2012年4月3日火曜日

ピープルVSジョージ・ルーカス(92分)

原題:THE PEOPLE VS. GEORGE LUCAS
監督:アレクサンドレ・オー・フィリップ

「スターウォーズ」1本も見たことがなかったのですが、コレものすごく面白かったです!
もともと「何かのファンである人々の生態」に私ものすごく興味がありまして・・・めざましテレビの「かる調」とか、女性アイドル×そのヲタの生態を描いたDVD「NICE IDOL(FAN)MUST PURE!!!」とか大好きで。そういう意味でこの映画、私の大好物でした。
まず、「スターウォーズ」の1977年公開当時の様子を見、ファンがコスプレしたりパロディ作品を創作したりと、現在の「share」文化とものすごく相性のいい作品なんだなと感じました。そういう作品がインターネットで「share」することが当たり前になってきたこの時代に、ジョージ・ルーカスへのファンの賛否の声を「share」した映画になること自体とてもおもしろいなぁと感じました。

最も興味深かったのは、修正版論争と新シリーズ「エピソード123」に対するファンの反応。
オリジナルバージョンが脳裏に焼きついているファンが、ただの映像のクリア化にとどまらない内容修正をした新バージョンを「オレの作品に何をする!」と本気で怒っていたのに、「その気持ち、よく分かるなー」とうなづきました。思春期に繰り返し見た作品って、自分脳裏に焼きついているものだから、オリジナルバージョンが公式的に抹殺されているのはファンには耐え難い苦しみだろうなと共感してしました。
また、新シリーズ公開に対するファンの反応も、よかった。「16年待ったんだぜ!」「これこそ、最高の瞬間だ!」と鑑賞前盛り上がっていたファンが、見た後「え?」となる感じ。でも、「繰り返しみてみよう。きっと、なにか妥協点があるはずだ。」と新シリーズを好きになることを諦めきれないファン心理が切ない。

数限りなくでるグッズやDVDBOXを、「やむことのない手コキ」に例えるのにも「なるほどな~」うなずいてしまいました。ファンは疲れきっても、哀しいかな愛を注ぎつづけるものなんですよね。。。

ファンの悲喜こもごもの数々に声を出して笑ってしまう映画でしたが、終盤の「それでも、スターウォーズが好きなんだ」という声には、泣きそうになりました。
真に何かのファンになるということは、人生をソレに捧げるということ。「そこまではいりこめる何かがある人は、不幸でありながらもとても幸福なんだなぁ」と噛締めてしまいました。