関係性の秘密にちょっと萎えてしまいました。マーニーと杏奈が血のつながりがあるから特別に惹かれあったと思うと、ちょっとつまんなく感じてしまいました。物語序盤は自分にだけ見える友達と異様に打ち解ける様子に、「「クロユリ団地」っぽいやつか!?」とホラー展開を期待してワクワクしていたりもしたので余計に残念でした。
とはいえ、海が満潮になった時にボートを漕いでやってくる秘密の友達との逢引のシーンはとても美しくて、「あなたのことが大好き」「あなたになりたい」とお互い依存し合う少女たちには胸が苦しくなる美しさがあってよかったです。今年見た東京女子流主演「5つ数えれば君の夢」でも、所有欲にも似た強い欲求で友達に依存する少女たちが見られるのですが、そうゆう思春期の痛々しい少女たちの様子は大人になって見るとなぜだかとても美しく感じるものだなあと思いました。
マーニーと杏奈にぴったりのイメージの少女を考えてみたのですが、モーニング娘。‘14の佐藤優樹と工藤遥でどうでしょうか。天真爛漫なまぁちゃんに、困り顔で翻弄されるくどぅのカップリングはなかなか良いです。とてもよい評判をきいている「LILIUM-リリウム 少女純潔歌劇」も早くDVDで見たいなぁ。


2014年5月3日土曜日

映画クレヨンしんちゃん ガチンコ!逆襲のロボとーちゃん(97分)

監督:高橋渉
泣けるうんこを見られる日もきっと近い

GW期間中に表示「ウリキレ」になっている中、ダメ元でチケットカウンターで「どんな席でもいいんで1枚ありませんか?」とトライしてみたら、「一番後ろのはしっこなら1枚あります」とチケット買えました。ウリキレ表示出ててチケット買ったのは「パラノーマルアクティビティ」以来2回目。おひとりさまならわりとなんとかチケットとれるというライフハックを再確認しました。
クレヨンしんちゃんは、映画はいままで1本も見たことがありませんでしたし、テレビも数回しかみたことがありませんが、、、おもしろかったし号泣メーンしてしまいました。客も親子連ればっかりかなと予想していましたが、20代くらいのカップルのお客さんも多かったです。
ロボとーちゃんのがんばっている姿に心打たれて泣けてしまうストーリーなのですが、特に好きなのはロボとーちゃんがしんのすけにピーマンを食べさせるシーン。ひろしの感情を消されたロボとーちゃんが「しんのすけが最も苦しむ方法をつかって苦しめろ」と命ぜられ、しんのすけの苦手なピーマンだけを炒めてしんのすけに食べさせるのですが、その拷問自体がしんのすけのことを分かっていないと出来ない愛ある拷問でよかったです。そして、その後、ロボとーちゃんの感情を取り戻そうと、しんのすけが必死になってピーマンを食べるくだりに号泣メーンしてしまいました。実際には、ピーマンを食べているだけの絵なのに・・・こういう、その時出ている絵とは必ずしも一致しない感情を呼び起こされる作りって、すごい好きなんですよね。昨年の映画「キャビン」で大量虐殺が起きるシーンで大笑いしてしまうとことか、それまでの話がうまく運んでいないとおこりえない現象だと思います。
ちなみに、今回の映画を見た後ずっと気になっていた「モーレツ! オトナ帝国の逆襲」も見ました。これも「臭い靴の匂いを嗅ぐ」というシーンがいちばん泣けるというおどろきがありました。こうなってくると泣けるおならとか、泣けるうんことか、泣けるちんことかもこの先可能性あるな。。。と考えてたら、泣けるちんこは「ふがいない僕は空を見た」ですでに見ていたことを思い出しました。あれも、すごい好きな映画。

2014年4月3日木曜日

LEGO(R) ムービー(100分)

