監督:富田克也
ようやく「サウダーヂ」見れました!
TBSラジオ・ウィークエンドシャッフル内の名物コーナー「シネマハスラー」の課題作品中心に映画を見ている私にとっては、パーソナリティのライムスター:宇多丸さんが2011年ベスト1にあげたこの映画をみられなかったことは大変悔しいことでして・・・
いや、まず2012年2月にようやくシネマハスラーのランキングをコンプリート出来たことに感動しました。
で、映画本体ですが、ものすごい熱量にビックリしました。
ずいぶん昔に読んだので、ざっくりとした印象なのですが、村上龍「イン・ザ・ミソ・スープ」が思い浮かびました。その地方版といいますか、、、「納豆食って、日本人の心になれ!」とか食ワードに余計そう感じたのかもしれません。つうか、食の扱い方もよかったなぁ、この映画。田我流くんが帰宅してすぐ食べる、パンにマヨネーズつけただけの謎の料理があの部屋とあいまって荒んだ生活の説得力がものすごかったです。
知らないキャストばかりでありながら、「こんなヤツ、イルイル」感の説得力がはんぱなかったです。エステティシャンの嫁とかLOVE&PIECEのまひろとか、あと田我流くんの完璧すぎるヘッズとしての佇まいがしびれます。「政治家が一番のギャングスターじゃねーか!」とハーコーラップ決めるとことか、どこかで見たことある気ような既視感を感じました。ひとりひとりが極端な行動をとっても、このキャストの説得力で「ある・ある」と納得させられてしまいます。
各自が自分の幸せや解決をココではないどこか<サウダーヂ>に求めてしまう救いのない姿に、絶望を感じながらもなぜかエンターテイメントとして笑えてくるところもすごい。
彼らが土木業で仕事をしている姿が、とてもイキイキとしていて楽しそうで好きでした。
この作品では「仕事をすること」が幸せや解決への筋道ではなかったのですが、やっぱりどうしようもない時はとりあえず仕事しようかなと勝手に思ってしまいました。