2013年6月8日土曜日

プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ 宿命(141分)

I am your father.
監督:デレク・シアンフランス
原題:The Place Beyond the Pines

デレク・シアンフランス監督の前作「ブルーバレンタイン」では、「女と男、どっちが悪い!」と大きな波紋論争になりましたが、今作を見て「それはともかく、2人の娘の将来が心配!」とタマフル放送作家・古川耕さんが言っていたのを思い出しました。「プレイス・ビヨンド・ザ・パインズ」では、その古川さんの声に監督が答えてくれたように感じました。
映画で描かれていない年月をライアン・ゴズリングとブラッドリー・クーパーがどうやって過ごしていたのかを考えると、「やはり15年後の子供たちと同じような幼少期を送ってきたんだろうな」と想像され、断ち切ることのできないめぐりめぐる父と息子の輪廻を感じました。息子たちと同じような過去を持っていたからこそ、ライアン・ゴズリングは自分の息子にあれほどまでに執着したし、ブラッドリー・クーパーは父親を敬いながらも軽蔑していたのだと思いました。 
ジェイソンが義父に自分の実父について質問するシーンがすごい好きでした。実の父親について聞くジェイソンに、ダースベーダーの声マネで“I am your father.”と答える父親。このシーンだけで、血がつながっていないといえども、ジェイソンがどれだけ家族に愛されているかを感じることができました。それだけに、「これだけ愛されていても、実父の宿命に呑まれてしまうのか・・・」と哀しい気持ちになりました。