監督:フィル・ロード/クリストファー・ミラー
原題:The LEGO Movie
レゴだって、自分探し

2D・吹替で鑑賞しました。「くもりときどきミートボール」「21ジャンプストリート」のフィル・ロード&クリストファー・ミラーのコンビということで、「これ、絶対おもしろいヤツや!」という期待がありました。期待通り面白かったです。
多層的な世界を描きながらも、複雑さを感じさせないところがうまい。「上の方」という表現が序盤から出てくるので「人間出てくるヤツかな?」と予想はしていましたが、「大いなるパーツ」の正体が接着剤のかぶせ蓋だったという展開にはおどろきました。つーか、ふたをかぶせる接着剤が爆発することがあるって、そんなのはじめて知りました。中身が膨張して、爆発するのかな?
同僚たちにさえも「どんなヤツだったっけ?」「あいつには特徴がないよ」と言われる凡人:エメットがヒーローになる姿に、私の大好きな凡人ヒーローの名作「SUPER!」を思い出しました。「SUPER!」は凡人がヒーローになりきったことで周りからは狂人にしか見えなくなるという哀しさがありましたが、今回は「2段ソファ」や「なにかまわるものにつけて!」と言われて何も思い浮かばず自分の頭部パーツを車輪につけるなど凡人ゆえのアイデアで窮地を乗り切るところなど、クールさやクレバーさはなかったとしても誰にでも「人にないもの」があると感じられ、存在に元気づけられるヒーローでした。
数々の名前を自らにつけてきたというワイルドガールが、終盤に自分の本名「ルーシー」を明かすとともに「自身が「選ばれし者」になりたくて、「大いなるパーツ」を探していた」ことを告白するのもグッとくる展開でした。その彼氏役、黒とスピーカーにこだわるバッドマンは登場から終盤までずっとイイ男だったから、別れちゃもったいないと思います。

2014年3月29日土曜日

アナと雪の女王(102分)

監督:クリス・バック、ジェニファー・リー
原題:Frozen

出会って1日で婚約するスキル

字幕・3Dで鑑賞しました。途中までは定番のおとぎ話的ストーリーテリングを裏切ったとんがった話かなと思ったのですが、終盤色々都合良くうまくいきすぎてなんだかまるくおさまった印象を持ちました。
「これは普通のおとぎ話とは違うのかな」と思ったのは、まず姉エルサの力が「何者か」によってもたらされたモノではなく生まれつきの才能であったこと。特別な才能がとらえようによっては呪いにもなるということがひしひしと伝わってきました。そして、それまでその能力をおさえようと努力してきたエルザが「let it go」の歌とともに力を解き放つシーンには、才能を思うがままに発現させる行為自体に内包される喜びを感じました。
また、アナと婚約する王子の裏切りも、「これは普通のおとぎ話ではないよ」という意地悪さを感じてよかったです。王子に怪しさを感じつつも、凍る心臓を溶かすためキスを求めるアナに「恋する相手が他にいないとはかわいそうだね」とキスを断るのは、序盤の出会いの歌唱シーンから考えると「まさか!」という感じでした。「シンデレラ」や「白雪姫」などのおとぎ話に異を唱えているようにも見える「出会って1日しかたってない相手との結婚は危険」という帰結は、現代的に感じました。ただ、王子は「愛に飢えていたキミをおとすのは簡単だった」っていうけど、あまりにも長く愛に飢えてると愛にうたぐり深くなってさすがに出会って1日では落とせない気もします。アナはまだ若いから、人を信じやすいんだね。
アナの呪いが異性愛ではなく姉妹愛によって解かれるのはボーイミーツガールよりも重要な関係性を感じてよかったのですが、エルサがこれまでコントロール出来てなかった雪の力を「そうよ、愛よ!」といいながら自由自在に操れるようになるのは「急にうまくいきすぎ」てしらけてしまいました。
雪だるま:オラフの夏に憧れる歌唱シーンには、ディズニー映画「プリンセスと魔法とキス」のホタルの哀しくも美しい最期を思い出し「願いが叶ったら、死ぬヤツや!」とうっすら期待してたのですが、万能化したエルサの手によって憧れの夏になっても都合よく彼にだけ雪雲が。。。最後うまくいきすぎで、なんだか物足りない気分になってしまいました。
短編映画「ミッキーのミニー救出大作戦」は、3Dである必然性があって楽しかったのですが、映画というよりディズニーランドのアトラクションみたいで「まぁ、コレは別に映画館で見なくてもいいか」と思ってしまいました。「トイストーリー3」についていた短編「DAY&NIGHT」のようなうまい3Dの使いと映画的感動がある短編をまた是非みたいし、期待してます!

