2011年9月2日金曜日

未来を生きる君たちへ(118分)

取り返しのつかないことがおきそうな終始予感がちらつき、手汗ぐっしょりに。
しっかり重く嫌な気分になる映画でした。



自転車の空気いれでいじめっこフルボッコにしたり・ナイフでおどしたり、
インターネットで調べて爆弾作ったり、
歩みよろうとする父親を完全にシャットアウトしたりと、

「母を病気で亡くしたことだけでこんなにひねくれるかぁ?」とクリスチャンのキャラが途中まで腑に落ちませんでしたが、子役の歩き方とか立ち姿で「あ、こいつヤバイ!もしかすると生まれつきヤバイ!」と説得されました。
生まれもっての悪オーラぷんぷんのクリスチャンは、エリアスを殺しかけたことで、
奇跡的に救われたのだと思います。
でなければ、アイツは自分の直接の敵でなく社会に向けた報復をはじめていたはず。
難民キャンプで医師として働く父・アントンに、「ハートロッカー」を感じる。

「でも、やるんだよ!」と自分の使命のもとに生きる漢は、やはりかっこいい!


理由なく殴ってきたおっさんへの報復を願う子供たちを連れ、そのおっさんの家に行って、
「なんで、君はぼくをなぐったんだ?」と問い、また子供の前で殴られて

「あんなヤツ怖くないんだ」「バカの相手はしないにかぎる」と子供に教えるアントン。
「報復が報復を生む」と言葉だけでなく、それを実践していたかっこいい親父。

しかし、難民キャンプで虐殺を働くビッグマン(性別を当てる賭け事のために、妊婦の腹を切るという人非人)をいったんは治療するものの、死んだ女性患者(おそらくビックマンの被害者)に対して
「小さなワレメ!大きなナイフ!」「お前、そいつとやったのか?死体とやるのが好きなヤツいるから引き取るぜ」
とのビッグマンの言葉に怒りが爆発。結局「報復」に手をそめてしまう。
そんな自分に頭をかかえるアントンに、「あー、もうコイツはこの職場には戻らないだろうな」と思っていたら、
映画のラストでアントンはまた難民キャンプに。
自分の行為は空振りなのかもしれないけど、、、「でも、やるんだよっ!」と、彼の姿に声なき声をききました。


 
あと、過去の浮気を理由でアントンを許さない妻・マリアンに、「本気で反省してたら浮気は許そう」と教えられました。
マリアンが早めに許してたら、あの家族はもっと幸せだったと思うです。
息子エリアスもクリスチャンにひきづられることもなかったと思うし。

浮気にしろなんにしろ、「絶対、許さない」と決めるのではなく、相手が反省させる程度の寛容さを持ちたいものです。