2014年4月23日水曜日

サンブンノイチ(119分)

監督:品川ヒロシ
窪塚くんなら、余裕で川崎を支配できると思うよ

品川ヒロシ監督作品、以前ウィークエンドシャッフルで扱われた「漫才ギャング」ぶりに見ました。処女作「ドロップ」は見ていませんが前作「漫才ギャング」にあまりいい印象がなかったので、今回もあまり期待してませんでしたが、けっこう楽しくみれました。
この映画、なんといっても窪津洋介がよかった!なんつーんですかね、窪塚洋介という役者が画面にいるだけで、映画のフィクションラインがさがる感じがします。哀川翔のモノマネで決めゼリフを言う人物とか、普通だったら「何、おちょけとんだ!」ってイラっとすると思うんですけど、「窪塚くんなら、そうだよね~」という具合で飲み込ませてしまう謎の説得力。池畑慎之介との対決で、「その歳で性癖を変えれるとはすばらしい」とかしこまるとことかも、おかしかった。「便利だから」という理由で使用している凶器アイスピックを使ったアクションシーンも、その前の会話と筋が通っててよかったです。
15年ほど前の窪塚洋介全盛期(?)には、「また、窪塚くんこういう役か・・・」とちょっとマンネリを感じていましたが、この「サンブンノイチ」で窪塚洋介という稀有な存在感の貴重さを再認識しました。
劇中何度か映画ネタが会話に引用されるんですが、窪塚くんが「自称映画好きは、他のやつは映画を観る目がないと言う。他のやつが言うことなんか聞いちゃいない!俺は年に二本くらいしか映画を観ない!一番好きな映画は『バック・トゥ・ザ・フューチャー』だ!しかしそれもベタ過ぎるとか批判をされる。俺はそうほざくやつが大嫌いだ!」と言い放つのは、「どーせ、自称映画好きはこの映画を評価しないだろう。でも、そんなこと知ったこっちゃない」という品川監督の叫びのようにも聞こえました。松本人志監督「R100」でも、こういう「お前らにはわからないだろ」っていうメッセージが込められていると思える描写があるんですが、こういうのいれちゃうのは芸人監督の手癖みたいなもんなのかな。
でも、「サンブンノイチ」で映画話をする描写は好きでした。特に藤原竜也が中島美嘉を抱こうとしているのに、中島美嘉が延々クリスチャン・スレーターの話をして藤原竜也が萎えるエピソードがよかった。機会があれば、私もそういう非道やってみたいな。