2014年1月11日土曜日

くもりときどきミートボール2 フード・アニマル誕生の秘密(95分)

監督:コディ・キャメロン
クリス・パーン
原題:Cloudy with a Chance of Meatballs 2
パート2は悪役にやさしくない

前作「くもりときどきミートボール」未鑑賞だったのですが、この機会にTSUTAYAでレンタルし鑑賞してから、パート2を見にいきました。
パート1は空から食物が降ってくるという不謹慎さやどんどんバカデカクなる食物の絵が狂った描写など面白く楽しんでみれたのですが、パート2では食物が生物:フードアニマルになり人間と感情を通わせるというストーリーはなんだかよく見たことのある展開であまりワクワク出来ませんでした。 
「くもりときどきミートボール」はパート1で、主人公フリントと父親や街の人との確執、ヒロイン アンナとの恋愛など人間関係の問題が解決済みになっており、このパート2では仲間のチームワークとそれを邪魔するチェスター5世が描かれます。が、様々な問題が既に解決されているので、あまりキャラクターを興味をもって見ることが出来ませんでした。それに、チームワークの爽快感もパート1のクライマックスを上回らず残念。パート1のぎゅうぎゅう詰めの飛行機で雲の上に行き適材適所の活躍をしたチームワークに勝るシーンがほしかったです。
また、主人公と同じような立場なのに悪役になるチェスター5世とその救いのない悲惨な最期に、「トイストーリー2」を思い出しました。「くもりときどきミートボール」のパート1では悪役の市長は逃げて、フェードアウトしていっただけだったのに。パート2同士、なぜか似てしまう不思議。。。
このパート2、パート1のよさがかなり失われていましたが、フードアニマルの中でも凶暴性があるハンバーガーなどは見たことないおそろしい造形が見れてよかったです。バンズについているゴマのひとつひとつが目になってるのがほんとうにこわかった!
また、エンドロールのお楽しみも物語をより深く味わえるものになっていてよかった。バーブにお茶に誘われたスティーブが「ディナー」と翻訳機で答えるシーンとか、短いながらほんわかこころがあたたまりました。スティーブ、そっけないけどやさしいオトコ!

2013年12月14日土曜日

かぐや姫の物語(137分)

監督:高畑勲
生きづらささえ生きる喜び

予告編にて墨汁で書かれたような輪郭をまといおそろしい顔で走り抜けていくかぐや姫を見て、これまで見たことのないタイプのアニメーションの迫力を感じていました。予告編が台詞抜きだったので、アートっぽい映画なのかなと思っていましたが、生々しい心情吐露とともに生き辛そうなかぐや姫を描きながらも、生きる喜びを感じさせてくれる映画でした。
幼少期のかぐや姫が翁と媼の近くでかえるのモノマネをしながら成長を見せるシーンが、赤ん坊が成長していく姿のかわいらしさとそれを見守る者の喜びがあふれていて好きです。縁側から落ちたかぐや姫が2本足で立ち上がる姿を、驚きと喜びの顔で見守る翁と媼の姿がよかったです。顔を真っ赤にして、「姫!姫!」と手をたたいてかぐや姫を呼び寄せる翁の必死な顔もよかった。
かぐや姫の幸せを祈り高貴な姫という像を彼女に押し付け、どんどんかぐや姫を生きづらくしていく翁を見て、古今東西かわらぬ女性の普遍的な悩みを感じました。「すべてを忘れて他の場所に行ければ、楽になれるのに・・・」とかぐや姫は願い、はからずもそれを叶えてしまうわけですが、結局悩みを捨てなければいけない瞬間にはその生き辛さでさえ愛おしく手放し難い気持ちになることが伝わってきました。結局この生き辛さと付き合っていくことも、生きる喜びのひとつなのかもしれません。
あと、しょうもないことなのですが、幼少期にパンツをはかずにおしり丸出して暮らしていたかぐや姫が捨丸に肩車されたシーンで、「おい、それ、具があたってんじゃねーか!?」とちょっとへんな気持ちになりました。帝のアゴがすごい長いのも気になった。あんなのに後ろからいきなり抱きしめられたら、アゴがささって痛いでしょうに。
あと、月からのお迎えがこないだ見た「劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語」のアルティメットまどかの一団にすごい似てました。つーか、かぐや姫の穢れが円環の理の中に浄化されたと考えれば、この2つは姿形以外も結構類似してるかもしれません。

2013年11月26日火曜日

地下幻燈劇画 少女椿(52分)

監督:絵津久秋
寿司3日間で胃腸にくる

カナザワ映画祭3日目、最後の映画は「少女椿」を見ました。
映画の前、最後の金沢飯は駅中のおでん屋「黒百合」でいただきました。3日間毎日寿司を食べ続けたせいで、少し弱っていた胃腸におでんの煮汁がやさしかったです。 
仕掛け上映がおこなわれた「少女椿」、劇場内にはいるとそこらじゅうにバラ撒かれたトイレットペーパー・倒れる包帯人間・ステージ上の狐付などの演出。映画の舞台になる仕掛小屋を思わせる。映画のクライマックスでは大量の煙が、ラストシーンでは桜吹雪が大量に舞い降りてきました。人力4DX、楽しかった!
タイトル名から「椿」という名前の少女が出てくるもんだと思っていたら、最後まで出てこなかった。椿ってなんだったんだろう。そんなことを思いながら、特急しらさぎで金沢をあとにしました。
カナザワ映画祭、映画8本・トークショー2本・寿司3食と満喫出来ました。今年は深夜に漁港とベルハーのライブも見れたし、素晴らしい3日間でした。来年も行きたいナ!

2013年11月7日木曜日

劇場版 魔法少女まどか☆マギカ 新編 叛逆の物語(116分)

総監督:新房昭之
監督:宮本幸裕
閉じた幸せなんかいらない

TVアニメ全話と劇場版 前編・後編とも鑑賞済みの状態で見に行きました。TV版アニメは、放送終了半年ぐらいたって、友人にすすめられ鑑賞しました。前劇場版は映画館に見に行きました。
TVシリーズと前劇場版2作とあわせて話がきちんと終わっていたので、今回の新編はどうなるんだろうと思っていましたが、これを「大いなる蛇足」ととるか「創造的破壊」ととるか…難しいところです。ただ、前の段階で話に美しく句点が打たれていたので、この後どう続いていくか分からない現時点では、まだ「大いなる蛇足」と個人的には思っています。 
ほむらとキュゥべえの台詞説明が多く、キュゥべえの試みた実験にどうやってほむらがひっかかったのか、ほむらははじめから「そのつもり」だったのか、そこらへん1度見ただけでは分かりませんでした。いままでのシリーズに比べて、難解さが増したと感じました。
ほむらが自身の内部に作った結界世界がとても幸せで平和なものだっただけに、その後の展開に「はぅーーー」となりました。好きな人が神様になった場合、自分は悪魔になるっていう展開、私はデビルマンを思い出しました。
今までのシリーズでは早々に死んでしまっていたマミさんが、最後まで生きていてずっとおっぱいを拝めたのが、個人的にはうれしかったです。ただ、マミさんが自分を喰った魔女をいつも連れているのでいつマミられるのかとお茶会のシーンとかでもドキドキしてしまいました。でも、最後までマミられないと、それはそれでちょっと残念でした。。。